2008年9月13日 (土)

Ardbeg Blasda  甘くておいしい?

アードベクから新製品がでるそうだ。

たとえば、こちらをご覧いただきたい。

http://www.musashiya-net.co.jp/products/details1162.php

たまたま、検索にヒットしたサイトを挙げてあるだけで他意はない。

このサイトでは、ブラスダはゲール語で、甘くておいしい という意味だそうだ。

どなたが原稿を書いたかしらないが、ゲール語では、「ブラスダ」のようには読まず、「ブラスタ」のように読むのだと知っておいたほうがよい。dは、語頭ではdの発音になるが、語中、語尾のdはtの発音になる。

では、意味は「あまくておいしい」のだろうか? わたしが持っている辞書3冊には、delicious, tasty, savoury のように記述があって、「おいしい」という意味があるのがわかるが、「あまくて」というようなニュアンスを含むような意味のことは書いていない。

こちらのサイトを見てもらえれば、簡単にわかるだろう。

http://www.websters-dictionary-online.org/translation/Gaelic/blasda

blasda は、ゲール語ではブラスタのように読み、シンプルに「おいしい」という意味だと知っておこう。

「広い湾そばのくぼ地」とは解釈できても「広い湾そばの”美しい”くぼ地」なんて意味にはなりそうにもない Laphroaig と似たような「拡大解釈」のように感じる。

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2007年7月13日 (金)

新聞スコッツマンの日曜日

最近スコッツマンのサイトを見ていて楽しいのが二つ。ひとつは昨日、おとといと続けて書いたベスト5もの。これは旅行を計画するつもりでみているとめちゃんこ楽しい。
http://thescotsman.scotsman.com/topics.cfm?tid=1570

もうひとつは、ときどき紹介しているけれど、Teach yourself Gaelic と題してゲール語を紹介していることである。これは、日曜ごとに紹介されている。
http://scotlandonsunday.scotsman.com/gaelic.cfm

先週のはこれ。ウイスキーファンの方は覚えておくといいかもしれない。
http://scotlandonsunday.scotsman.com/gaelic.cfm?id=1063862007

今週は、モルトウイスキーの風味には欠かせない”ピート”である。
ピート peat は、ゲール語で mòine という。発音は、moon-nye カタカナで書けばムーニェという感じ。
 ピート原 : mòinteach
 大きて四角いピート:fad
 小さなピート: caoran
 ピートくず: smur

小さなピートを真ん中に積み重ねて、大きなピートを後ろと両脇においておだやかな火をおこして、それを背に、いっぱいなんてシーンも書かれていた。

初心者でも十分に楽しめるサイトになってる。

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2007年6月13日 (水)

スコーンはゲール語由来?

スコーンは、スコットランドで作られていたお菓子で、名前もゲール語からきていると聞いたことがあるだろう。

でも、ほんとう?と最近は思い始めている。

まず、AskOxford のサイトで ask してみた(笑)。
http://www.askoxford.com/concise_oed/scone?view=uk

scone
/skon, skon/
noun a small unsweetened or lightly sweetened cake made from flour, fat, and milk.
ORIGIN perhaps from Dutch schoonbroot ‘fine bread’.

つまり、Oxford大学では、スコーンの語源は、ゲール語ではなくオランダ語であると言っているのだ。

次は、Googleに聞いてみよう。検索ワードは、"scone origin"
その最初の検索にでてきた下記サイトを見てみよう。

http://www.joyofbaking.com/SconesIntroduction.html

少し長いけれど、関係した部分を引用しておく
(引用開始)
 The origin of the name 'scone' is just as unclear as where it came from.  Some say the name comes from where the Kings of Scotland were crowned, the Stone (Scone) of Destiny.  Others believe the name is derived from the Dutch word "schoonbrot" meaning fine white bread or from the German word "sconbrot" meaning 'fine or beautiful bread'.  Still others say it comes from the Gaelic 'sgonn' a shapeless mass or large mouthful.
(引用終わり)

1)運命の石=スクーンストーン(昔スクーンにあったから)に由来する
2)元々”fine white bread”を意味するドイツ語だった"sconbrot"からオランダ語になった"schoonbrot"に由来する
3)"shapeles mass"もしくは"large mouthfull"を意味するゲール語"sgonn" に由来する。

ということになる。ここでやっとゲール語由来説がでてくるが、AskOxfordといい、このサイトといい、必ずしもゲール語由来説は盤石でないらしい、ということがわかる。

そして、現代ゲール語の辞書サイトでは、スコーンを引くと次のようにでてくる、

http://www.ceantar.org/Dicts/MB2/
breacag nf. g.d. -aig; pl.+an, pancake, thin cake, scone

つまり、スコーンのことは、breacag というと書いてある。また、このサイトでは、sgonnの意味を次のように与えているが、お菓子のスコーンの意味はない。
sgonn a block of wood, blockhead
sgonn nm. g.v. sguinn; pl.+an, block of wood, shapeless mass, blockhead

http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php
scone bonnach masc
scone sgona fem

こちらのサイトでは、2つ単語があげられていて、bonnach は スコーンとはにていない発音であるが、sgona の方は、スコーンに似ていると言えば似ている発音である。しかし、他の辞書には見られない。
また、このサイトでは、sgonn について次のようにたくさんの意味を当てている。でも、これでもお菓子のスコーンという意味はない。
balk         sgonn masc
bit           sgonn masc
block       sgonn masc
blockhead sgonn masc
bull-calf   sgonn masc
dolt         sgonn masc
dunce      sgonn masc
gulp         sgonn masc
log          sgonn masc
mass (lump of matter) sgonn masc
slice        sgonn masc

わたしはスコーンの語源をここで断定できるほどの実力はないので、やはり、その由来は複数あると知っておいたほうがよさそうである。

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2007年5月20日 (日)

Là Math

以前に、スコッツマンのサイトにゲール語で乾杯の記事がでていたと書いた。しかも、そのタイトルが、Teach yourself Gaelic だったと。

http://bailebeag.cocolog-nifty.com/scotland/2007/04/post_a13f.html

今度は、挨拶としての”おはよう”/”こんにちは”がかいてあった。本当に Teach yourself Gaelic のシリーズだった(笑)

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=700962007

Là math は、挨拶として、朝から午後2時ぐらいまで使える。ということは、日本語で、おはようからこんにちはまで対応するということ。

文法としては、Là が日という意味の男性名詞で、Mathはよいという意味の形容詞、名詞が先で、形容詞が後にくる。
発音は、La-ah Mah(カタカナで書くとラーマー)となる。

挨拶というよりは、もっとくだけた”おはよう”は、Maddain Mhath(マディンヴァー)をつかう。

このシリーズはなかなかおもしろい。ぜひ続いてほしいと思う。

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2007年4月30日 (月)

もうスカイ島とは呼ばない!?

スカイ島といえば、タリスカー蒸留所あり、ダンヴェガン城あり、奇岩あり、ボニープリンスの逸話ありなど観光資源に恵まれたヘブリディーズ最大の島として、知られたところある。そして、人口9000人の内、その4割がゲール語話者という土地でもある。その人々が、もうその英語化された”奴隷”ような名前では、自分たちの島のことを呼ばないと決めたのだそうだ。

http://news.scotsman.com/index.cfm?id=659562007

なんて呼ぶか?  Eilean a' Cheo (エラン・ナ・ヒィオ)! ゲール語で、霧の島という意味である。
ゲール語を解説すればこんな感じ。
 eilean 男性名詞 島、属格 eilein 複数形 eileinean
 ceo   男性名詞 霧、霞、霧のようなもの、属格 cheo
 a' は定冠詞の属格につく形の一つ。
ゲール語では、the ~ of the ~~ その~~のその~ という場合に、最初の定冠詞をつけないので、厳密には”その霧のあるその島”という意味になる。

解説はおいておくとして、旅行客などへの対応も、正式な名前としては、Eilean a' Cheo として行うそうなので、記憶しておけばよいと思う。もちろん、”スカイ島”について問い合わせしたり、宿の手配などをお願いしてもちゃんとやってくれるだろう。でも、Eilean a' Cheo という名前で問い合わせした方が、なんとなく丁寧に対応してもらえそうな気がする。

しかし、この記事の中にもあるように、なんで霧の島なんて名前にしたのだろう?スカイ島には、ゲール語で、、”翼の形をした島”という意味を持つ、An t-Eilean Sgitheanach(アン・チラン・スキァナッハ)という名前があったのだ。

Teach Yourself Gaelic などでゲール語を勉強したいたわたしには、こっちのほうがずっとなじみがある。この名前がなくなるのはある意味悲しい。

さて、今後、この名前が定着するのかどうか見守っていきたい。いつか現地調査を実現させねばなるまい(笑)。

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2007年4月26日 (木)

ゲール語での乾杯について

何度かこのブログでも書いているし、ご存じの方も多いと思うが、ゲール語で乾杯するときは、Slainte 単独か Slainte mhath と書いて、スラーンチャ(ェ) スラーンチャ(ェ)ヴァーのように発音します。

よくかかれているスラーンジやスラーンジヴァーなどはゲール語での乾杯がスコットランド英語に取り込まれる過程で、変化していったものだと考えています。

さて、発音について最近の記事でわかりやすく書いてあったページを見つけましたので、一度読んでみてはいかがでしょうか?
乾杯について、その発音と文法的解説が書いてあります。ただ、乾杯についてしか書いていないのに、その記事のタイトルは Teach yourself Gaelic といういんですから、ちょっと笑いますけど。

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=577082007

ただ、一つ気になったのは、スラーンチャ(ェ)のほかにスラーンジのような発音も一応かかれていたということ。ゲール語方言によってはスラーンチャ(ェ)ではなく、スラーンジもあるかもしれません。このあたりは今後気をつけてみていこうと思っています。何しろ、方言の幅が広い言語ですから。

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2007年4月 7日 (土)

エディンバラフェスティバルでもゲール語のサイン

エディンバラフェスティバルと言えば、夏のイベントとしてすっかり定着し、観光客もたくさんやってくる。その中で、ゲールのサイン・標識もたくさん増えるというものがあった。

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=501392007

このニュースは幸せだ。そして、エディンバラフェスティバルの時期に夏休みをとって出かけたいなぁと思わせるのであった。どうせなら A bheil Gaidhlig agaibh? (あなたはゲール語を話しますか?)とプリントされたTシャツがやっぱり必要だなと思わせるのである(笑)。

ちょっと古いけど、もう一つ幸せなニュースがあった。

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=452982007

ゲール語の放送関係予算がぐっと増えたのだ。こうやって、地道に活動していくことで、少しでもゲール語が長生きしてほしいと願う。

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2007年3月22日 (木)

