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2006年11月16日 (木)

英国人の先祖は7千年前にスペインからやってきた

最近、ケルト人は本当に大挙して大陸から英国諸島にやってきたのか?ってことに関心があって、いろいろ本を読んだりネットで検索している。

このサイトは英語であるけれど、関心のある方は一度見て欲しい。
一般的には、紀元前1000年ぐらい前からケルト人が英国にやってきたことになっていて、さらに、ローマ帝国におされた時代にベルガエ人が大挙して英国諸島に移住してきたことになっている。

しかし、スコッツマンの記事が紹介しているのは、遺伝子解析によって、英国諸島には、ちょうど新石器時代が始まるのと同じ時期つまり約7000年前に、いまのスペインであるイベリア半島から人々がやってきたことがわかり、その後の中央ヨーロッパからの遺伝子はあまりなく、アングロ・サクソンとデンマーク系ヴァイキングの侵入とさらにノルウェー系のヴァイキングの移住が見られるということがわかったというのである。

これはとても重要な結果を示している。これまで考えられてきたものは次のようなものであった。
1)新石器時代をもたらした人々がどこからやってきたのかもよくわかっていなかった。
2)紀元前2600~1900年頃(約4600~3900年前)に、青銅器文明をもたらしたビーカー人がきたことになっていた。
3)紀元前900~600年(2900~2600年前)にブリテン島にケルト人がやってきて鉄器文明をもたらしたことになっていた。

つまりこのようになるってこと。
1)新石器時代をもたらしたのは、イベリア半島からやってきた人々。
  これをケルト人とこの記事では呼んでいる。
2)その後、青銅器文明をもたらした人々も鉄器文明をもたらした人々も
  大きな遺伝子上の影響を与えていない。
  つまりローマ帝国におされたケルト人の大規模な移住はなかったってこと。
3)アングロ・サクソンとヴァイキングの移住は大規模で遺伝子上の影響は大きかった。
ってことになる。

気になったのは、7000年前に英国にやってきた人々をケルト人としていたこと。
このとき既にイベリア半島に住んでいた人々がケルト人だったかどうかは確定していなかったはず。単に遺伝上のグループとしてケルトと呼んでいるだけのようで、これまで言われていた中央ヨーロッパに広がったケルトと同じかどうかについては言及がない。

これが本当なら、英国の歴史を大きく書き換える結果になるだろう。
新石器時代から青銅器時代、鉄器時代への移行を大規模移民なしに説明する必要があるのだ。

ケルト系言語の伝播についても考えなければなるまい。

今後の研究が楽しみである。

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コメント

うにゃ〜、ムズカシイ話しです…。中高の歴史教育のおかげ(?)でイギリス人=アングロ・サクソン系とバカの一つ覚えです。しかも、「じゃ、アングロ・サクソンって何よ?」って聞かれても答えられないんですけど〜。

ケルトの定義がどうなっているのか分かりませんが、そのサイトによるととりあえず(?)遺伝子学上ではイングランド人もスコットランド人もウェールズ人も変わりゃーしない…ということでしょうか?オークニーとシェトランド諸島はがっつりバイキングの子孫みたいですけど…。

投稿: eriko | 2006年11月16日 (木) 16:52

erikoさん

>>遺伝子学上ではイングランド人もスコットランド人もウェールズ人も変わりゃーしない

そのようです。
ただ、7000年前の人々の子孫といえる割合が、それぞれ違うわけで、ウェールズが8割、スコットランド7割、イングランドが6割ってわけです。
あとはサクソンの割合が一番高いのがイングランド、北欧系ヴァイキングの割合が一番高いのがスコットランドとなるので、こういう分布は自然だと感じます。

また、別の方々が書いた遺伝子解析の論文もこの記事を支持しています。

投稿: nanba | 2006年11月17日 (金) 09:46

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