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2006年4月12日 (水)

Macallan(マッカラン)を”聖コロンバの丘”と言ったのは誰?

以前にもマッカランについては、そのゲール語の意味について書いている。よく言われている聖コロンバの丘ではなく、ファラン(ゲール語名)/フィラン(英語名)の平原(教区)が正しい意味であろうということを書いた。本家本元のサイトでも The field of St Fillan と書いてある(といってグレンフィディックみたいに正しいかどうかは別だったりするんだけど、スコットランド議会サイトでも、PeatFreakでも同じ解釈が載っているので、これは正しいと思う)。ゲール語なら、Magh Fhaolain と書く。これがなんでマッカランと読めるかについては、繰り返しになるので、前の記事を読んでいただきたい。

しかしね~、マッカランの公式サイトがちゃんと”フィラン(英語名)の平原”って書いているのに、サントリーのサイトがいまだ聖コロンバの丘って書いてちゃだめでしょ(笑)。

まぁいいや、んで、ずっと疑問だったのはなんでこれを解釈すると聖コロンバの丘になるのか?ってこと。その疑問がひょっとしたら解けたかもしれないので、書いておくことにする。

「聖コロンバの丘」で、検索をかけてほしい、ずらっと並ぶウイスキー販売サイト。申し訳ないが、その一つをあげておこう(他意はない、たまたまわたしの検索で最初にでてきたから)。
   蒸留所はスペイ川中流クレイゲラキ村の対岸にあり、
   スペイ川を見下ろす高台に建てられている。
   昔、この地が「聖コロンバの丘」を意味する
   マ・コロムと呼ばれていたのが、マッカランと転訛したもの。(一部抜粋)
原出典は示されていないし、あたかも定説であるかのように書いてある。マッカラン蒸留所の公式サイトの見解も無視である(笑)。また、何語でマ・コロム「聖コロンバの丘」とよばれたかも書いていない。

この解釈の普及にモルトウイスキー大全などが果たした役割は大きいと思うのだが、肝心のモルトウイスキー大全には、”ゲール語”で「聖コロンバの丘」という、とは書いてあってもそのつづりは載っていない(P188)。

そこで、「はてなダイアリー」(でいいのかな?)のサイトにでていた「Ma Colomb」を検証してみよう(ここに載っているってことは、この解釈を日本に紹介した人もいるはずなのになぁ、それが誰かはわからない)。ただし、あとで述べるように英語で書かれたサイトでは、もうこの解釈を見つけるのは難しい。

まず、ゲール語の辞書や辞書サイトで調べても ma で丘という意味はない。つまり、このつづりではゲール語で「聖コロンバの丘」って解釈できないってこと。ゲール語で ma は、「もしも(英語の if )」という意味である。
では、次に、Macallan に対応するゲール語 Magh Fhaolain の magh を http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi で調べてみよう。ゲール語で平原という意味の他に、これに対応するウェールズ語が ma もしくは maes であることもでている。つまり、ゲール語ではなくウェールズ語であるなら解釈が可能であるかもしれないってこと。ただし、丘じゃなくて野原もしくは平原で。それと、Colomb もウェールズ語風に変えないとだめなんでないの?と思えるが、このあたりはまぁいいとしよう。

次に「Macallan Ma Colomb」をGoogleでオプション検索して、英語のサイトのみに限定すると27件のヒットがあるが、マッカラン蒸留所についてかかれたものは一件もない(この検索をぜひやってみてほしい。結構びっくりだから(笑))。ってことは、マッカラン蒸留所が「マ・カラムからきている」=「聖コロンバの丘(ほんとうは平原)」という説は、もはや英語圏では語られていない説とも言えるのではないだろうか。ひょっとして、もはや日本だけではないのかしらんという疑惑もわたしの中ではふつふつとわいてきている。だってね~、蒸留所の公式サイトが英語で書いてあって、それにはフィランの平原だって書いてあるわけだし。日本のウイスキーライターさん達にどうなっているのか聞いてみたい気分である。

一応、まとめておく。
Macallan は、ゲール語では Magh Fhaolain と書いて、ファラン(ゲール語名)/フィラン(英語名)の平原という意味になる。
ウェールズ語を含めた解釈であれば、Ma Colomb と書いて、コロンバの平原なら解釈が可能なのではないかということ。んでも日本で言われているように丘じゃないし、英語圏ではもはやこの記述をネット上で見ることがないってことは、信頼性が低いのではないか思える。

わたしは、解釈の元となったサイトなどはなるべく原出典をだしてある。間違っていてもその方がなぜ間違っているかわかりやすいから。そして、わたしの解釈は間違っているという指摘大歓迎。何しろゲール語は勉強中の身なんで。でも、指摘するならちゃんと根拠付きじゃなきゃいやよん。

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コメント

さすがや!nanbaさん!
もう私の中ではマッカランはMagh Fhaolainでしかありません。

それにしても毎回順序立てて解説ご苦労様です。出展を書けだのなんだかんだとリクエストばかりですがこの紹介は非常に面白いですよ。例の計画、実践するしかないと思っています。

投稿: Pengo | 2006年4月13日 (木) 09:33

pengoさん どもです。もっと誉めて~(笑)。

アルファベット順で進めてきたので、ブナハーブンでやっとBまで終わったことになります。
カリラは議論するところなく終わったけど、キャパドニックにはめちゃ苦労した上、ファイナルアンサーにたどり着けなかったような気分だし、前途は多難です(ため息)。
でも、カードゥとクライヌリッシュは楽しみにしてくださいね。ネタがあります(笑)。あと、An Cnoc までたどり着くとモルトウイスキー大全のゲール語解読は、ゲール語をまともに勉強したことのない人がやったのではないかという気持ちにさせてくれます(すでにいまでも十分にその気持ちなのですが、さらに倍増しまっせ(笑))。

でも、あくまでわたしのゲール語の勉強の一貫ですから、ちょびっとしか進んでいきませんのでご容赦ください。ただ、ときどき誰も読んでいないのか?っていう心配がなきにしもあらずなのが怖いところです(笑)。

投稿: nanba | 2006年4月13日 (木) 18:42

多分ね、このブログは一部の熱心なマニアの中では非常に読まれているような気がします。良かったらカウンター入れてみたらどうですか?無料のやつを私も使っていますので。

投稿: pengo | 2006年4月15日 (土) 23:49

ココログのアクセス解析をみていると、一日100件超のアクセスがあって、ときどき、ウイスキーやゲール語のカテゴリの記事をまとめて見ている方がいるのがわかるんですが、pengoさん以外に反応がないっていうのが寂しいところです(笑)。

投稿: nanba | 2006年4月16日 (日) 01:19

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