ゲール語担当大臣交代

ときどきのぞくゲール語関連サイトの一つに Save Gaelic というサイトがある。

メーリングリストもあって、ときどきメールがやってくる。今日届いたメールは、”ゲール語担当大臣”の交代だった。

スコットランド政府には、ゲール語担当の大臣(Minister for Gaelic) がいるのだということをはじめて知ったりした。

今度の大臣は、Patricia Ferguson という女性の方で、スコットランド議員でもある。この方が
どのような政策を打ち出してくれるかわからないけれど、スコットランドでゲール語が生き残るようにがんばってほしい。

このサイトでは、ゲール語がプリントされたTシャツやマグカップなども売っている。スコットランドに行くときに、A bheil Gaidhlig agaibh? (あなたはゲール語を話しますか?)や Bruidhinn rium sa' ghaidhlig.(わたしにゲール語で話してください)なんて、プリントされたTシャツを着ていくのも楽しいかもしれないと思っている今日このごろ。

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2007年3月21日 (水)

ケネスモント Kennethmont

先日、バーでコンパスボックスからでていたピートモンスターというブレンディド(ヴァッテド)モルトウイスキーを飲んだときに、そのボトルには、カリラとケネスモントにあるハイランドモルトをヴァティングしてあると書いてあった。コンパスボックス社のホームページを見てみるとアードモアってことがすぐにわかった。アードモアについては、以前にも書いたことがあったが、アードモア蒸留所がある Kennethmont についても調べてみたので、その結果を記しておこうと思う。

解釈例
1)ゲール語+人名で、聖アルクムンド教会 St Alcmund's Church
  Cill Alcmund キル アルクムンド

これは、原出典の1-1)と1-2)の解説を読むととてもわかりやすいものであった。
ノーサンバランドにある Hexham にいた Alcmund という牧師に由来するというものであった。教会という意味のゲール語 Cill に Alcmund という人名をくっつけてできた地名というものであった。本来は、Alcmund の属格形が必要なのだが、母音で始まっているし、主格と同じようなものであろう。
12世紀には、kylalcmund とつづられていたそうである。それが、Kenneth という名前に関係しているんではないかと勘違いされたため、いまの Kennethmont になったということ。

これはピートモンスターを飲まなければ、気がつかなかった地名だったので、ピートモンスターとそれを作ってくれたコンパスボックス社に感謝している。

原出典
1-1)'St Alcmund's Church'.
  長いのでかいつまんで日本語で。
  Alcmund は、ノーサンバランドの Hexham の牧師。その名前に由来。
  Cill(ゲール語の教会) + Alcmund。
  12世紀には、Kylalcmund と記されていた。
  Kenneth という名前があるため間違ってKennethmontとなった。
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P120.

1-2)'St Alcmund's Church'.
  説明は1-1)と同じ。
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P51.

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2007年3月17日 (土)

バリンダロッホ Ballindalloch

蒸留所のゲール語名解読が一巡してからは、Glenlivet の Naddura とか ボトルにつけられた名前のゲール語名解読などをしてきた。

今回は、Douglas Laing 社がだしている Old Malt Cask(OMC) のシリーズなどにある Ballindalloch を取り上げる。これは地名でもあるために、解釈は比較的簡単である。

バリンダロッホがあるところは、少し東にいけばグレンファークラス蒸留所があり、少し西に行けばクラガンモア蒸留所があるという場所で、南側にはベンリネス山があり、北側にはスペイ川が流れている。草地が広がっているところで、夏の天気のいい日には、最高の気分になれる場所の一つである。

解釈例
1)ゲール語で、草地にある村 or 農場 
  Baile na Dalach or Baile an Dalach 
  バラナダラハ バラェンダラハ(最後のハはのどの奥からだすハ)

スコットランド議会サイトにあった解釈にそって説明しよう。
 baile は、もうなんどもでてきた、村や農場を意味する男性名詞。
 dalach は、川辺の低地にある草地を意味する女性名詞 dail の属格。
あとは、定冠詞の変化がきちんとわかればよい。ところが、二つのつづりが書かれているのは、dail を女性名詞とした場合と男性名詞とした場合で、定冠詞の形が変わって、発音が少しかわり、女性名詞の場合よりも男性名詞とした場合のほうが、英語の発音に近くなるからではないかと思われる。つまり、
 Dail が女性名詞なら Baile na Dalach  バラナダラハ
 Dail が男性名詞なら Baile an Dalach  バラェンダラハ
(くどいが最後の ch は、のどの奥からだすハで日本語にはない音)
ということ。

ここでは、どっちがどうというつもりはない。バラナダラハもバラェンダラハも、バとダにアクセントをおいて、もごもごと繰り返しているとバリンダロッホに聞こえなくもない(笑)。ただ、個人的には、dail は女性名詞扱いするのが普通だと思う。

一度でもバリンダロッホに行ったことのある方は、「川辺の低地にある草地にある村 or 農場」という解釈が、とても自然なことがわかるだろう。

原出典
1-1)Baile an Dalach or Baile na Dalach.
    "The farm at the haugh".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesA-B.pdf

1-2)Ballindalloch Baile na Dalach 
  http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

辞書
1)baile nm. pl. bailtean, town, township
2)dail nf. g. dalach; pl. dailthean, meadow, field, plain
http://www.ceantar.org/Dicts/MF2/index.html

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2007年3月 3日 (土)

ノヴァ・スコシアにゲール語の先生派遣決定

まずは、ちょっと前に書いた記事をもう一度読んで欲しい。

http://bailebeag.cocolog-nifty.com/scotland/2007/01/post_342e.html

スコットランド以外で唯一ゲール語のネイティブスピーカーがいることで知られているカナダのノヴァスコシア州政府が、ゲール語話者減少に歯止めをかけるために、ゲール語の先生を求めているというニュースについて書いたものだ。

そして、この要請に応えるべく、ハイランドから23歳のゲール語教師が派遣されることが決定したというニュースを見つけた。↓

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=282172007

選ばれたのは23歳の女性。一人で派遣されるそうであるが、がんばって欲しいと切に願う。彼女の前向きなコメントがますますうれしくさせるニュースであった。

ゲール語をなんとか残そうとするノヴァスコシア政府の取り組みと、そして、それをサポートしようとするスコットランドの人々と、両方を応援したい気分である。

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2007年2月27日 (火)

Tir nan og が気になる

スコッチモルトセールスが出しているウイスキーのシリーズ名の一つがこれ。
これって何語なんだろう?

スコッチモルトセールスのホームページを見てみたが、説明を見つけられなかった。
 http://www.rakuten.ne.jp/gold/scotchshop/
 http://www.scotch-malt.co.jp/
見たのは、上の二つ。

なぜ気になるかというとスコットランドゲール語だと説明が難しいと思うから。

tìr(ゲール語では tir ではない ) と òg(ゲール語では og ではない) を調べてみよう。

tìr nm. g.+e; pl.+ean, land, a country : tìr mor, the mainland
òg a. g.v. òig; pl. òig and +an, young : an t-òg, the young man
ògan nm. g.v. -ain; pl.+an, a youth, sapling

ついでに、英語の nation という意味のゲール語も調べよう。
cinneach nm. g.v. -ich; pl. -ich, nation
辞書サイトは下記のサイト
http://www.ceantar.org/Dicts/search.html

すると、tìr は、国という意味はあるけれど、それは nation ではなく、land や country である男性名詞とわかる。だから、日本や連合王国という意味の nation ではなく、若者の国などに使われるのが、まさに当てはまる例である。

òg は若いという意味の形容詞であるれど、an t-òg のようにすると、”その若い人(つまり定冠詞付き)”という意味の男性名詞としても使える。

その若い人の国 → an t-òg は単数属格が必要
それらの若い人々の国 → an t-òg は複数属格が必要

また、òganで、若い人(単数)という意味の男性名詞もあって、複数形ならogananとなるのも辞書からわかるだろう。

http://bailebeag.cocolog-nifty.com/scotland/2005/10/post_7c8d.html

↑には、定冠詞がどう格変化をするかを場合に分けて説明している。
òg あるいは ògan が単数で、その若い人の国となるなら
 Tìr an òig あるいは Tìr an ògain

òg あるいは ògan が複数で、それらの若い人々の国となるなら
 Tìr nan ògan あるいは Tìr nan òganan

とならないと文法上つじつまがあわないと感じる。名詞と定冠詞の格変化が普通のゲール語っぽく変化していないと感じているわけ。

では、Tir nan og で検索をかけてみよう。このスコットランドゲール語では、不思議だなぁと思えるつづりが沢山ヒットすることがわかるだろう。でも、アイルランドのサイトやそれに関係したものが多いのではないかと感じる(ひょっとしたらアイルランドゲール語?)。
tìr nan òg で検索をかけても、結構アイルランドのサイトがヒットする。

また、tìr nan ògan や tìr nan òganan は逆にほとんどヒットしない。
(Air bhàrr nan ògan のような表現はみつかるんだが)
これはスコットランドゲール語でも使われない表現ってことになる。

んで、わたしの疑問は、
1)òg の格変化は、この表現(tìr nan òg)に限っては、通常とは違うのだろうか?
2)tìr nan òg はスコットランドゲール語なのか?それともアイルランドゲール語なのか?
の二つ。

ご存じの方がいらしたら、教えていただきたいと願っている。

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2007年2月13日 (火)

Old Ballantruan オールド バランテュラン

これはトミントゥール蒸留所がだしたヘビーピートのウイスキーにつけられた名前でもある。ただし、Ballantruan はゲール語由来の地名にもあるので、意味も比較的簡単にわかった。
また、トミントゥール蒸留所の水源が Ballantruan という川なのだそうだ。

Ballantruan の解釈
1)ゲール語で、小さな流れのある農場(集落)、小さな流れのそばの農場(集落)
  Baile an t-Sruthain バレ アントゥルァン

Baile an t-Sruthain となっているので、逐語的には、その小さな流れの(ある)その農場(集落)という意味になる。
baileに定冠詞がついていないのは、何度も説明したが、the ~ of the ~~というときに、前のtheに相当する定冠詞が落ちるのがゲール語文法だからである。
an t- がついているのは、of the という意味の定冠詞付き属格の形で、小さな流れという意味の男性名詞 Sruthan が属格形 Sruthain と一緒になって、”小さな流れの(ある)”という意味を作っている。
原出典は下にまとめてある。地名の意味を解説する冊子とスコットランド議会サイトで同じ解釈を見つけたので、信憑性は高いと思われる。

Old Ballantruan で、”古くからある、小さな流れのある農場”という意味にでもなるだろうか。

原出典
1)Ballantruan
  baile an t' sruthain - farm burn.
  Gaelic meaning of Strathspey names, Grantown-on-Spey&Hills of Cromdale,
    Grantown Museum & Heritage, p14.

