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2006年4月 8日 (土)

ブナハーヴン  Bunnahabhain

蒸留所の解釈をつづけていく。アルファベット順で、やっとBまで終わることになる。
これも地名と蒸留所名とウイスキーのブランド名になっている名前である。日本語としては、河口という意味で異論がないのではないだろうか。
河口というゲール語が3種類あることについては、以前に書いたので参照いただければと思う
ここには、Abhainn Araig と Margadale River という2本の川が合流して流れていて、その河口そばに蒸留所がある。

解釈例をあげておこう。
1)河口 モルトウイスキー大全にはつづりはないが、
    スコットランド議会サイトでは Bun na h-Abhainne というつづりがあげてある
  英語では、 The mouth of the river という意味である。
2)結果的には上と同じ意味になるが英語・ゲール語の解釈が微妙にちがう解釈
  Foot of the rever Bonn abhain

スコットランド議会サイトの解釈によれば、英語で the mouth of the river ということであるが、これをゲール語で書けば、Bun na h-abhainn であり、そのスペースとハイフンを取ったのが英語のつづりということになる。

ここで、abhainn の属格が必要になるが、泣きたくなったことが一つ。川という意味の女性名詞 abhainn には、3種類の属格形が見つかったこと。 aibhne、abhainn(e) である。aibhne は辞書にも載っているタイプであるが、下記サイトには、後者2つも属格形で載っている。
そこで、スコットランド議会サイトから na h-abainn という形をとるものと na h-aibhne の形をとるものを分けてみると、ルイス島、ロス州という北にある地域では、na h-aibhne という形の地名があげてあり、na h-abhainn(e)という地名は、マル島とアイラ島に見られた。地域性があるのかもしれないと自分を納得させている。最下段に全部あげておいた。

わたしの辞書もそうだし、ここで何度か引用した辞書サイトに載っている abhainn の属格は、aibhne なので、スコットランド議会サイトとは、ちょっとつづりが違うけれど、ここでは aibhne を使うことにする。

川という女性名詞の abhainn の属格が aibhne であり、これに定冠詞がつくと na h-aibhne となる。ここで、以前にも説明したので繰り返しになるが、英語で the mouth of the river のような表現をするときには、ゲール語では、最初の名詞に定冠詞をつけないので、後ろの river に相当する aibhne にしか定冠詞がつかないことも押さえておきたい。
これを合わせれば、Bun na h-aibhne のできあがりである。発音はブナハーヴンのようになる。

PeatFreakでは、Bun ではなく同じような意味の Bonn を持ってきている。無理矢理このままゲール語的な発音をすれば、ボンナバンとでも読めばいいだろうか。しかし、of the river とするためには、abhain を正しく定冠詞付きで属格にする必要があるのに、そういう形にはなっていない。
では、さらに無理矢理に bonn を使って、さらに正しく定冠詞付き属格にすると Bonn na h-aibhne となって n が3つも続くかっこわるいつづりとなってしまう(正直に言えば、PeatFreak は定冠詞付きの属格の使い方を知らないのではないかという思いを押さえきれない)。これを発音すれば、ボナハーヴンのようになる。

原出典
1)河口 ゲール語のつづりは示されていない
 土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P56-57.

1)のさらに続き
  Bunnabhain (Islay), Bun na h-Abhainne.
  "The mouth of the river". This is also known in English as Bonahaven.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesA-B.pdf

2)意味はほとんど同じだがつづりが違うもの
  "Foot of the River" Bonn (Scottish Gaelic - bottom) abhainn (Scottish Gaelic - stream or river).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

スコットランド議会サイトから、異なる abhainn の属格が用いられている例を抜粋。
na h-abhainn の例
1)Bonahaven (Islay), Bun na h-Abhainn.
  "The mouth of the river". The English form of the name appears to have gone out of use.
2)Bunnabhain (Islay), Bun na h-Abhainne.
  "The mouth of the river". This is also known in English as Bonahaven.
3)Moy Lodge (Mull), Taigh na h-Abhainn.
  The Gaelic name is "the house by the river".
4)Portnahaven (Islay), Port na h-Abhainne. "Harbour at the river".

na h-aibhne の例
1)Garynahine (Lewis), Gearraidh na h-Aibhne. "The fertile land by the river".
2)Hartfield (Ross), Coille Mhuiridh.
  While the English name refers to a field of deer, the Gaelic name is "the wood at the rampart place". However, another version of the Gaelic name is Coille a' Bhuiridh, "the wood of bellowing", which might refer to stags, but may be an attempt to give the name "meaning". Hartfield is referred to as Coille Mhuiridh da thaobh na h-aibhne, "Hartfield on both sides of the river".

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