2008年9月13日 (土)

Ardbeg Blasda  甘くておいしい?

アードベクから新製品がでるそうだ。

たとえば、こちらをご覧いただきたい。

http://www.musashiya-net.co.jp/products/details1162.php

たまたま、検索にヒットしたサイトを挙げてあるだけで他意はない。

このサイトでは、ブラスダはゲール語で、甘くておいしい という意味だそうだ。

どなたが原稿を書いたかしらないが、ゲール語では、「ブラスダ」のようには読まず、「ブラスタ」のように読むのだと知っておいたほうがよい。dは、語頭ではdの発音になるが、語中、語尾のdはtの発音になる。

では、意味は「あまくておいしい」のだろうか? わたしが持っている辞書3冊には、delicious, tasty, savoury のように記述があって、「おいしい」という意味があるのがわかるが、「あまくて」というようなニュアンスを含むような意味のことは書いていない。

こちらのサイトを見てもらえれば、簡単にわかるだろう。

http://www.websters-dictionary-online.org/translation/Gaelic/blasda

blasda は、ゲール語ではブラスタのように読み、シンプルに「おいしい」という意味だと知っておこう。

「広い湾そばのくぼ地」とは解釈できても「広い湾そばの”美しい”くぼ地」なんて意味にはなりそうにもない Laphroaig と似たような「拡大解釈」のように感じる。

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2007年7月13日 (金)

新聞スコッツマンの日曜日

最近スコッツマンのサイトを見ていて楽しいのが二つ。ひとつは昨日、おとといと続けて書いたベスト5もの。これは旅行を計画するつもりでみているとめちゃんこ楽しい。
http://thescotsman.scotsman.com/topics.cfm?tid=1570

もうひとつは、ときどき紹介しているけれど、Teach yourself Gaelic と題してゲール語を紹介していることである。これは、日曜ごとに紹介されている。
http://scotlandonsunday.scotsman.com/gaelic.cfm

先週のはこれ。ウイスキーファンの方は覚えておくといいかもしれない。
http://scotlandonsunday.scotsman.com/gaelic.cfm?id=1063862007

今週は、モルトウイスキーの風味には欠かせない”ピート”である。
ピート peat は、ゲール語で mòine という。発音は、moon-nye カタカナで書けばムーニェという感じ。
 ピート原 : mòinteach
 大きて四角いピート:fad
 小さなピート: caoran
 ピートくず: smur

小さなピートを真ん中に積み重ねて、大きなピートを後ろと両脇においておだやかな火をおこして、それを背に、いっぱいなんてシーンも書かれていた。

初心者でも十分に楽しめるサイトになってる。

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2007年6月13日 (水)

スコーンはゲール語由来?

スコーンは、スコットランドで作られていたお菓子で、名前もゲール語からきていると聞いたことがあるだろう。

でも、ほんとう?と最近は思い始めている。

まず、AskOxford のサイトで ask してみた(笑)。
http://www.askoxford.com/concise_oed/scone?view=uk

scone
/skon, skon/
noun a small unsweetened or lightly sweetened cake made from flour, fat, and milk.
ORIGIN perhaps from Dutch schoonbroot ‘fine bread’.

つまり、Oxford大学では、スコーンの語源は、ゲール語ではなくオランダ語であると言っているのだ。

次は、Googleに聞いてみよう。検索ワードは、"scone origin"
その最初の検索にでてきた下記サイトを見てみよう。

http://www.joyofbaking.com/SconesIntroduction.html

少し長いけれど、関係した部分を引用しておく
(引用開始)
 The origin of the name 'scone' is just as unclear as where it came from.  Some say the name comes from where the Kings of Scotland were crowned, the Stone (Scone) of Destiny.  Others believe the name is derived from the Dutch word "schoonbrot" meaning fine white bread or from the German word "sconbrot" meaning 'fine or beautiful bread'.  Still others say it comes from the Gaelic 'sgonn' a shapeless mass or large mouthful.
(引用終わり)