2)Ballantruan (Banff).
  "The farm by the little stream", from Baile an t-Sruthain.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesA-B.pdf

辞書サイトから
1)Ballantruan Baile an t-Sruthain 
  http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

2)単語の意味
  streamlet sruthan masc
  township baile masc
  village baile masc
  http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php
 
  複数や属格の形はこちらで。
  baile nm. pl. bailtean, town, township
  sruthan  nm. g.v. -ain; pl.+an, little stream
  http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

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2007年1月26日 (金)

サマローリ Coilltean もゲール語?

Silvano Samaroli氏が代表を務める Coilltean International という会社があって、Samaroli(サマローリ)と呼ばれるボトラーズもののウイスキーを出している。その中に、会社名を冠された coilltean というシリーズのボトルがある。マッカラン、ハイランドパーク、タリスカーなどがあって、いずれもとてもおいしいウイスキーとなっている。

この Coiltean について、最初はイタリア語だろうとなんとなく思っていたし、それ以上考えてもいなかった。でも、ゲール語の辞書をつらつら見ていたときに、ゲール語でもきちんとした意味になることがわかった。ただし、イタリア語やその他のヨーロッパの言語をよく知らないので、本当にゲール語で解釈することが正しいのかについては、100%の自信があるわけではない。

でも、下記の辞書サイトにあげた意味を見てほしい。
coilltean を見ると coille を見ろと書いてあって、coille を見ると、木、小森、森というような意味があり、その複数形が coilltean であると示されている。

すると、ゲール語 coilltean は、英語で woods のような意味だと考えられ、”森”という意味にとっておけばよいだろうと思われる。

日本語のサイトでは、コイルティーンやコールテーンなどと書かれていることが多いようであるが、ゲール語で読むなら Coilltean は”コールチャン”のように読むのだと思う。
英語やイタリア語でどう読むかはよく知らない。

ゲール語で”森”という名前なら、ウイスキーをボトリングして販売する会社としてはそれらしい意味を持っていると感じられるのではないだろうか。妙に喜んでいる自分がいるのだが、本当のところをご存じの方がいらしたらぜひ教えてほしい。

辞書サイトによる説明
coille nf. pl. coilltean, wood, grove, forest
coilltean See coille
http://www.ceantar.org/Dicts/search.html

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2007年1月24日 (水)

ゲール語の先生求む ノヴァ・スコシア

カナダのノヴァ・スコシアは、ラテン語で新しいスコットランドという意味である。そのノヴァ・スコシアは、スコットランド以外では、唯一ゲール語のネイティブスピーカーがいる場所として知られている。
しかし、そのノヴァ・スコシアでもネイティブスピーカーが減少し、危機感をいだいた州政府が、スコットランドから先生を募集しているというニュースがあった。

http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=64&id=116822007

19世紀末には、100,000人程度いたゲール語話者が、現在たったの500人程度になってしまった(ゲール語の知識がある人は2000人程度)ことがかかれていて、失われてしまう危機感が伝わってきた。

州政府では、ゲール語による道路標識を作成したりする努力をしてきたらしいが、教育の現場で長い間、ゲール語を使わないようにしてきたため、すぐに復活はしないだろう。

スコットランドでも、ゲール語のテレビ番組を作っていても、なかなか話者の減少に歯止めがかからない。ゲール語が話せると収入が劇的にアップするような職場(ガイド、先生などしか思いつかないが)がいくつかできない限り、ゲール語を新たに勉強しようという駆動力もなかなかあがらないだろう。このあたりが難しいところ。

でも、なんとか残そうというノヴァスコシア州政府の姿勢には共感を覚える。がんばってほしいし、彼らの要望に応えるスコットランドのゲール語の先生がいることを祈っている。

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2007年1月18日 (木)

フーアラン・イーラ Fuaran Ile

今回取り上げるのは、ドイツで発売されているウイスキーの名前である。
ゲール語に由来する名前で、その解釈も比較的簡単であった。また、読み方はファーラン・イールのように書いているサイトもあるが、ここでは Robert Owen の辞書にある fuaran と Ile の読み方に従った(最下部を参照)。

解釈(ここではわたしの解釈をあげておく)
1)ゲール語で、アイラの泉
        Fuaran Ile フーアラン イーラ

fuaran は、泉、湧き水、井戸などを指す男性名詞である。Ile は、すでにご存じの方もいると思うが、アイラ島(Islay)のゲール語つづりである。
この場合、Ile の genitive form(属格)が必要なのだが、それが Ile と同じ形なのか、別の形なのかはわからなかった。

現時点では、ここまでにしておくが、”アイラの泉”は結構かっこいい名前だと感じたのはわたしだけ?

原出典(辞書をあげておく)
Robert C. Owen 著 The Modern Gaelic-English Dictionary (1993) から
fuaran n (fooaran)  -ain m well, spring, fountain. p59.
Ile (eela) Islay. p139.

また、辞書サイトでもおなじように検索が可能。
Islay Ile
fount (spring) fuaran 
fountain fuaran
spring (water) fuaran
well fuaran
http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

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2007年1月17日 (水)

バレヒン Ballechin

ここで取り上げるのは、エドラダワー蒸留所が発売したウイスキーの名前である。しかし、パースシャーにある地名でもあり、かつては同じ名前の蒸留所もあったそうである。
ゲール語由来の地名であるようで、解釈が可能であった。

モルトウイスキー大全には、新しいブランド名のためか名前とその解釈などは載っていない。

スプリングバンク蒸留所がすでに閉鎖された蒸留所の名前であるロングロウというブランド名で、スプリングバンクとは違う味わいのウイスキーを発売しているのと同じようなもので、すでに閉鎖されたバレヒンという蒸留所をウイスキーの名前として、エドラダワー蒸留所からピーティなウイスキーをだしたときのブランド名である。

解釈例
1)ゲール語で、イーハンの村もしくはイーハンの農場
        Baile Eachainn バレ イーヒャン

ゲール語で人の名前に Eachan というのがあるとわかると理解は早い。
Baile は、このブログのタイトルにも含まれるように、村と農場という意味である。
あとは、~の村や~の農場という意味にするために、Eachan(n) という固有名詞を Eachain(n)という形に変えるだけである。これで、イーヒャンの村もしくは農場というような意味ができあがる。

この Eachann は、馬という意味のゲール語 Each から来ている模様で、Horseman や little horse という意味だと紹介しているサイトが見られる。また、英語名では Hectorという名前がEachannに対応する名前となっている。

ただ、Eachan のつづりとしては最後の n が一つのものと二つのものがあるようである。 

原出典は以下の通り
1-1)Ballechin (Perth), Baile Eachainn.
  "Eachann's farm"
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesA-B.pdf

1-2)Baile Eachain
  E. Dwelly 著 : The illustrated Gaelic to Engilish Dictionary(1994), P1006.

辞書サイト
township baile 
village baile
http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

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2007年1月11日 (木)

妊娠したらゲール語を習おう!?

子どもが生まれる予定の親たちにゲール語を学ぶチャンスを作ろうという試みが、エディンバラ市によって、今年1月から始められる。
親たちがゲール語になじんでいれば、その子どもたちはよりゲール語にふれるチャンスが増えるだろうというのが、その理由である。

 http://news.scotsman.com/gaelic.cfm?id=1926412006

こんな記事が、スコッツマンにでていた(詳しくは上記URLからどうぞ)。

エディンバラのように圧倒的に英語に接する機会が多いなかで、どの程度効果があがるかはわからないが、がんばってゲール語を普及させようという姿勢は素晴らしい。

これで応募者が少なかったり、乏しい効果では、反対派から予算の無駄遣いだという意見がでてくるのは間違いない。効果があがるように期待している。

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2007年1月 8日 (月)

グレン デヴェロン Glen Deveron

グレン デヴェロンは、マクダフ蒸留所が出しているシングルモルトウイスキーのブランド名である。Deveron という川が、この蒸留所のそばを流れていることから、その名前をとったものと思われる。Devoron は、ゲール語での説明とケルト語以前という解釈があるようである。それを記しておく。

実は非常に深くて、素人のわたしは、これまでの説を並べておくだけにする。

解釈例(Glen が自明なので、Deveron についてのみ記す)
1)Balck Earn → 黒いEarn(Earn は Erin に由来) 
2)黒いアイルランド Dubh Erin 
3)黒い川、黒い水路

グレンが谷であるのは、もう説明がいらないだろう。また、Deveron の Dev についてもゲール語の黒いという形容詞 Dubh に由来するということで、異論がないようである。

1)の解釈は2)の解釈に非常に近い。Earn を、ゲール語でアイルランドを表すErinからきているとするものである。Earnは、その他の川にもつけられている名前であるので、ゲール族やスコット族がやってきてつけた名前であれば、自然に受け入れられるだろう。
 Deveron の Dev の部分は、ゲール語で黒いという意味の Dubh にとっている。

3)の解釈は、それとは全く異なる解釈で、Dubh の”黒い”までは同じであるが、Deveron の eron の部分は、ケルト語以前とする解釈なのである。
 ara という語で水路(water-course)という意味を持つケルト以前の言葉に由来するのではないかする説である。
 その根拠となっているのは、ヨーロッパの他の地域にも、ドイツの Ahr 川、ベルギーの Aar 川、スペインの Ara 川などがあることである(詳細は3-3)の文献をごらんいただきたい)。
 ただし、これらを断定するには、まだ証拠不足だと Nicolaisen は書いている。

2)も3)もどちらもありそうである。学者達の今後の研究を待ちたい。

原出典は以下の通り
0)モルトウイスキー大全には Deveron をデブロンと記述。意味は書いていない。
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P190-191.

1-1)"Glen of the Black Earn"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) Originally called Eron possibly from Erin (Old Irish). dubh (Scottish Gaelic - dark) added later.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1-2)Devron(Aberdeenshire) 'Black Earn'. This river was originally called Evron, perhaps from Old Irish Erin, like several others; or more probably from older pre-Celtic source (see Earn). dubh (Scottish Gaelic) 'dark' is a later prefix, perhaps to distinguish this river from the Findhorn, as with the Adder rivers in the borders, and the various Esks. It was recorded as Douern in 1273.
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P133.

