« スコットランドサッカー短信6 | トップページ | グレンスコシア Glen Scotia »

2006年8月25日 (金)

ティーニニック Teaninich

これも地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。
結構わかりやすいゲール語なのに、モルトウイスキー大全は不思議な訳をしているのが確認できたので、書いておくことにする。

解釈例
1)川のほとりの家  モルトウイスキー大全にはつづりなし
2)荒れ地にある家  Taigh an Aonaich タイァンアーナヒ
3)市場もしくは集会所そばの家  Tigh an Aonaich ティァナーナヒ

1)はゲール語のつづりがないので、どんなつづりの元からこんな間違いを犯したのかわからない。

2と3)の解釈にある”家”という意味の taigh と tigh は、地方によってつづりが違うだけで同じものである。つまり2)も3)同じつづりなのに解釈が違うのである。

これは、Aonach に「市場、集会所」という意味と「moor(荒れ地)」という意味があるからである。それが「~の」という意味を表すために定冠詞付き属格になって an Aonaich( 主格なら an t-Aonach )に形が変わっている。

2)と3)のどちらが正しいかについては、ここでは判断しがたい。ただし、学者の有名さ加減で決めれば、3)の説になる。1)は論外に間違っているのだけは確かであるが。

原出典は以下の通り
1)川のほとりの家 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P238-239.

2)"The House on the Moor"
  Taigh (Scottish Gaelic - house) an Aonaich (Scottish Gaelic - large area or moorland).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2の続き)Teaninich (Ross), Taigh an Aonaich.
  "The house on the moor".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

3)William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P224.
  ゲール語で Tigh an Aonaich 「house of the market or assembly」
  市場もしくは集会所そばの家

|

« スコットランドサッカー短信6 | トップページ | グレンスコシア Glen Scotia »

コメント

蒸留所のイメージ的には荒地の方が近いような気がします。工業団地の中に建っていますが周りを石垣のような物で囲っていました。

ですのでPengoは2を推薦します^_^

投稿: pengo | 2006年8月26日 (土) 02:17

2)の解釈の推薦ありがとうござました~。

でも、事はそう簡単ではなくて、地名ができたときに市場や集会所があったかなかったかがポイントかと。そうでなければ自信をもって2)と言えるんですが。

なので、もっと地元の歴史について調べないと判断できないのではないか思っているわけです。

投稿: nanba | 2006年8月26日 (土) 11:34

「モルトウイスキー大全」のゲール語訳がどうしようもないのは充分に分かった。

しかし、疑問なのは、その誤訳をウスケバのブログに引用した、若い駆け出しバーテンダーに執拗に噛み付くこと。

年若く、世間も知らず、モルトの勉強を始めたばかりのバーテンダーであれば、土屋守氏の書くことを信じるのも無理からぬことだと思う。
なんたって、土屋氏は、日本のモルトの世界では第一人者的な立場だかんね。
ま、第一人者の言うことなら、なんでも鵜呑みにしちゃうという態度は確かにかなり問題ではありますが・・・。

が、やっぱり、土屋著作の誤訳を引用したバーテンダー氏のブログに噛み付くのは「筋違い」だと思うのだ。
誤訳が広がるのを苦々しく思うのは分かる。
しかし、オレが思うのは、

「そんなに気に入らない訳なら、直接、土屋守に言えばいいじゃん」

と言うこと。
だってそうでしょ?誤訳が広がってる原因は土屋氏の著作なわけだから。

幸い、土屋氏はスコ文研を主催しており、スコ文研にはHPがあり、そのHPには掲示板すらある。
労力は若いバーテンダーに噛み付くのとなんら変わらない。
文章を書いて、書込みボタンを押すだけなのだ。
そして、掲示板で公開討論をすればいい。
土屋氏が誤訳を認めれば、著書を改訂して、間違ったゲール語がこれ以上広がるのを防げるかもしれない。
公開討論が照れくさいなら、メールを書くのもいい。
こちらも送信ボタンを押すだけだ。

「その訳は間違いだと思いますよ」と、バーテンダー氏に忠告するのは分かる。
でも、そうじゃあないのだ。
明らかに徹底的に論破している。これはちょっと…、と思う。
こう言っちゃなんだけど、件のバーテンダー氏なんか、いろんな意味で小物中の「小物」であろう。
「小物」は徹底的に論破し、「大物」の土屋氏には直接接触せず、隠微に(隠微じゃないか。堂々と公開してますね)自分のブログで批判というのは、なんつーか、失礼な言い方だけど「いやらしい」印象を受ける。

ほら、どこの会社にもいるでしょ?
上司や親会社には媚び諂い、しかし裏では悪口を言い、そして部下・後輩・下請けにはデカイ顔するヒト。ああいう感じ。
ま、これはオレの痴呆性妄想及び事実誤認であるのだろうが…。

いずれにしろ、バーテンダー氏に噛み付く情熱があれば、土屋氏と直接やりあう方がずっと建設的なのだ。
何度も書くけど、バーテンダー氏にコメントするのも、土屋氏に意見するのも、労力はほとんど同じなのだ。

しかし、オレは知っているけど、そういう直接対決が実現することは、まずあるまいと思う。
直接対決するようなヒトなら、こんなコメントを書き込まれるまでもなく、バーテンダー氏に噛み付く前に、既にさっさと土屋氏と激論を交わしてるはずだからだ。
ま、きっと、こんなことを書いても、いろんな理由をつけて、土屋氏とは直接議論はしないのであろうね…。

