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2006年9月 2日 (土)

インチガワー Inchgower

この蒸留所名は、モルトウイスキー大全では解説があるが、Peatfreakやスコットランド議会サイトなどには解説がない。また、地名研究本の何冊かにもあたったが地名の解説にもない。
この蒸留所名解読については、全面的にではないけれどモルトウイスキー大全に賛成できている自分に驚いている(笑)。

解釈例
1)川のそばの山羊の放牧地  モルトウイスキー大全にはつづりなし

2)山羊がいる草地(独自解釈というか一般的な意味) 
  ゲール語のつづりと発音は Innis gaibhre イニシュガレ(辞書サイト参照)

1)と2)の解釈は違うように見えるが実は、ほとんど同じなのだ。モルトウイスキー大全の著者も2)と同じ Innis gaibhre にたどり着いて、解釈したものと思われる。
まず、単語を説明しよう。
innis は、辞書サイトにもあるように島という意味とそこから派生した「草地」さらに派生した「放牧地」などの意味がある。一般的に英語名でInch~となっている場合には、それに相当するゲール語は Innis である。これを覚えていくとよい。つまり、英語名で Inch がきたら、島か草地なのだ。
山羊を意味するゲール語は、女性名詞 gabhar であるが、もう何度も説明したけれど属格に変化してgaibhre になっている。
この二つを組み合わせて、Innis gaibhre イニシュガレのように発音する。

これで基本的な意味としては、山羊がいる草地あるいは放牧地という意味になる。
「川のそばの」がついているかいないかの違いでしかないが、これは、この草地が形成されるためにこの川が果たした役割が大きければ、その解釈もあり得るだろうと思うから。事実、地図を見ると、この蒸留所そばには草地があって(地図では、山羊がいたかどうかはわからない(笑))、その脇には小さな川があった。
「川のそばの山羊の放牧地」は一般的な解釈ではないが、この特定の蒸留所名としてはそんなに悪くないと感じる。
もし、一般的な意味を問われたら、わたしは「山羊のいる草地」あるいは「山羊の放牧地」と答えるけれど。

この地名の要素については、下記の参考サイトをご覧いただきたい。英語ではあるが、Inchgowerを解釈するのに十分な情報が得られる。それを見ても「川のそばの」という意味は直接でてこないこともわかるだろう。

原出典は以下の通り
1)川のそばの山羊の放牧地 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P156-157.

辞書サイト http://www.ceantar.org/Dicts/MF2/index.html
innis  nf. g. innse; pl. innsean, island, grazing field
gabhar  nf. g. gaibhre; d. -air; pl. -air, goat

参考サイト
http://www.ordnancesurvey.co.uk/oswebsite/freefun/didyouknow/placenames/Gaelic_guide.pdf

要素  gobhar nmf gobhair, goibhre g gobhair, goibhrean pl
意味  goat (山羊)
地名例 Allt na Goibhre(山羊がそばにいる川)

要素  inch
意味  anglicised form of innis
地名例 Inchmore(大きな島 あるいは 大きな草地)

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