2-1)Deveron is on record Douern and Duffhern, meaning apparently 'Black Eire,' as distinguished from 'White Eire,' or Findhorn, but unfortunately the name does not survive in Gaelic. It can scarcely be mere chance that has put Banbh, Banff at its mouth, and, as we have seen, Banba was a name for Ireland. It is also notable that a stream near Deveron on the west is called Boyne, while the patron saint of Boyndie parish, near Banff, was Brendan the Voyager. Tolachherene 1242 (Ant. A. and B.), 'hill of Eire,' appears to have been near Deveron.
  http://www.broughtysands.co.uk/celtic-placenames.htm

2-2)... the river Deveron, which from the old forms clearly means 'Black Erin',.... 
  William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P151.

3-1)pre-Celtic の ara(water course) に由来する。
... and it is possible that the Scottish river-names Earn, Findhorn and Deveron are originally from this root-word rahter than the ones suggested under Erin.
  David Dorward 著: Scotland's Place-names 2001年 P23.

3-2)Probably 'Black(dubh) water (ancient pre-Celtic river name found also in Earn adn Findh-orn)'
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P99.

3-3)長いので、かいつまんで日本語で。
 Deveron の eron は pre-Celtic の ara(water course) に由来する。
他にも、River Findhorn, Earn Water, River Earn などの例を挙げている。しかし、最後に、次の文が書いてある。
...but, the evidence is too scanty to make a final judgement.
  W.F.H. Nicolaisen 著: Scottish Place-Names New Editon  2001年 P241.

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2007年1月 5日 (金)

Ardbeg Kildalton アードベック キルダルトン

蒸留所のゲール語解読が一段落したところで、何をやっていこうかなと思っているところに、Glenlivet Nadurra がでてくれたのと、Ardbeg には悩ましい Airigh nam Beist があった。ということで、ウイスキー関連の商品名のゲール語についてももうちょと追いかけてみようと思う。多くの場合は地名であるので、これまでと同じようにアプローチすることができるのではないかと思うから。

Ardbeg Airgh nam Besit に続いては、同じく Ardbeg の Kidalton をやってみようと思う。

解釈例
1)養子もしくは弟子の教会 アードベックのサイトにはつづりがないが、別のサイトから
  Cill Daltan キル ダルタン
2)”ドーター”教会 Cill Daltain キル ダルテン 

1)と2)の意味に実は大きな差はないのではないかと思う。

1)の意味は、アードベック蒸留所のホームページにもでている意味である。しかし、ホームページには、ゲール語の綴りは書いていない。でも、同じ意味をあげていて、かつ、綴りもあげてあったサイトもあったので、そのサイトの綴りをあげておく。
Cill は、ゲール語で教会の意味。daltain は daltan の属格。daltan は、養子の息子とか使徒という意味である。Cill Daltan という形は、属格にしそこねているのではないかと思う。

2)の意味は、Ross の本にあった解釈であり、教会の組織としての用語ではないかと思う。つまり、コンピュータのマザー(母)ボードとドーター(娘)カードのような関係で、母体となる教会があって、その下部組織としてドーター(娘)の教会という意味である。その母体となる教会の養子もしくは使徒が作った教会だからということなのであろう。

ということで、どちらも同じような意味だということがわかっていただけると思う。

このキルダルトンは有名なキルダルトンクロスというケルトの十字架がある場所で、アードベック蒸留所の東にある。その写真も参考にあげたURLにきれいに紹介されているので一度ごらんいただきたい。

原出典
1-1)Kildalton means the church of foster-child or disciple
 https://www.ardbeg.com/images/distilleryimages/islandmap.swf

1-2)The name Kildalton (Cill Daltan) incorporates a diminutive form of the Irish dalta, a 'foster-child' or 'disciple',
http://www.rcahms.gov.uk/pls/portal/newcanmore.details_gis?inumlink=38071

2)'The daughter church'. Cill(Scottish Gaelic) 'church'; daltain (Scottish Gaelic) 'of the foster child'. Found as Kildaltane, 1548, the name implies a church set up by a mother foundation. The Kildalton Cross is one of the finest carved Celtic crosses.

  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P123.

参考)
キルダルトンチャーチとキルダルトンクロスの写真など
http://www.visit-islay.com/frames/kildalt.html

単語の意味)
cill 1)cell, church(教会) 2)chapel(礼拝堂、チャペル) 3)churchyard 4)grave
 E. Dwelly 著  The Illustrated Gaelic-English Dictionary(1993) P194.

Daltan 1)dalta(この意味は下) の diminutive 形。 2)Foster-son(養子の息子) 3)Disciple(使徒) 4)Stripling(若者)
属格は Daltain .
 E. Dwelly 著  The Illustrated Gaelic-English Dictionary(1993) P309.

dalta
foster-son, god-son, Old Gaelic dalta (Book of Deer), Irish dalta, Old Irish dalte, *daltaio-s, root dhe, dhel, suck; Greek @Gqc@nlus, female; Latin felo, suck, femina; etc. (Stokes, Strachan). See deoghail. It has been usual to refer dalta to the root al of altram, the d being considered as the remains of de, the prepositional prefix (*de-altjo-s).
http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

foster-son dalta masc
foster-son daltan masc
http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

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2006年12月13日 (水)

Airigh Nam Beist がわたしを悩ませる

これは Ardbeg からだされたモルトウイスキーの新製品。スモーキーなウイスキーな方にはきっと人気になるだろう(もうなっているかも)。

読み方は、ホームページによれば、pronounced 'arry-nam-bayst' とあるので、アリーナムベイストと読むことになるし、ボトルには、pronounced 'arry-nam-baysht' とあるからアリーナムベイシュトのように読むことになるのだろう。ただし、ゲール語のつづり的には後者が正しい発音となるので、ホームページは単純なスペル間違い( h が落ちているだけだし)かもしれない。意味は、ホームページにもボトルにも 'shelter of the beast'とあるので、「その獣の隠れ家」というような意味と思う。

こう書くとなにも悩ましいところはないように見えるけれど、わたしの知っている文法とあわないところがあるのです。

まず単語から。
Airigh 小屋、羊飼いの小屋、隠れ家などの意味。ここでは主格。今回は重要ではない。
Nam  ある条件下で定冠詞付きの属格を表す。~nam~~という形で、その~~の~という意味。
Bèist 女性名詞 単数属格 bèiste、複数形 bèistean。意味は beast 獣。ここでは属格である必要がある。

shelter of the beast というのが英語の意味だとすると、bèist は単数形で属格になる必要がある。しかし、属格形である bèiste になっていない。また、単数女性名詞の属格につく定冠詞は、nam ではなく na なのである(母音で始まる単語なら na h- がつく)。ということで、shelter of the beast に相当するのは Airigh Na Bèiste が、わたしが知っている現代ゲール語のつづりである。
実際に Airigh na Beinne という名前の湖(”その山の小屋”の意)がハイランド北部にはある。この地名は、beinne が山という意味の女性名詞単数形 beinn の属格形でこれらの点(単数、女性名詞、属格、bで始まる)が bèist と一緒なので、わたしがなんで悩んでいるかわかってもらいやすいのではないかと思う。

では、nam を使いたかったらどうなるか。b,f,m,p で始まる単語の複数形に定冠詞付き属格をつけるときには、nam を使うというルールがあるので、bèist が単数形ではなく複数形だったらこれが使えることになる。ただし、この場合には bèist の複数形が必要になる。つまり、Airigh Nam Bèistean のようになるということ。
 実際にそのような地名があって、ルイス島にあるスタンディングストーンに Airigh nam Bidearan という名前がついているところがある。その意味について次のように書いてある。
The Gaelic name Airigh nam Bidearan means 'Shieling (hut) of the Pinnacles'.
pinnacle (頂という意味)が pinnacles と複数形になっているので、(複数のその)頂がある(ところの)小屋という意味になって、複数形の属格の例として、とても理解しやすい。

なぜでわたしが悩んでいたかはわかっていただけたと思う。Airigh nam beist と書いたときには、現代のゲール語文法書とはあわないところがあるってこと。
 1)地名がつけられた時代の定冠詞付き属格の変化は現代と違っている。
 2)アイラ島方言
などの可能性があるが、わたしの実力を超えるところである。
わたしの悩みを解決できる方の登場を待ちたい。

このおいしいお酒を飲みながらゲール語のことを考えるのもまた楽しい。

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2006年12月 3日 (日)

グレンリベット ナデューラ?

最近バーで飲んで結構おいしいなぁと感じたボトル。
香りもよくて、甘い香りがして、カスクストレングスの強いアルコールをかいくぐるとおいしい甘みがする。熟成が16年、高いアルコール度数。でも、熟成感は通常の18年のボトルより高い感じがする。
本当においしいウイスキーだった。

でも、この名前 Nàdurra ナデューラ に素朴な疑問がある。
まずは、日本語でグレンリベットの公式サイトでその名前の由来をみてみよう。
 http://www.theglenlivet.jp/introduction/lineup/
”ゲール語で「ナチュラル」の意”だそうだ。

手元の辞書で意味を確認すると nàdurra がない!
nàdur n (nahtar) m nature
nàdurrach a (nahtarakh) natural
Robert C. Owen : The Modern Gaelic - English Dictionary, Gairm(1993), P84.
これから、発音は nàdur がナータ(ル)、nàdurrach がナータラッハと発音されることがわかる。nàdurraの最初のaの上についている`は、長母音の印だから、ナーと伸ばすのが自然なのだ。du が ta のように発音されるのは単語の中にあるから。語頭だったら da や du などと発音されていただろう。このあたりのルールは、下記にすでに書いたことがある。
http://bailebeag.cocolog-nifty.com/scotland/2005/07/post_8b8e.html

辞書サイトで検索してみると発音が書いていないが単語は見つかった。
nàdur nm. g.v. -uir; pl.+an, nature
nàdurra a. natural
http://www.ceantar.org/Dicts/MF2/mf09.html#MF.N

これで、nàdur の形容詞形辞書によって違うということで、方言によって幾分異なると理解できる。発音記号は書いていないが、これもちゃんと長母音の印があるので、ナータラあるいはナーチュラと発音するはずである。

別のサイトには、さらに異なるつづりまであった。
natural nàdarra
http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php?facal=nadarra&seorsa=Gaidhlig&tairg=Lorg&eis_saor=on

これなら発音はナータラとなる。

んで、よっく考えてみたら、nàdurra と書いてナデューラと読ませるってことは、単語はゲール語から持ってきて、発音は英語だったということ。意味はゲール語だと書いてあったが、読み方がゲール語か英語かは書いていないし。

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2006年11月26日 (日)

ピッティヴァイック Pittyvaich

そろそろゲール語で解読できる蒸留所も最後かなと思う。ここで取り上げなかったもののほとんどは英語(スコットランド英語)で説明できるものである。

最後になるかもしれない蒸留所の名前解読は Pittyvaich で、これも地名であり、蒸留所名であり、ウイスキーのブランド名である。

解釈例
1)牛小屋がある農場/集落 モルトウイスキー大全にはつづりがあげられていない。
                                 他のサイトの例 Peit もしくは Baile a' Bhàthaich

英語で Pit とついているのは、ピクト人のいた地域につけられた集落、農場などの意味ということである(英語ではあるが、関心のある方は辞書サイトと参考サイトをごらんいただきたい)。古いゲール語では、pet や pett と書いていたそうである。

vaich の部分は、ゲール語の牛小屋 bàthach の 定冠詞付き属格 a' Bhàthaich 。

これをくっつけると Pet a' Bhàthaich ペタァヴァイヒ となって、厳密な意味としては「その牛小屋があるその農場/集落」というような意味になるだろう。

現代のゲール語のみで書くなら、Baile a' Bhàthaich となる。

原出典は以下の通り
1-1)ピクト族の集落+ゲール語の牛小屋 つづりはあげられていない。
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P204-205.

