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2006年9月 3日 (日)

グレンタレット Glenturret

これは地名、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。モルトウイスキー大全にはタレット川の谷という解説があるが、これでは役に立たない(訳になっていない)。
調べてみると、同じような解釈で比較的簡単だった。このぐらい調べたらいいのに。

解釈例
1)ゲール語で、タレット川の谷 モルトウイスキー大全にはつづりなし 
2)ゲール語で、乾いた小さな川の谷 Gleann Turraid グレン ツラッチ(この最後のチはとても書くのが難しいのでこれで許して)
3)ゲール語で、乾いた川の谷 Gleann Turraid グレン ツラッチ

1)のタレット川の谷というのは、議論する価値がないのでおいておく。

2)の「乾いた小さな川の谷」について前に turret は、川の名前と谷の名前だということを覚えておこう。この川の名前だといういうのが大事なのだ。
 tur は乾いたという意味で、夏になって降水量が減り川が干上がってしまうことがあったからつけられた名前だろうということである。
 さらに2)と2)の続きにあげてある原出典では、thatを”小さな”という意味の接尾辞であるとして、tur-that と続けて小さな乾いた川だとしている。しかしながら、この接尾辞をわたしはゲール語の辞書で見つけられなかった。この解釈がいまいちかもと思う理由はこれである。
ただ、turthat とつづりれば、ゲール語でツラットと読めるようになる。
 もともとは、Gleann turthat というつづりということになる(Gleann Turraid は現代ゲール語のつづりである)。

3)の解釈も基本的は、2)の解釈に同じようなもので、tur が”乾いた”という意味だというところまで同じである。3)の続きにあげた文献には、2)とは違う考え方が説明されている。tur-entia とつなげているのだ。これで、”乾いたもの”というような意味になる。この -entia については、グレンリベットのところでもでてきた。ただし、turentia では、ツレンシャのような発音になるため、タレットやツラッチのように聞こえないのが弱点だと思える。

発音上有利なのは2)の解釈、意味的に有利な解釈は3)ってところだろう。

原出典は以下の通り
1)タレット川の谷
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P146-147.

2)"Glen of the Little Dry Stream"
  Tur (Scottish Gaelic - dry) that suffix indicating small. Meaning the stream dries up in summer.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2のに続き)David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P216.
  PeatFreakのネタ本。ほぼ同じ記述がある。

3)Gleann Turraid
  "The glen of the dry river", one which shrinks in volume in summer.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

3の続き)tur-entia
  tur は乾いたという意味で、tur-entia で”乾いたもの”
  William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P125-126.

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