1)運命の石=スクーンストーン(昔スクーンにあったから)に由来する
2)元々”fine white bread”を意味するドイツ語だった"sconbrot"からオランダ語になった"schoonbrot"に由来する
3)"shapeles mass"もしくは"large mouthfull"を意味するゲール語"sgonn" に由来する。

ということになる。ここでやっとゲール語由来説がでてくるが、AskOxfordといい、このサイトといい、必ずしもゲール語由来説は盤石でないらしい、ということがわかる。

そして、現代ゲール語の辞書サイトでは、スコーンを引くと次のようにでてくる、

http://www.ceantar.org/Dicts/MB2/
breacag nf. g.d. -aig; pl.+an, pancake, thin cake, scone

つまり、スコーンのことは、breacag というと書いてある。また、このサイトでは、sgonnの意味を次のように与えているが、お菓子のスコーンの意味はない。
sgonn a block of wood, blockhead
sgonn nm. g.v. sguinn; pl.+an, block of wood, shapeless mass, blockhead

http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php
scone bonnach masc
scone sgona fem

こちらのサイトでは、2つ単語があげられていて、bonnach は スコーンとはにていない発音であるが、sgona の方は、スコーンに似ていると言えば似ている発音である。しかし、他の辞書には見られない。
また、このサイトでは、sgonn について次のようにたくさんの意味を当てている。でも、これでもお菓子のスコーンという意味はない。
balk         sgonn masc
bit           sgonn masc
block       sgonn masc
blockhead sgonn masc
bull-calf   sgonn masc
dolt         sgonn masc
dunce      sgonn masc
gulp         sgonn masc
log          sgonn masc
mass (lump of matter) sgonn masc
slice        sgonn masc

わたしはスコーンの語源をここで断定できるほどの実力はないので、やはり、その由来は複数あると知っておいたほうがよさそうである。

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2007年5月20日 (日)

Là Math

以前に、スコッツマンのサイトにゲール語で乾杯の記事がでていたと書いた。しかも、そのタイトルが、Teach yourself Gaelic だったと。

http://bailebeag.cocolog-nifty.com/scotland/2007/04/post_a13f.html

今度は、挨拶としての”おはよう”/”こんにちは”がかいてあった。本当に Teach yourself Gaelic のシリーズだった(笑)

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=700962007

Là math は、挨拶として、朝から午後2時ぐらいまで使える。ということは、日本語で、おはようからこんにちはまで対応するということ。

文法としては、Là が日という意味の男性名詞で、Mathはよいという意味の形容詞、名詞が先で、形容詞が後にくる。
発音は、La-ah Mah(カタカナで書くとラーマー)となる。

挨拶というよりは、もっとくだけた”おはよう”は、Maddain Mhath(マディンヴァー)をつかう。

このシリーズはなかなかおもしろい。ぜひ続いてほしいと思う。

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2007年4月30日 (月)

もうスカイ島とは呼ばない!?

スカイ島といえば、タリスカー蒸留所あり、ダンヴェガン城あり、奇岩あり、ボニープリンスの逸話ありなど観光資源に恵まれたヘブリディーズ最大の島として、知られたところある。そして、人口9000人の内、その4割がゲール語話者という土地でもある。その人々が、もうその英語化された”奴隷”ような名前では、自分たちの島のことを呼ばないと決めたのだそうだ。

http://news.scotsman.com/index.cfm?id=659562007

なんて呼ぶか?  Eilean a' Cheo (エラン・ナ・ヒィオ)! ゲール語で、霧の島という意味である。
ゲール語を解説すればこんな感じ。
 eilean 男性名詞 島、属格 eilein 複数形 eileinean
 ceo   男性名詞 霧、霞、霧のようなもの、属格 cheo
 a' は定冠詞の属格につく形の一つ。
ゲール語では、the ~ of the ~~ その~~のその~ という場合に、最初の定冠詞をつけないので、厳密には”その霧のあるその島”という意味になる。

解説はおいておくとして、旅行客などへの対応も、正式な名前としては、Eilean a' Cheo として行うそうなので、記憶しておけばよいと思う。もちろん、”スカイ島”について問い合わせしたり、宿の手配などをお願いしてもちゃんとやってくれるだろう。でも、Eilean a' Cheo という名前で問い合わせした方が、なんとなく丁寧に対応してもらえそうな気がする。

