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2006年2月14日 (火)

クラガンモア Cragganmore

これもウイスキーのブランド名で蒸留所名で、スコットランドの地名でもある。
この間飲んでとてもおいしいと感じたウイスキーだったし、ゲール語の由来について記しておこうと思う。バーで瓶を手に取ったときに、そのゲール語の意味がすぐにわかって、ちょっとだけうれしくなったからでもある。

1)ゲール語で、大きな岩 
  an creagan mor (これは文法的には問題)
2)ゲール語で、大きな岩(複数) by nanba
  Creagan mora

ゲール語で、岩は creag(クリク:注)と書く女性名詞である。これに大きいという意味の mor(モー(ル)がつけば、creag mor となる。文法的には、creag mhor が正しいゲール語である。これだと発音が、クリクヴォー(ル)。加えて、the big rock と定冠詞をつけて解釈するなら、 ちゃんと定冠詞をつけて、a' chreag mhor にしなければつじつまが合わない。すると発音は、ェフリクヴォー(ル)(このフの発音はカタカナではかけないが無理矢理書くとこんな感じ)となる。
でも、複数形になると、岩の creag が creagan(クリカン:注)となる。さらに、大きなを意味する mor(モー(ル))が、複数形の場合には、mora(モーラ)と変化して、creagan mora となる。
これ以上の説明はいらないかもしれない(笑)。

これではあんまりなので、一応、なぜ単数ではなく複数と思うかという理由を述べる。
女性名詞を修飾する形容詞は、その名詞が単数形の場合には、Lenition もしくは Aspiration と呼ばれる変化を示し、mor は mhor となって、ヴォー(ル)と発音されるようになるのである。単独の大きな岩(単数形)を指すならば、creag mhor となって、クリグヴォー(ル)となっていたはずであり、そうすれば、クラガンモアのような音には聞こえなかったはずだ。それ故、この解釈をしたヒトは、あえて文法には目をつぶって、単語だけを並べた解釈をせざるを得なかったのだと思われる。
つまり、単数形だと、文法上の問題を無視して、単語だけを並べる解釈になってしまうということで、きちんと話されていた言語がつけた地名という点に関しては疑問が残るのである。

ところが、複数の大きな岩を指すゲール語なら、Creagan mora とつづり、クリカンモーラと発音されるので、クラガンモアにずっと近くなるし、Cragg と more の間に an がある理由もよくわかる。それが複数形を作っているからだ。
また、モーラの発音もモーに強いアクセントがあるので、語尾のラはとても弱く発音され、モー+rの発音しか聞こえない場合だってある。そして、注にも書いたようにこのgはクともグとも聞こえるgなので、クリガンモー+rの発音もしくは、クリカンモー+rの発音となって、ますますクラガンモアに近くなるってわけ。
でも、これに定冠詞をつけるなら an ではなく na creagan mora となるので、peatfreakのように、an creagan mor と解釈するのは、文法的にとてもつじつまが合わないのだ。
それで、定冠詞なしの複数形の解釈だと、文法上も正しく解釈できて、発音的にもずっとすっきり当てはまるので、わたしは自分の解釈で、悦に入っていたりする。現地で地形を確かめれば、はっきりするのだが。

でも、わたしは立派なシロート(自爆)。どなたかきちんと由来についてご存じの方がいらしたらぜひ教えてほしいと思っている。

注:”g”は、語頭にないとき、つまり語中、語尾では、ぎりぎりgと聞こえないkに近い発音になる。それ故、時にはグとも聞こえ、時にはクとも聞こえる。

原出典は以下の通り
1)Cragganmore (Banff), An Creagan Mor. "The big rock".
サイト http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesC-E.pdf

1)つづき "The Big Rock" An Creagan (Scottish Gaelic - rock) mor (Scottish Gaelic - big)
サイト http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)オリジナルの解読なので、辞書を上げておく。これにはちゃんと複数形が載っている。
  Henry Cyril Dieckhoff: A pronoucing Dictionary of SCOTTISH GAELIC

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コメント

ついにnanbaさんの解釈も他のwhiskyサイトを越えた?今度パクって本出そうかしら(^^♪
それにしても瓶を手にとってすぐに名前が出てくるなんてすばらしい。普段使えないゲールゴも夜の酒場では大活躍ですね。これからも楽しい解釈まってまーす。

クラガンモアの近くにFanmoreやLagmoreなどがありました。関連性あるのかしら。http://www.multimap.com/map/browse.cgi?client=print&X=317000&Y=837000&gride=316791&gridn=836647&scale=25000&coordsys=gb&addr1=&addr2=&addr3=&pc=AB379AB&place=&width=600&height=500&db=&keepicon=true

投稿: Pengo | 2006年2月14日 (火) 21:59

どもです。最近 peatfreak も土屋守氏もどっこいどっこいかもと思い始めている自分が怖いです。めざせ酒場のゲール語王(笑)ってとこですかね。

そろそろpengoさんも覚えましょうね。後にmoreときたら、その前のものが”でかい”ってことです。Lag は、Lagavulin のLagと同じで”低い土地”ってことです。つまりLagmoreは、”広い低い土地”ってこと。
ここまでは辞書がいらない (^^)v

でも、fan は辞書をひいても??だった。だって、wait とか remain とかなんだもん。大きなwaitとか大きなremainって???状態です。
ってことで、わたしもまだまだ修行が必要なことに変わりありません(泣)。

改訂版モルトウイスキー大全を買ってきました。この本のゲール語解釈には、笑えるものもありますね。マッカランを”聖コロンバの丘”と解釈してますが、どこが丘で、どこが聖コロンバなんか説明してみそって(笑)。

今度は、この本をネタになんか書いてみましょうか?

投稿: nanba | 2006年2月14日 (火) 22:43

オリンピック見ながら書いています。そういえば私が行くブログは時事ネタ少ないなー。みんなマイペースだもんね(^^♪

マッカランのその解釈には確か大変な道筋を経てたどり着く、風が吹けば桶屋が儲かる並みの話しがあったんじゃなかったっけ?完全に忘れた^_^;

投稿: Pengo | 2006年2月15日 (水) 03:30

冬のオリンピックにサッカーはないし、スコットランドの選手もよく知らないし(笑)。

マッカランについてもちゃんとまとめておきましょうか。

投稿: nanba | 2006年2月15日 (水) 06:07

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