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2006年9月16日 (土)

グレンファークラス再び

以前にグレンファークラス蒸留所のゲール語解読を行った
そのときに「緑の草原の谷間」というのがモルトウイスキー大全には紹介されているが、ゲール語のつづりがよくわからないということを書いた。

お酒の量販店である河内屋さんのサイトにグレンファークラス蒸留所「緑の草の生い茂る谷間(ゲール語のGLEANN-FEARENN-CLAS)」という記述があるのをみつけた。
河内屋さんに、これを書くのにあたって参考にした本などがあったら紹介してほしいというお願いをしたところ、かなり以前に作成されたことと担当が変わってしまってわからないが、代理店などに照会すればわかるのではないかということだった。

河内屋さんには、
○ホームページのあら探しをしているわけではない
○でも、GLEANN-FEARENN-CLASというのはゲール語のルールに反している
○蒸留所のゲール語とその解釈はよく間違って日本に紹介されている
○間違いが普及しているのをなんとかしたいと思っている
○グレンファークラスについては、そのゲール語のつづりは本当はよくわかっていない
○なにかのヒントになればと思うので、参考にした本などがあればぜひ教えてほしい
とお願いした。
返事の中で、そういったことであれば間違いはどんどん指摘してほしい、正しいゲール語の方を普及させたいということであった。立派だなぁ。今度からは河内屋で買うぞ、と決めたのであった。

さて、どうしようかと思ったが、グレンファークラス蒸留所に直接メールしてみた。このつづりを紹介している日本のサイトがあったが、これはつづりが違っていると思うと。そして、正しいつづりと意味を教えてもらえないかと。

返事はやってきた。
1)担当してくださった方が、現在のオーナーのグラント氏に聞いたところ、先代が1956年にエディンバラ大学のゲール語の教授に、グレンファークラスの意味を聞いて、それ以来、緑の草地の谷'Valley of the Green Grassland'という意味を使っているとのこと。
2)つづりは、完全にはわからないが、GLEANN-FEARENN-CLAS の FEARENN は、FEARANN の間違いだ
ということであった。

大きなヒントだった。ここで、Fearann は土地という意味で、属格は Fearainn である。Gleann はいまさら説明する必要はないだろう。ただし、clas というつづりで緑を意味する単語はゲール語にはないので、これを glas → ghlais としてやれば、 Gleann Fearainn Ghlais で、緑の土地の谷という意味ができあがる。glas は緑や青さらには灰色をも意味するゲール語の形容詞(名詞で使えば錠という意味もある)で、男性名詞である Fearann の属格 Fearainn を修飾するときには、ghlais と形を変える必要がある。

つまり、「緑の草原の谷間」という意味をあてた場合のグレンファークラスのゲール語は Gleann Fearainn Ghlais となることがわかったのだ。これならば文法的にも正しく、かつ意味も”緑の土地の谷”となるし、発音も「グレンフェーラングラシュ」(gh は、喉の奥から出す音)となって、まぁまぁグレンファークラスに聞こえるだろう。

ここまでやってみて、”Gleann Fearann Glas”でも検索をかけてみた。するといくつかのサイトがヒットして、Gleann-Fearann-Glas で緑の草地が茂る谷という趣旨のサイトがいくつか日本語でも見つかることがわかった。河内屋さんのは Glas と Clas も間違えていたことがわかった。
ただし、このつづりでは、単純に、谷・土地・緑の という単語を並べただけで、名詞の属格とその属格を修飾する形容詞の変化というゲール語文法の基本中の基本がすっぽりと抜けていることを記しておかなければなるまい。

これで非常にすっきりとした。感謝の意味を込めて河内屋さんにグレンファークラスを発注したのはいうまでもない(楽天は利用しないと決めているのでヤフーのサイトで注文した)。

ただし、「緑の草原の谷間」のゲール語つづりがわかったからといって、Glenfarclas という地名の本当の意味がわかったわけではないことに注意されたい。学者達が見解の一致は見ていないのは、前回の記事にあるままなのだ

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コメント

ゲール語探求のたびはまだまだ続きますね。ファークラスのついては一段落ですね。楽天はやはりヴィッセルの事を根に持っているんですね(^^♪本物の店舗めぐりもしてみたいですね。

投稿: pengo | 2006年9月16日 (土) 21:51

ファークラスの件は一段落したように見えますか?わたしには混乱した状況が続いているように思えます。

最初の記事と今回の記事を越える解釈が合理的に提示されなければ、現時点では
1)緑の土地の谷
2)速い流れの谷
に整理ができるってだけです。

わたしの理解では、有名な学者の説が正しいと決まったわけではなく、その説のつづりがわかっただけだということです。

どこの大学の先生であろうと仮説や学説については、有名無名にかかわらず、同じように批判・検証されるべきであると思っています。

1956年の時点ではわからなかった文献などが現時点では明らかになっているものもありますから、1956年の時点での権威の学説が正しいかどうかは、やはり検証されるまでわからないってことです。

楽天を利用しないのは、”約束を果たさない”の三木谷(敬称をつける気はさらさらない)がいるからですよ(笑)。彼は、買収後1年で優勝争い、2年目に優勝、3年目には常勝チームにするって言っていたんですよ。もちろんいまは、そんなこととは無縁のJ2にいます。

そして、「言ったこととやってたことはちがうことがよくある」と新聞記者の前で明言された方なのです。楽天を利用したくなる気持ちは微塵も起きません。

彼の没落は近いと思っていますので、そのときにヴィッセル神戸を支えられるヒトを探しておかないとエライことになるんじゃないか思っています。

# 自分の発言で過激な部分を削除いたしました m(__)m

投稿: nanba | 2006年9月16日 (土) 22:45

まぁまぁ・・・とりあえず2つに絞ったんで一段落としましょう。

楽天もそんな事があったのは知りませんでしたが開き直っちゃいけませんよね。見込みが甘かったと反省の弁でもあればまた違ったんでしょうけど。

過激発言は拝見しておりませんでしたが、まさかnanbaさんまで大人しくなってしまうのかしら・・・

投稿: pengo | 2006年9月18日 (月) 17:53

2つに絞れただけましと思うことにしておきます。ここから先は、どうしていいかもよくわからいし。ただ、最近は、地名研究本にも、それおかしくない?とつっこみを入れている自分が結構怖いです(笑)

過激発言はお会いしたときにでもゆっくりと(笑)

投稿: nanba | 2006年9月19日 (火) 06:57

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