しかし、この記事の中にもあるように、なんで霧の島なんて名前にしたのだろう?スカイ島には、ゲール語で、、”翼の形をした島”という意味を持つ、An t-Eilean Sgitheanach(アン・チラン・スキァナッハ)という名前があったのだ。

Teach Yourself Gaelic などでゲール語を勉強したいたわたしには、こっちのほうがずっとなじみがある。この名前がなくなるのはある意味悲しい。

さて、今後、この名前が定着するのかどうか見守っていきたい。いつか現地調査を実現させねばなるまい(笑)。

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2007年4月26日 (木)

ゲール語での乾杯について

何度かこのブログでも書いているし、ご存じの方も多いと思うが、ゲール語で乾杯するときは、Slainte 単独か Slainte mhath と書いて、スラーンチャ(ェ) スラーンチャ(ェ)ヴァーのように発音します。

よくかかれているスラーンジやスラーンジヴァーなどはゲール語での乾杯がスコットランド英語に取り込まれる過程で、変化していったものだと考えています。

さて、発音について最近の記事でわかりやすく書いてあったページを見つけましたので、一度読んでみてはいかがでしょうか?
乾杯について、その発音と文法的解説が書いてあります。ただ、乾杯についてしか書いていないのに、その記事のタイトルは Teach yourself Gaelic といういんですから、ちょっと笑いますけど。

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=577082007

ただ、一つ気になったのは、スラーンチャ(ェ)のほかにスラーンジのような発音も一応かかれていたということ。ゲール語方言によってはスラーンチャ(ェ)ではなく、スラーンジもあるかもしれません。このあたりは今後気をつけてみていこうと思っています。何しろ、方言の幅が広い言語ですから。

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2007年4月 7日 (土)

エディンバラフェスティバルでもゲール語のサイン

エディンバラフェスティバルと言えば、夏のイベントとしてすっかり定着し、観光客もたくさんやってくる。その中で、ゲールのサイン・標識もたくさん増えるというものがあった。

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=501392007

このニュースは幸せだ。そして、エディンバラフェスティバルの時期に夏休みをとって出かけたいなぁと思わせるのであった。どうせなら A bheil Gaidhlig agaibh? (あなたはゲール語を話しますか?)とプリントされたTシャツがやっぱり必要だなと思わせるのである(笑)。

ちょっと古いけど、もう一つ幸せなニュースがあった。

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=452982007

ゲール語の放送関係予算がぐっと増えたのだ。こうやって、地道に活動していくことで、少しでもゲール語が長生きしてほしいと願う。

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2007年3月22日 (木)

ゲール語担当大臣交代

ときどきのぞくゲール語関連サイトの一つに Save Gaelic というサイトがある。

メーリングリストもあって、ときどきメールがやってくる。今日届いたメールは、”ゲール語担当大臣”の交代だった。

スコットランド政府には、ゲール語担当の大臣(Minister for Gaelic) がいるのだということをはじめて知ったりした。

今度の大臣は、Patricia Ferguson という女性の方で、スコットランド議員でもある。この方が
どのような政策を打ち出してくれるかわからないけれど、スコットランドでゲール語が生き残るようにがんばってほしい。

このサイトでは、ゲール語がプリントされたTシャツやマグカップなども売っている。スコットランドに行くときに、A bheil Gaidhlig agaibh? (あなたはゲール語を話しますか?)や Bruidhinn rium sa' ghaidhlig.(わたしにゲール語で話してください)なんて、プリントされたTシャツを着ていくのも楽しいかもしれないと思っている今日このごろ。

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2007年3月21日 (水)

ケネスモント Kennethmont

先日、バーでコンパスボックスからでていたピートモンスターというブレンディド(ヴァッテド)モルトウイスキーを飲んだときに、そのボトルには、カリラとケネスモントにあるハイランドモルトをヴァティングしてあると書いてあった。コンパスボックス社のホームページを見てみるとアードモアってことがすぐにわかった。アードモアについては、以前にも書いたことがあったが、アードモア蒸留所がある Kennethmont についても調べてみたので、その結果を記しておこうと思う。