1-2)"The Farm with the Byre"
  Peit/Baile a' Bhàthaich (Pictish Gaelic)
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1-3)Pittyvaich (Banff).
  "The farm with the byre", from Pictish/ Gaelic, Peit/Baile a' Bhathaich
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

辞書サイト
A)Pit- prefix in farm and townland names in Pictland, meaning
  "farm, portion"; Old Gaelic pet, pett, g. pette (Book of Deer),
  a Pictish word allied to Welsh peth, part, Gaelic cuid.
  See further under cuid and pios.

B)bàthach  nm. g.v. -aich; pl. -aichean, byre, cow house
  http://www.ceantar.org/Dicts/search.html

参考サイト
  http://en.wikipedia.org/wiki/Pictish_language

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2006年11月18日 (土)

トーモア Tormore

これも、地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。
蒸留所の意味は”大きな丘”で間違いがないだろう。

解釈例
1)ゲール語で、大きな丘 モルトウイスキー大全にはつづりがない
         他の出典から Tòrr mòr トー(ル) モー(ル)

tòrr は下にも示したように丘という意味で、mòr もすでに何度も見たように、大きいという意味の形容詞であるので、Tòrr mòr で ”大きな丘”という意味になる。

ただ、個人的には、丘という意味には tòrr の他に、ここで紹介した cnoc や tom などという単語もあって、どのように使い分けられているかをこれから調べようと思っている。

原出典は以下の通り

1-1)ゲール語で「大きな丘」
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P246-247.

1-2)"High Hill"
  Tòrr (Scottish Gaelic - mound or hill) mòr (Scottish Gaelic - big)
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1-3)Tormore (Moray, Skye), An Tòrr Mòr.
  "The big hill".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

1-4)'Hill(tòrr), big(mòr)'
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P274.

辞書サイト
A) tòrr  nm. g.+a; pl.+an, abrupt or conical hill or mountain, mound, grave, tower, heap of ruins

B) tom nm. g.v. tuim; pl. tuim, hillock, knoll, eminence, round heap, clump of bushes

C) cnoc nm. g.v. cnuic; pl. cnuic or +an, knoll, hillock

http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

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2006年11月12日 (日)

タリバーディン Tullibardine

これも、地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。
モルトウイスキー大全には地名の解釈が載っていない蒸留所の一つでもある。
見つけた解釈も複数あるが、決定的なものはわからなかった。

解釈例
0)モルトウイスキー大全には記述なし
1)ゲール語で、警戒の丘(Hill of Warning)
        Tulach bàrdainn ツラッハ バーデン
        Tulach bhàrlinn ツラッハ ヴァーリンというつづりも
2)ゲール語で、警備の丘(Hill of guard)
        Tulach Ghàrdainn ツラッハ ガーデン(このガは喉の奥から音を出す)
3)ゲール語で、詩人の地の緑の丘
        Tulach Bhàirdne ツラッハ ヴァードン

1)の「警戒の丘」(Hill of wairning) の解釈が手元にある資料の中では、最も多い解釈である。Tulachは、これまでの解釈でもあげているので、丘で問題がないだろう。ただ、どれもネタとなる資料は共通なのではないかと感じさせたのが気になると言えば、気になる点である。また、warning を意味する bàrdainn が通常の辞書などでは確認ができないことももう一つ引っかかっているところ。E. Dwellyの分厚い辞書にやっと書いてあったぐらいである。地名は古いゲール語の意味である場合も多いので、この意味でもよいのだろう。
現代ゲール語では、bàrdainn ではなく bàirlinn もしくは bàrlinn とつづる。

2)の「警備の丘」は、1)と似た解釈であるが、ゲール語のつづり的には全く異なるものである。 E. Dwellyがあげているつづりは、Tulach Ghàrdainn であり、ghàrdainn は警備兵などの意味がある gàrd(死語)の属格形ということになる。

3)の「詩人の地の緑の丘」については、スコットランド議会サイトにあった解釈である。詩人と訳しているのは、元の英語訳に the poet とあったからであるが、もしこの意味だとしたら、ドゥルイドのバードなのかもしれないとも考えている。

いまのところ、これがいいという決定的なものはないのではないかと思う。

原出典は以下の通り

0)解釈が載っていない
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P248-249.

1-1)"Hill of Warning"
  Tullach (Scottish Gaelic - hill slope) bardainn (Scottish Gaelic - warning).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1-2)'Warning knoll'
  tulach bàrdainn
  David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1995年 P136.

1-3)'Hill of warning'.
  Tulach(Scottish Gaelic )'hill, slope', bàrdainn(Scottish Gaelic) 'warning'. The reference is to a signal beacon. Noted as Tulibarden, 1234.
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P215.

1-4)'Hill of warning'.
  Tulach(Scottish Gaelic )'hill, slope', bàrdainn(Scottish Gaelic) 'warning'. The reference is to a signal beacon.
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P91.

2-1)Tulach Ghàrdainn
  E. Dwelly 著 : The illustrated Gaelic to Engilish Dictionary(1994), P1029.

3-1)Tullybardine (Perth), Tulach Bhàirdne.
  "The green hill of the poet's land".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

辞書
gàrd (死語)1. Garden. 2. Fenced place. 3. Guard.
E. Dwelly 著 : The illustrated Gaelic to Engilish Dictionary(1994), P478.

bàrdainn, Islay, see bàirlinn
E. Dwelly 著 : The illustrated Gaelic to Engilish Dictionary(1994), P69.

bàirlinn, s.f. Warning, summons of removal.
E. Dwelly 著 : The illustrated Gaelic to Engilish Dictionary(1994), P61.

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2006年11月10日 (金)

ゲール語の道路標識はじゃま?

少し古い記事になるが、新聞 Scotsman のサイトにこんな話がでていた。

ゲール語の道路標識などはすこしずつスコットランド国内で増えている。エディンバラでも例外ではない。これをさらに増やそうというプランに対して、保守党の政治家がかみついたのだ。「お金と時間の無駄」だと。たしかに、ゲール語がわからない方にとっては、目障りなものでしかないかもしれない。

ゲール語を学んでいるわたしからすれば、確かにゲール語を目にする機会が増えて欲しいと思うし、その機会を増やそうという活動をしている気持ちもわかるのだが。

しかし、税金で活動が行われる以上やはり、そのコストパフォーマンスも重要であろうと思う。かけた費用に対して、よりリターンの大きい方法が採られるべきであろうと思う。

もちろん、この記事は保守党政治家の言い分を伝えているだけでなく、最近学校を含めてゲール語を学ぶチャンスが増えていることを伝えていて、何もお金は道路標識にばかり使われていないことはよくわかる。

効果的にお金を使わなければ、いつでも「無駄遣い」という議論がでてくる。まずは、より効果的にお金を使って、スコットランド国内でゲール語を普及させて欲しいと、日本の片隅からも祈っている。

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2006年11月 8日 (水)

ロイヤルブラックラ Royal Brackla 

これも、Brackla の部分は地名であり、Royalがついて蒸留所名、ウイスキーのブランド名となっている。この蒸留所の意味は、モルトウイスキー大全には解釈がのっていない。

解釈例
1)ゲール語で、ウサギ/アナグマ/狐などの巣穴、繁殖地 
  A' Bhraclaich ェヴラクラヒ
2)ゲール語で、まだら模様の丘の斜面
  PeatFreakのサイトの解釈だがゲール語のつづりはあげられていない。

この蒸留所に Royal がついているのは、モルトウイスキー大全によればウィリアム4世のお気に入りだったからだそうである。
さて、Brackla の意味については、1)では、ウサギ/アナグマ/狐などの巣穴・繁殖地という意味があげられている。Dwellyの辞書には、ここで何度か取り上げた Watson の解釈だという記述がある。Watsonは、スコットランドの地名について多くの論文や本を残した学者である。
本来は、定冠詞をつけて A' Bhraclaich となるべきと思う。

さて、2)の解釈であるが原出典が書いていないので、つづりがわからないが、次のようなものではないかと考えている。
  speckeld まだらの → ゲール語は breac ブレク
  slope 斜面 → ゲール語は leathad レアト
あわせて
  Breac Lethad ブレクレアト
ただし、この解釈では、形容詞が名詞の前にくるので、ゲール語としては不利な解釈になる。

わたしは、1)の解釈をおしておこうと思う。

原出典は以下の通り

0)モルトウイスキー大全には記述がない
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P212-213.

