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2006年11月11日 (土)

”ありのままのイギリス”

島のケルトと言われてきた人々は、遺伝子的には大陸のケルトとつながりがなかったという最近の学説から、最近ちょっとケルトの本にも関心を持っている。まずは、この本を読んでみた。

   書 名: ありのままのイギリス
         幻のケルトからダイアナ妃まで 不思議な国の魅力と謎
   著 者: 石井 美樹子
   出版社: 日本文芸社 ISBN4-537-02514-X
   出版年: 1996年
   ページ: 238ページ
   価 格: 1200円(本体1165円)

著者は中世英文学→シェークスピアとかを研究されていた学者である。その文学者が書いた本なのに、ほとんどは英国の歴史にそのページが割かれている。

 第1章 イギリス人はフランス嫌い フランスに征服されてできた国、イギリス
 第2章 大英帝国誕生の謎をさぐる 人種のるつぼはどのようにして形成されたか
 第3章 イギリス王室の秘密(1) ノルマン王朝からプランタジネット王朝まで
 第4章 イギリス王室の秘密(2) チューダー王朝からウィンザー家へ
 第5章 現代イギリス探訪     伝統を重んじる国のゆっくりとした変化
 第6章 イギリス ア・ラ・カルト 料理、嗜好品、趣味、宗教

第5,6章を除けば、タイトルは別にして中身はほとんどが歴史について書かれている。
しかし、国名にはついては幾分疑問がある書き方をしている。連合王国が成立する以前のイングランドに関わることでも、”イギリス”という名前でイングランドのことを記述しているのだ。イングランドという単語もでてくるため、読み手は注意していないと混乱するのではないかと思われる。また、歴史が著者の主観による思い切った文学的形容詞と副詞によって飾られているため、ありのままのイギリスとは思えないという難点もあった。

著者が英国で不幸な食生活を送ったのは、まずい料理の紹介はするのにスティルトンチーズのように世界3大ブルーチーズといわれるような食べ物が英国にあることや、スコットランドオマールのようにフランス料理でも珍重されるような食材があることに全くふれていないことからもよくわかる。

”イギリス”と書いておきながら連合王国を意味させ、さつイングランドも意味させるような記述とスコットランドに関する無関心さは、本サイトでは全く受け入れがたい”イギリス”本である(笑)。

この本よりずっとありのままのイギリスとイギリス人について書かれた次の本がある。
 アントニー・グリン著 正木恒夫訳  「イギリス人 その生活と国民性」
 研究社出版(1987)  ISBN: 4327376329
わたしはこっちの方が好きだな。

そうそう、肝心のケルトに関する記述は、参考になるようなところがあまりなかったと書いておこう。

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