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2006年6月29日 (木)

シカ+ネコでヤマネコ ゲール語の不思議

先日、グレンフィディックはゲール語で鹿の谷という意味ではないということを書いた。
そこで、ゲール語の辞書を眺めていたら、とても面白いことがわかった。
シカという単語は男性名詞で fiadh フィガ(もしくはフィグ) である。この他に、形容詞でfiadhaich とするとシカのという意味以外に野生のという意味や狩猟という意味がでてくる。まぁ野生以外のシカは少ないだろうし、狩の対象だったのだろうから。
これをふまえると、fiadh の後に、単語を付けるといろんな意味がでてきても意味がわかる。
例えば、リンゴという意味の abhal アワ(ヴァ)ル を付けると野生のリンゴという意味になるのだ。
 その他の例をあげておこう。
 1)fiadh-abhal シカ+リンゴ → 野生のリンゴもしくは野生のリンゴの木
 2)fiadh-bhreac シカ+斑点がある → ダマジカ
 3)fiadh-chat  シカ+ネコ → ヤマネコ
 4)fiadh-chu   シカ+犬 → オオカミ
 5)fiadh-chullach シカ+豚 → イノシシ

シカに犬でオオカミもなかなかだし、シカにネコでヤマネコも笑う。シカにブタでイノシシも良くできた単語のように見える。頭がシカで体がイヌとかネコとかブタを想像した方はいっしゃらないだろうか。わたしは、それを想像して吹き出してしまった。

文法的には、シカの後に続く単語が全て aspiration もしくは lenition と呼ばれる変化を起こしていることに注意されたい。つまり ネコ cat は chat に、犬 cu は chu に変化している。

ゲール語では、シカという単語に”野生”という意味を代表させたために起きた”珍事”ではあるが、笑いながら語彙を増やすことができた。

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コメント

「リンゴという意味の abhal」
ubhal:ウーワルでないでしょうか?
fiadhaichは恐らく鹿とまったく関係のない単語だと思いますが?

投稿: Eilean Eile | 2006年9月25日 (月) 03:13

そうですね。
http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php
上記サイトにて crab-apple の説明が
fiadh-abhal
となっていたので、間違いです。後で修正いたします。

fiadhaich についてもご指摘ありがとうございました。

投稿: nanba | 2006年9月25日 (月) 08:42

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