1-1)Brackla (Nairn). See Brackloch.
  Brackloch (Sutherland), A' Bhraclaich.
  "The badger's sett".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

1-2)Brackla  A' Bhraclaich
  braclach, see broclan
  broclach, -aich, pl. aichean [-aich] s.f. Warren. 2 Badger's den. 3 Fox's den.
  E. Dwelly 著 : The illustrated Gaelic to Engilish Dictionary(1994), P125

2-1)"Speckled Hillslope"
  by some sources, and "The Badger's Sett" A' Bhraclaich by others. Often also referred to as 'Royal Brackla' by appointement of King William IV who was fond of this malt.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

辞書サイト
breac a. brice, speckled, spotted
leathad nm. g.v. -aid; pl. leoidean, declivity, side of a hill, slope
http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

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2006年11月 4日 (土)

トマーチン Tomatin

これも、地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。
蒸留所の意味は”ネズの木の丘”で間違いがないだろう。しかし、この蒸留所の水源となっている Allt-na-Frithe(英語名オルタナフリス、ゲール語名オウルタナフリー)の意味を蒸留所もモルトウイスキー大全も「自由の小川」と訳しているが、これが違うのではないかと思われる。

解釈例
1)ゲール語で、ネズの木の茂る丘 モルトウイスキー大全にはつづりがない
         他の出典から Tom aitionn ト(ウ)マチョン Tom aitinn ト(ウ)マチン

意味は、”ネズの木の丘”で決まりだろう。
ただし、ゲール語のつづりとしては、Tom aitionn と Tom aitinn の2種類見られた。ただし、辞書で確認すると、Owenの辞書では、ネズの木は aiteann で属格は aiteainn としていたが、Dwellyの辞書では、ネズの木を aitionn その属格を aitinn としている。後者の方が英語の発音にも近いつづりがでるし、わたしはこちらを押しておきたい。

気になったのは、Allt-na-Frithe である。ゲール語で読めば、オウルタナフリーである。alltは、小川だし、na は f で始まる女性名詞につく定冠詞の属格形であるので、Frithe の小川となって、フリーの小川→自由の小川と勘違いあるいは意図的に解釈しているのではないかと思っている。
Fritheについては、下に意味をあげたように、名詞では”(鹿のいる)森”という意味の属格形であるので、”鹿のいる森を流れる小川”ってことになる。
これの他にも、Bruach na Frithe とつづり slope of the deer forest(鹿の森の斜面)という意味の地名がスカイ島にはある。これで Frithe が自由を表していないってことがわかっていただけるだろうか? 必ずしも蒸留所のいうことはアテにならない例がまた一つ増えたと思っている。

原出典は以下の通り

1-1)ゲール語で「ネズの木が茂る丘」
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P242-243.

1-2)'juniper hillock'
  Tom(Gaelic) hilllock, knoll; aitionn(Gaelic) juniper.
  Nicola Wood 著 : SCOTTISH PLACE NAMES 1989年 P89.

1-3)"Juniper Hill"
  Tom (Scottish Gaelic - hill) aitionn (Scottish Gaelic - juniper).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1-4)Tomatin (Inverness), Tom Aitinn.
  "Juniper hillock".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

1-5)'juniper knoll'
  Tom aitionn
  David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1979年 P47.

1-6)'juniper knoll'
  Tom aitionn
  David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1995年 P136.

1-7)'Mound(tom) [of the] juniper(aitionn)'
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P273.

1-8)'Juniper hill'.
  Tom(Scottish Gaelic )'hill, knoll', aitionn(Scottish Gaelic) 'juniper'.
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P212.

1-9)'juniper hill'.
  Tom(Scottish Gaelic )'hill or knoll', aitionn(Scottish Gaelic) 'juniper'.
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P90.

辞書
aiteann n (achan) -eainn m juniper
--
frith n (free) -e, -ean f deer forest.
R. C. Owen 著 : The Modern Gaelic-English Dictionary(1993), P58.
--
aiteann see aitionn
aitionn, -inn, s.m. Juniper(plant).
E. Dwelly 著 : The illustrated Gaelic to Engilish Dictionary(1994), P25

辞書サイト
aitionn juniper, Irish aiteann, Old Irish aitenn, 以下略
--
frith nf. g.+e; pl.+ean, forest, deer forest
http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

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2006年11月 1日 (水)

トミントゥール Tomintoul

これも、地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。
初めてモルトウイスキー大全でこの蒸留所の解釈をみたときに笑ってしまった解釈である。納屋の形をした丘があるならぜひみてみたい。

解釈例
1)ゲール語で、納屋の形をした丘 モルトウイスキー大全にはつづりがない
        Nicola Wood は、Tom an t'sabhail とつづりをあげている
2)ゲール語で、納屋がある丘 Tom an t-sabhail ト(ウ)ム ァン ツァール

1)の解釈は、モルトウイスキー大全とNicola Wood による解釈である。モルトウイスキー大全にはつづりがないので、解釈の正しいかどうかわからない。Nicola Wood があげているつづり(下記の1-2)で解釈することにするが、これは、定冠詞付きの属格の解釈を誤っているだけだと思われる。このつづりでは、”その納屋があるその丘”という意味である。
普通に考えれば、”納屋の形をした丘”があるのはとても珍しいことであるが、この丘も違うのだろう。

2)の解釈は上にもかいたように、Tom an t-sabhail とつづれば、Tom が丘という意味、sabhal は、辞書サイトで示したように男性名詞で納屋という意味である。また定冠詞をつけて属格を作るときには、an t-sabhail となる。

多くの地名本も2)の解釈を支持している。1)のように奇妙な解釈をしている地名研究本は1冊だけであった。

原出典は以下の通り

1-1)ゲール語で「納屋の形をした丘」
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P242-243.

1-2)'Hillock like a barn'
  Tom(Gaelic) hilllock, knoll; an t' sabhail(Gaelic) like a barn.
  Nicola Wood 著 : SCOTTISH PLACE NAMES 1989年 P89.

2-1)"Little Hill of the Barn"
  Tom (Scottish Gaelic - hill) an t-sabhail (Scottish Gaelic - of the barn).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2-2)Tomintoul (Banff), Tom an t-Sabhail.
  "The hillock with the barn".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

2-3)'little barn hill'
  Tom an t' sabhail
  David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1979年 P47.

2-4)'little barn hill'
  Tom an t-sabhail
  David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1995年 P136.

2-5)'Mound(tom) of the barn(an t-sabhail)'
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P273.

2-6)'Little hill of the barn'.
  Tom(Scottish Gaelic )'hill', an t-sabhail(Scottish Gaelic)'of the barn'.
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P212.

2-7)'Little hill of the barn'.
  Tom(Scottish Gaelic )'hill', an t-sabhail(Scottish Gaelic)'of the barn'.
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P90.

辞書サイト
sabhal nm. g.v. -ail; pl. saibhlean, barn
http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

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2006年10月28日 (土)

レダエイグ Ledaig

レダエイグはウイスキーのブランド名であるけれど、地名に由来している。。
モルトウイスキー大全では、これをゲール語で”安全な港”であると訳している。Tobermory蒸留所のホームページでは、”安全な天国”という意味を紹介している。でも、ゲール語のつづりは、どちらにも書いていない。ゲール語のつづりがない解釈は怪しいというのがわたしの基本スタイルである。
解釈例としては、”安全な港”と”安全な天国”以外に、”傾斜がある土地の港”という意味があるようである。

解釈例
1)ゲール語で、安全な港  モルトウイスキー大全にはつづりなし
2)ゲール語で、安全な天国 蒸留所のホームページ でも、ゲール語のつづりはない。
3)ゲール語で、小さな傾斜 Leadag レタク
4)ゲール語で、”傾斜がある土地の港” Leathad-aig レーアダ(イ)ク

下記にあげたいくつかの原出典を参照していただきたい。
ここには、あげなかったが”安全な港”と”安全な天国”という解釈はもっと沢山のサイトに紹介されている。これは、もちろん蒸留所が取り上げた解釈を含むので当然だと思うが、いずれにもゲール語のつづりがないこともそれらのサイトの特徴である。

わたしが検索をかけたり、地名の本を調べた中では、きちんとゲール語のつづりをあげて説明していたのは、唯一”傾斜がある土地の港”だけだと思う。

どれが正しいと断言するだけの根拠に欠けるが、本サイトはゲール語のつづりが示されているものとしておこうと思う。

原出典は以下の通り
1)安全な港 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P240-241.

2)"safe haven"
  The bay is one of the safest anchorages in the Hebrides, indeed the original name for the distillery, Ledaig (pronounced Lea-chaig) is Gaelic, and means "safe haven".
  http://www.burnstewartdistillers.com/tobermorydistillery.htm

3)"The Small Slope"
  An Leadag. Other sources translate it as having a Norse origin meaning "A bay which is difficult to enter".
  発音はLEADaig
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

4)Probably 'Slope(leathad) bay(-aig, corrup form of Old Norse vagr)'.
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P172.

辞書サイト
http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php
Ledaig An Leideag 
Ledaig Leideag 

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2006年10月27日 (金)

トバモリー Tobermory

トバモリーは、もちろん地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。
この蒸留所についても、つづりこそ書いていないがモルトウイスキー大全はそれらしいゲール語訳を載せている。

解釈例
1)メアリーの井戸  モルトウイスキー大全にはつづりなし
  Tobar Mhoire トバーヴォリ もしくは Tobar Moire トバーモリ

この蒸留所がある地名についても解釈は、ほぼ一つと言って良い状態で、”メアリーの井戸”という解釈しか見あたらない。しかし、つづりは、Tober Mhoire と Tober Moire の2種類が見られた。これは、(聖母)マリアという意味の Moire の属格をそのまま Moire とするか Mhoire とするかの違いによる。Tober は、ゲール語で”井戸”という意味の男性名詞である。
現代のゲール語では、英語のメアリという人名は、Mairi とつづるが、聖母マリアについては Moire とつづるようである。

同じ辞書サイトで、tobermory を Tobar Mhoire とつづり、聖母マリアのマリアを Moire とつづる例をあげておいた。

原出典は以下の通り
1-1)メアリーの井戸 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P240-241.

1-2)Tobar Mhoire.
  E. Dwelly 著 : The Illustrated Gaelic-English Dictionary(1993) P1028.

1-3)Tobermory (Mull), Tobar Mhoire.
  "Mary's well". This was formerly known as Tobar Maol Rubha, "Maol Rubha's well".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

1-4)"Mary's Well"
  Tobar (Scottish Gaelic - well) Moire (Scottish Gaelic - Mary).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1-5)Mary's well
  Tobar(Scottish Gaelic) 'well' Moire(Scottish Gaelic)
  1540年には Tibbirmore と書かれていた。
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P212.

1-6)Mary's well
  Tobar(Scottish Gaelic) 'well' Moire(Scottish Gaelic)
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P90.

1-7)'Well(t[i]obar) of [the Virgin] Mary(Moire)'.
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P272.