最後に、願わくば、この妄想じみた考えが間違いであることを祈る!
nanba様、是非、土屋守氏と直接議論を!、お願いします。

投稿: SGI | 2006年8月26日 (土) 20:28

「執拗だった」ですか。反省しております。
たまたま、見つけたウイスキーサイトで書いてあったからだけなんですけどね。

あなたの文章も最後は、「お願いします」ってなってますけど、途中ではずいぶんと言葉を選んで侮辱してますね~(笑)。上司にこびて、部下につらくあたれたら、もうちょっと楽に生きてこれたのに(笑)。

わたしはスコ文研の活動に賛同できないので、入会するつもりはありませんし、彼らを利することもしたくはありません。
でも、彼らのBBSに書き込むためには会員にならなければならないことは、ご存知の上で、書かれてたんですよね。

「あんたの本は誤訳だらけだ」と主張するために、くだらないと思っている会に大枚はたいて入会しろと?

と書いても、直接議論する場を避けていると思われるのは本望ではありません。
NBA北摂支部主催の「試飲会&セミナー」が9月10日にあって、ご本人が来られるようですから、直接お話したいと思っております。

投稿: nanba | 2006年8月26日 (土) 21:27

まぁ、自分の連絡先も書けない輩に何を言われてもこたえないし便所の落書きみたいなもんだ。

でもちょこっと小物をいじめすぎなところは共感したりしている(^^♪ちょっとかわいそうかも。

ちなみにnanbaさんの解説を使用している所も出てきていたりする。

投稿: pengo | 2006年8月28日 (月) 01:03

”小物いじめ”と他の方にも見えていたなら、やはりやりすぎだったのでしょう。反省しないといけませんね。いいわけすれば、他に積極的にウイスキーのサイトを自分から見たりしないので、本当にたまたま見つけたからなんですよ。

投稿: nanba | 2006年8月28日 (月) 01:21

おお、早速の直接対話実現とは!素晴らしい!メデタイ!

言わずもながですが、URLだけ渡して、
「えーと、こういうブログを書いております。興味があればお暇なときにでも覗きに来てください…」
なんていうのはナシですよ。

土屋氏は土屋氏で、
「えーと、あのあの、今はちょっと忙しいから、その件はあとで…。ずーっと、ずーっと、ずーっと、あとで…」
などと言うかも知れないが、そこは鋭く、
「いえ、日本での正しいゲール語知識普及のために、是非聞いて頂きたいことです!是非、土屋さんとお話したい!是非!」
などと言って、迫っていって欲しいわけです。

そして、その後は、「オラ!テメーの本はデタラメだらけなんじゃー!!」とキレ気味に迫るもよし、「えーとですね、土屋さんの著書のこの部分は、これこれこういうわけで間違えております。理由はカクカクしかじかで…」と、あくまで知性的にいくもよし。そこはお好み次第なのだ。

実際にそんなにうまくいくかは分からんけど、少なくとも何がしかの結果が得られると良いな、と思う。
うまくいく様、お祈り申し上げまする、なのだ。

最後に…。単純ウスバカな義憤に駆られた、オレの行動はやはり全然フェアじゃあない。
あんなヒキョーな書込みに対して、「反省している」などど言ってくれてありがとう。バーテンダー氏も浮かばれるだろう(生きてると思うけど)。
そして、一方的にケナしておいてナンだけど、やはり一方的に「すまなかった!」と言っておく。また、nanbaさんの読者・お友達にも「ごめんなさい」と言いたい。これは、ま、オレの自己満足だけどよ。

でも、やっぱりこれもベンジョノラクガキなので、オレのコメントにはクソミソに返してくれていいのだ。
では、サラバ!(もう書込まないけんね!)

投稿: SGI | 2006年8月28日 (月) 17:58

SGIさん わざわざ書き込んでいただいてありがとうございます。

複数の方がやりすぎと感じていたのですから、やはりそうだったのですよ。本当に反省してます。もう書き込まないなんて言わずに、ときどき遊びに来てくださいな。

土屋氏ともけんかするつもりはありません。まずは、「ゲール語やノース語の誤訳が多いこの本の改訂版を早急に検討してほしい」というつもりです。どこが間違っているのか?と言われたら、空で覚えている誤訳の例は沢山ありますから、いくらでも指摘できますので(笑)。

投稿: nanba | 2006年8月28日 (月) 18:45

そうだねー。最初はPengoもいじめられたもの。ゲール語知らない人には厳しいよ(^^♪なんだっけ・・・そうそうグレンギリーだっけ。

でも多分土屋氏との議論は出来ないんじゃないかな。向こうにとってはなんら得る物が無い議論だから。芸能人の番組発表のときに、熱愛報道を質問するくらい無視されそう・・・

投稿: pengo | 2006年8月28日 (月) 21:45

マイナーなゲール語のことを知っている人は少ないから、もっとやさしくしようっと(笑)。

でもね、pengoさんが好きなウイスキーについて、大間違いの記述を見たら腹が立つでしょう?

わたしはウイスキーが好きでゲール語を勉強した訳じゃなく、ゲール語が好きでウイスキーの世界にやってきたのですよ。だから、自分がとても大事だと思っているゲール語がウイスキーの世界では粗末に扱われているのが気になっているです。

まっ土屋氏とはどんな話しができるかはわかりません。SGIさんがいうように罵るのも手かもしれませんし(笑)。

投稿: nanba | 2006年8月28日 (月) 23:39

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/88375/11523267

この記事へのトラックバック一覧です: ティーニニック Teaninich:

« スコットランドサッカー短信6 | トップページ | グレンスコシア Glen Scotia »