解釈例
1)ゲール語+人名で、聖アルクムンド教会 St Alcmund's Church
  Cill Alcmund キル アルクムンド

これは、原出典の1-1)と1-2)の解説を読むととてもわかりやすいものであった。
ノーサンバランドにある Hexham にいた Alcmund という牧師に由来するというものであった。教会という意味のゲール語 Cill に Alcmund という人名をくっつけてできた地名というものであった。本来は、Alcmund の属格形が必要なのだが、母音で始まっているし、主格と同じようなものであろう。
12世紀には、kylalcmund とつづられていたそうである。それが、Kenneth という名前に関係しているんではないかと勘違いされたため、いまの Kennethmont になったということ。

これはピートモンスターを飲まなければ、気がつかなかった地名だったので、ピートモンスターとそれを作ってくれたコンパスボックス社に感謝している。

原出典
1-1)'St Alcmund's Church'.
  長いのでかいつまんで日本語で。
  Alcmund は、ノーサンバランドの Hexham の牧師。その名前に由来。
  Cill(ゲール語の教会) + Alcmund。
  12世紀には、Kylalcmund と記されていた。
  Kenneth という名前があるため間違ってKennethmontとなった。
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P120.

1-2)'St Alcmund's Church'.
  説明は1-1)と同じ。
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P51.

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2007年3月17日 (土)

バリンダロッホ Ballindalloch

蒸留所のゲール語名解読が一巡してからは、Glenlivet の Naddura とか ボトルにつけられた名前のゲール語名解読などをしてきた。

今回は、Douglas Laing 社がだしている Old Malt Cask(OMC) のシリーズなどにある Ballindalloch を取り上げる。これは地名でもあるために、解釈は比較的簡単である。

バリンダロッホがあるところは、少し東にいけばグレンファークラス蒸留所があり、少し西に行けばクラガンモア蒸留所があるという場所で、南側にはベンリネス山があり、北側にはスペイ川が流れている。草地が広がっているところで、夏の天気のいい日には、最高の気分になれる場所の一つである。

解釈例
1)ゲール語で、草地にある村 or 農場 
  Baile na Dalach or Baile an Dalach 
  バラナダラハ バラェンダラハ(最後のハはのどの奥からだすハ)

スコットランド議会サイトにあった解釈にそって説明しよう。
 baile は、もうなんどもでてきた、村や農場を意味する男性名詞。
 dalach は、川辺の低地にある草地を意味する女性名詞 dail の属格。
あとは、定冠詞の変化がきちんとわかればよい。ところが、二つのつづりが書かれているのは、dail を女性名詞とした場合と男性名詞とした場合で、定冠詞の形が変わって、発音が少しかわり、女性名詞の場合よりも男性名詞とした場合のほうが、英語の発音に近くなるからではないかと思われる。つまり、
 Dail が女性名詞なら Baile na Dalach  バラナダラハ
 Dail が男性名詞なら Baile an Dalach  バラェンダラハ
(くどいが最後の ch は、のどの奥からだすハで日本語にはない音)
ということ。

ここでは、どっちがどうというつもりはない。バラナダラハもバラェンダラハも、バとダにアクセントをおいて、もごもごと繰り返しているとバリンダロッホに聞こえなくもない(笑)。ただ、個人的には、dail は女性名詞扱いするのが普通だと思う。

一度でもバリンダロッホに行ったことのある方は、「川辺の低地にある草地にある村 or 農場」という解釈が、とても自然なことがわかるだろう。

原出典
1-1)Baile an Dalach or Baile na Dalach.
    "The farm at the haugh".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesA-B.pdf

1-2)Ballindalloch Baile na Dalach 
  http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

辞書
1)baile nm. pl. bailtean, town, township
2)dail nf. g. dalach; pl. dailthean, meadow, field, plain
http://www.ceantar.org/Dicts/MF2/index.html

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