辞書サイト
http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php
Tobermory Tobar Mhoire 
Madonna (the Virgin Mary) Moire Maighdeann

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2006年10月26日 (木)

タムナヴーリン Tamnavulin

タムナヴーリンは蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。この蒸留所がある村は Tomnavoulin とつづられる。意味するところは同じと思われるので、Tomnavoulin の意味をあげておく。この地名が説明してある本は少ない。

解釈例
1)丘の上の水車           モルトウイスキー大全にはつづりなし
                     PeatFreakのサイト Tom a' mhuilinn ト(ウ)マヴーリン
2)粉挽き小屋がある丘  Tom mhuilinn ト(ウ)ムヴーリン 下記2-1)
                     Tom na mhuilinn  ト(ウ)ムナヴーリン 下記2-2)

この地名の意味は、英語では、Mill on the hill もしくは the hilllock at the mill の2種類に分けられる。つまり、”丘の上の粉ひき小屋”か”粉挽き小屋のある丘”のどちらかってこと。

個人的は、”丘の上の水車”では、その水車が回せないのではないかと思う。
この地域には、粉挽き小屋があって、その動力が水だとすると丘の上にあるというのにはかなり違和感があって、丘のどこかに水車で粉挽きをしているところがあって、それを”粉挽き小屋がある丘”という方がすっきりと理解できると思う。

さて、ゲール語でどうつづるかというと Tom mhuilinn、Tom a' mhhuilinn、Tom na mhuilinn の3種類があるようだ。これは、粉挽き小屋を意味するゲール語 muileann の属格が mhuilinn であることと muileann の性と muileann の属格に定冠詞をつけるかどうかによる。

A)muileann に定冠詞をつけなければ
   Tom mhuilinn ト(ウ)ム ヴーリン 
B)muileann を男性名詞扱いして定冠詞をつけると
   Tom a' mhuilinn ト(ウ)ム ヴーリン 
C)muileann を女性名詞扱いして定冠詞をつけると
   Tom na mhuilne ト(ウ)ム ナ ヴールン

A)では、特定の粉挽き小屋や丘を指さない。B,C)では、英語では The hilllock of the mill となって、日本語では”その粉挽き小屋があるその丘”という意味になる。地名としては、特定できる水車小屋や丘の方が普通だと思うので、B)かC)の方が自然に思える。

では、muileann は女性名詞なのだろうか男性名詞なのだろうか?通常はどちらかに決まっていると思うでしょう? 参考サイトにあげたように女性名詞としる辞書と男性名詞としている辞書とさらには両方があるという本や辞書があって、どっちとは確定していないようである。どちらにするかで、定冠詞が変わるし、つづりも変わる可能性があるので、どっちなのかは本当は重要なのであるが。

また、男性名詞に扱ってもスコットランドゲール語ではなくアイルランドゲール語では、定冠詞付きで na mhuilinn という属格の形を持っているようである。古い時代につけられた地名ならば、男性名詞扱いでもよいのかもしれない。

ごちゃごちゃ書いたので、わかりにくいけれど
1)Tamnavulin は地名の Tomnavulin からつけれた
2)ゲール語の意味は「粉挽き小屋のある丘」
3)つづりはいろいろ考えられるけれど Tom na mhuilinn がいちばん英語のつづりに近い。

原出典は以下の通り
1-1)丘の上の水車  ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P236-237.

1-2)"Mill on the Hill"
  Tom (Scottish Gaelic - hill) a'mhuilinn (Scottish Gaelic - by the mill)
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2-1)Tomnavoulin (Banff), Tom Mhuilinn.
  "The hillock at the mill".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

2-2)Tomnavoulin : 'Mound(tom) of the(na) mill(mhuilinn)'
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P273.

参考
muileannを男性名詞、女性名詞の両方があると書いてある辞書や本
a) B. Robertson & I. Taylor : Teach yourself gaelic(1993) P332.
b) R. Owen : The Modern Gaelic Dictionary(1993) P82.
c) Hippocrene Practical Dictionary Gaelic-English/English-Gaelic Dictionary(1999) P92.

muileannを女性名詞としている辞書
d) R.W. Renton & J.A. MacDonald : Abair(1979) P48.

muileannを男性名詞としている辞書
e) E. Dwelly : The Illustrated Gaelic-English Dictionary(1993) P676.
f) H.C. Dieckhoff : A Pronouncing Dictionary of Scottish Gaelic (1992) P124.

g) アイルランドゲール語では、男性名詞 muileann の属格が na mhuilinn であるとしているもの。
http://www.irishpage.com/themes/lann.htm

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2006年10月25日 (水)

ゲール語辞書 5

新しいゲール語の辞書を買った。ものすごく厚い辞書である(笑)。

  The Illustrated Gaelic-English Dictionary
  Edward Dwelly
  ペーパーバック: 1048ページ
  出版社: GAIRM(1993年)
  ISBN 1871901286
  価格:アマゾンUKで12.5英ポンドから

以前から使っていた4冊に加えてこれで辞書5冊体制になった。
この辞書の最大の特徴は動物や植物についてイラストで説明がしてあることと1000ページ以上を費やしてそれらを説明しているということだろう。
このブログで、巻末の地名の説明が役に立つという書き込みがあったので、わたしの関心はそこにあった。たしかにそれなりの数の地名をゲール語に訳してあるが、それぞれの地名については単に英語地名をゲール語訳にしただけのものが載っているだけで、それ以上の説明はない。わたしのようなものには、レベルが高すぎ。もっと説明がほしかった。
Illustrateddictionary

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2006年10月21日 (土)

スコットランド地名研究本 8

スコットランドの地名の由来を研究した本の紹介シリーズその8である。八冊もあるのか~と自分でも驚いている(笑)。

   書 名: Scotland's PLACE-NAMES
   著 者: David Dorward
   出版社: Mercat Press ISBN:1-873644-50-7
   出版年: 1995,1998,2001年
   総ページ数:160ページ
   価 格: 9.99英ポンド

この本は1979年に出版されている同名の本の改訂版である。その本については、このリンクを参照いただきたい。

簡潔に地名の要素をアルファベット順で丁寧に説明するスタイルは変わっていない。例えば、河口という意味の Aber という項目をあげると、その意味を述べて、それが使われている地名を紹介し、さらにその意味を詳しく紹介するというスタイルなのである。それが以前の本より紹介されている地名の例が増えている。これがとてもうれしい。

ページ数が61ページから160ページへと大幅に増えているのは、この地名の紹介例が増えているからと言って差し支えあるまい。読んでいてとても参考になる本へと変貌を遂げている。

そして、一部に解釈の変更も見られる。
以前の本では、Lochnagar を Loch na Gaire で、”岩の露出した湖”としていたのを”叫びもしくはうなりの湖”としているし、Ben Nevis の Nevis をケルト語の水に由来するとしていたのを、今回は”毒もしくは悪意”としている。モルトウイスキー大全にとっては不利な変更がなされているようだ。
Scotlandsplacenames

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2006年10月20日 (金)

タムデュー Tamdhu

タムデューも地名にして、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。このゲール語の解釈はほぼ一つしかなく、モルトウイスキー大全もつづりこそあげていないが正しい解釈を載せていると思われる。

解釈例
1)黒い小丘 もしくは 黒い塚 モルトウイスキー大全にはつづりがない
  他の解釈例では Tom Dubh ト(ウ)ム デュ 黒い丘 でほぼ一致している

この解釈は黒いという意味の形容詞 dubh と丘という意味の tom がわかれば、解釈は簡単にできる。この tom については、トウムという発音とトムという発音がある(辞書によって異なる)。

この tom が英語の地名に取り込まれるときに tam に変化したのだろう。
そして、dubh が英語でつづられるときに dhu となっている。

原出典は以下の通り
1-1)黒い小丘 もしくは 黒い塚
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P234-235.

1-2)"Black hill"
  Tom (Scottish Gaelic - hill) dubh (Scottish Gaelic - black).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1-3)Tamdhu (Moray), An Tom Dubh.
  "The black hillock".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

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2006年10月19日 (木)

タリスカー Talisker

これも地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。天気がいい日には抜群に美しい景色が楽しめるところでもある。
この解釈はゲール語のものとしているのはなく、ノース語による解釈がほとんどであった。
ちなみにゲール語では、Talaisgeir とつづる。

解釈例
1)ゲール語+ノース語で、「傾いた大岩」あるいは「斜面上の大岩」
  「岩」のノース語を sker と示している。ゲール語については記述がない。
2)ノース語で、傾いた岩 T-hallr + skjaer( 読めない....m(_._)m )
3)ノース語で、岩の家 ノース語のつづりは示されていない。

1)と2-1)~2-3)の違いは、ゲール語+ノース語としているか、ノース語としているかの違いでしかない。意味もほとんど同じで、1)の日本語訳も sloping rock の英語を日本語にしたものだろう。ゲール語の要素があるかどうかはわたしにはわからないし、ここでは紹介するだけに留める。
また、3)にはノース語のつづりはないが、ノース語による別の解釈”岩の家”があったことも記しておこうと思う。

原出典は以下の通り
1)「傾いた大岩」あるいは「斜面上の大岩」
  sker はヴァイキングの言葉で「岩」の意味だが、それ以外はゲール語。
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P232-233.

2-1)Talisker (Skye), Talaisgeir.
  "Sloping rock", from Norse.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

2-2)"Sloping Rock"
  T-hallr (Old Norse - sloping) skjaer (Old Norse - rock).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2-3)'Sloping rock'. T-hallr(Old Norse) 'sloping'; skjaer (Old Norse) rock.
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P209.

2-4)'Sloping rock'. T-hallr(Old Norse) 'sloping'; skjaer (Old Norse) rock.
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P89.

3)TALISKER (Norse: Rock house)
  http://www.isbuc.co.uk/Places/48.htm

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2006年10月17日 (火)

”Tè bheag”について

ここで書く”Tè Bheag”は、ウイスキーの”Tè bheag”ではなく、単にゲール語の発音と意味について記したものである。

先日のゲール語のレッスンのときに質問してみた。以前にも書いたが、わたしの先生は南ユイスト島育ちである。

1)”Tè Bheag”はどう発音するか
  チェイヴェックかチェーヴェークか
2)”Tè Bheag”と言われたら、何をイメージするか?
  どんな女性か? a little lady をイメージするか?
ということである。

1)発音はチェーヴェーク。

 先生はチェイヴェックとは言わないとキッパリ。やはり、チェイヴェックという発音はスカイ島方言なのだろう。まぁチェーヴェークだって南ユイスト島方言とも言えるのだが。

2)”Tè Bheag”と言われたら、何か小さくデリケートで忍耐強い女性的なもの
 をイメージし、人間の女性をイメージしない。もちろん、a little lady もイメージしない。

 これは少し意外だったのだが、Robert C. Owen が書いた The Modern Gaelic-English Dictionary の111ページにある tè と tè bheag の説明の括弧書きのところにあったものと同じイメージと思われる。tè の説明は以下の通りである。

tè n (cheh) f woman (also used as the numeral 'one' when reffering to fem. nouns: tè bhàn, a blond (one); tè bheag, a whisky (a small one).

この辞書には tè の発音が上に書いたように、チェイではなく「cheh」(チェー)と紹介されている。

個人的な理解としては次のようなものである。
 スカイ島方言なら tè bheag はチェイヴェックのように発音し、a little lady と意味することもあるのだろう、でも、他の方言:少なくとも南ユイスト島方言では、発音は辞書にも載っているチェーヴェークであったし、a little lady をイメージしないし、何か小さく忍耐強い女性的名イメージのものを指すっていうこと。

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2006年10月13日 (金)

オーバン Oban

これも、地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。この地名の解釈は、ほぼ一つしかないと言っていい状態であり、モルトウイスキー大全の解釈と他の文献の解釈にほとんど差はない。

解釈例
1)ゲール語で、小さな湾 モルトウイスキー大全にはつづりがない
  他の文献などには Oban や定冠詞をつけた An t-Oban などが見られる

原出典1-1)~1-7)をあげたが、ほぼ同じ解釈と言ってよいことがわかっていただけると思う。ただ、1-3)だけ、定冠詞付きの説明がしてあり、本来は、地域名をつけて呼ばれていたことを説明している。つまり、ノース語由来でゲール語に取り込まれた Oban(小さい湾)は本当はあちこちにあって、どこどこの Oban と言わないと通じない時代があったということなのだろう。

また、ここでは示さなかったが、1-4)には、ob の元になったノース語 hop には、湾という意味に加えて、避難場所という意味もあったそうである。外海に直接面していないオーバンはその意味でも当たっていたのであろう。

原出典は以下の通り
1-1)ゲール語で「小さな湾」
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P202-203.

1-2)"Little Bay"
  Ob (Scottish Gaelic from Old Norse "hop" which means bay or inlet) an (Scottish Gaelic - little).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1-3)Oban (Argyll), An t-Oban.
  "The little bay". The full name is An t-Oban Latharnach, "little bay of Lorne".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

1-4)'little bay' または 'inner bay'
  ob はノース語の hop に由来するが、ゲール語に取り込まれた。小さいという意味で an がついた。
  David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1979年 P49.

1-5)'Little Bay(oban, diminutive of ob)'
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P219.

1-6)'Little bay'.Ob(Scottish Gaelic )'bay',from Old Norse hop;-an(Scottish Gaelic diminutive suffix)'little'.
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P168.

1-7)'Little bay'.Ob(Scottish Gaelic )'bay',from Old Norse hop;-an(Scottish Gaelic diminutive suffix)'little'.
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P71.

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2006年10月11日 (水)

モートラック Mortlach

蒸留所のゲール語解読も結構な蓄積ができてきた。
さて、Mortlach。これも地名であり、蒸留所名・ウイスキーのブランド名である。
わたしの手元の7冊のスコットランド地名本の中でも2冊にしかこの名前が載っていない。モルトウイスキー大全を作るときも結構苦労したのではないかと思うが、ゲール語のつづりは載っていない。

解釈例
1)ゲール語で、椀状のくぼ地 モルトウイスキー大全にはつづりなし
2)ゲール語で、大きな緑の丘 Morthlach  モーラッハ
3)ゲール語で、大きな丘   Mor tulach モー(ル)ツラッハ

1)の「椀状のくぼ地」という解釈は、ネット上の検索でも見つけられなかったし、どんなつづりから来たのかわからない。椀を英語で bowl とすると、それに対応したゲール語は Bobhla(ボーラ)と辞書にでているが、これが Mortlach のようになるとは思えないしなぁ。

2)の「大きな緑の丘」という解釈は、スコットランド議会サイトにあったものである。ただし、大きな(mor)という部分が最初にくるのが弱点の解釈である。また、どの部分が緑でどの部分が丘なのかが結局わからなかった。

3)の「大きな丘」にしても、前に大きな(mor)がくるのが弱点と言える。ただ、丘というのはtulach であるとはっきりわかる。これは PeatFreak のサイトにもでているし、2冊の地名本にもでている解釈である。

たしかにわかりやすいが、一つだけ気になっている点がある。
それは、2)にも言えることであるが、形容詞を前に持ってきてその後に名詞を持ってくるときにはそれが強調されるときであり、後の名詞を Lenition(Aspiration)させるというルールがある。すると本来は、Mor+tulach ではなく、Mor Thulach となるはずなのだ。発音もモーウラッハのように変わるはず(そう思うと、2)のつづりはuが抜けているけど、結構近いよね~)。

一応、ここでは3)の解釈を押しておくけれど、納得できない部分もあるのは上に書いたとおり。

原出典
1)椀状のくぼ地 ゲール語のつづりはない
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P198-199.

2)Mortlach (Banff), Morthlach.
  "Big green hill".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

3-1)"Big Hill"
  Mor (Scottish Gaelic - big) ulach (Scottish Gaelic - hill).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

3-2)"Big Hill"
  Mor (Scottish Gaelic - big) ulach (Scottish Gaelic - hill).
 (明らかなミスタイプも同じ場所にあることから3-1)のネタ本とわかる。)
    George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P67.

3-3)'Big hill', from Scottish Gaelic mor,'big', and tulach, 'hill'.
    Noted in 1157 as Murthilloch.
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P160.

辞書サイト http://www.ceantar.org/Dicts/MF2/index.html
tulach nm. g.v. -aich; pl. -aichean, hillock

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2006年10月 6日 (金)

マノックモア Mannochmore

これは、正確には地名ではなく蒸留所の名前である。それ故、本来は名前を付けた人に聞いてみないと由来はわからないかもしれない。
モルトウイスキー大全では、大きな丘と訳しているが、かなり疑問のある訳である。

解釈例
1)ゲール語で、大きな丘 モルトウイスキー大全につづりなし
2)ゲール語で、修道士の場所 Mannoch mor
3)ゲール語で、偉大な修道士 Manach mor

1)は、例によってつづりがあげられていないため、どうやって解釈したかわからない。モルトウイスキー大全には、マノックヒルにちなんでつけられた名前であるということが書いてあるので、mannoch そのものあるいはそれに近いつづりで”丘”を意味する単語と勘違いした可能性がある。ただ、わたしはその単語がわからない。

2)PeatFreakにあった解釈がこれ。The Place of Monks という英訳をしている。元々のゲール語の意味を Mannoch mor とあげてあるが、mannoch はゲール語ではないと思し、Placeという意味はどこにもないように感じる。

3)自分なりに納得できる訳とゲール語のつづりをあげておく。
 Mannoch hill は、ゲール語では Cnoc nam Manach とつづられ、Monks' hill(修道士の丘)だということが参考サイトの1と2)からわかってもらえると思う。Mannoch はゲール語では Manach とつづられ、修道士 monk という意味であることもわかるだろう。
 あとは、これに mor をつければゲール語の名前の完成である。体格のいい「大きな修道士」という意味と「偉大な修道士」の二通りの解釈が可能と思うが、蒸留所の名前としては「偉大な修道士」の方がかっこいいのではないだろうか。ということで、わたしはこの解釈を押しておきたい。

原出典
1)大きな丘(マノックヒルからつけられた)  ゲール語のつづりはない
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P192-193.

2)"The Place of the Monks"
  Mannoch (Scottish Gaelic - big) mor (Scottish Gaelic - big).
  これは、次のようなミスタイプと思われる。 
  Mannoch (Scottish Gaelic - Monk) mor (Scottish Gaelic - big).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

参考サイト
1)マノックヒルを修道士の丘としているもの
  Mannoch Hill at the head of Nethan is for Cnoc nam Manach, 'monks' hill,' close to it is Priest Hill.
    http://www.st-andrews.ac.uk/institutes/sassi/spns/watsas.htm

2)マノックヒルのゲール語つづり(辞書サイト)
  Mannoch Hill : Cnoc nam Manach 
  http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

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2006年10月 4日 (水)

ロイヤルロッホナガー Royal Lochnagar

ロッホナガーは山の名前であるが、これは麓にその名前の湖があることからつけられたもので、湖の名前をもつ珍しい山として知られている。
蒸留所・ウイスキーの名前であったが、ヴィクトリア女王の訪問以来空白期間がわずかにあるものの、royal とつけられることが許された蒸留所・ウイスキーということになっている。

royalは簡単であるが、lochnagar は意外と難しい。有力な説が二つあるから。
モルトウイスキー大全では、一つの解釈しか紹介していないが、Watson の解釈などからみても、もう一つの説もかなり有力であると考えている。

解釈例
1)岩の露出した湖  モルトウイスキー大全にはつづりなし
           Loch na Gaire ロッホナガーレ
2)騒々しい湖あるいは笑い声の湖 Loch na Gaire ロッホナガーレ

1)岩の露出した湖から見ていこう。
 これは、湖にいくつか突き出ている岩があることをみたまま名前を付けたとしている説である。これはこれなりに説得力のある説だと考えている。しかしながら、Gaire や Gair などに突き出た岩という意味をわたしは見つけられなかった。これがこの説の最大の弱点ではないかと考えているのだが、もしご存知の方がいらしたらそのつづりを教えて欲しいと思っている。

2)の説は、湖に突き出た岩があるために、笑い声にも聞こえる変な音がすることからつけられた名前ということになる。これも突き出た岩があって風が吹けばそのように聞こえるだろうし、それなりに説得力がある。そして、これは辞書サイトにも示したように、そのつづりもきちんと裏付けがとれるものである。
 わたしは現時点ではつづりの裏付けがあるこちらの説をとっておこうと思う。

原出典は以下の通り
1ー1)岩の露出した湖 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P214-125.

1-2)Loch of the outcrop : Loch na Gaire
  David Dorward 著 : Scotland's PLACE-NAMES 1979年 P8.

1-3)Loch of the outcrop : Loch na gaire
  Nicola Wood 著 : SCOTTISH PLACE NAMES 1989年 P59.

1-4)Loch(loch) of the (na) rocky outcrop(gaire, probably akin to garbh).
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P177.

2-1)"Loch of the Noise or Laughter"
  Loch (Scottish Gaelic - loch) na (Scottish Gaelic - of the) gaire (Scottish Gaelic - noise or laughter). The 'Royal' is by appointment of Queen Victoria.(明らかなミスタイプは修正してある)
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2-2)The same idea is seen in Lochnagar, in Gaelic Loch na Gaire, the loch of the outcry, with the reference to the howling of the wind among the rocks.
  William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P136.

2-3)Loch of the noise or laughter : Loch na gaire
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P61.

2-4)Loch of the noise or laughter : Loch na gaire
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P144.

辞書サイト
http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi
gaire nf.ind. a laugh

gair  a shout, outcry, Irish, Early Irish gair, Welsh gawr, clamor: *gari-; Greek @Ggc@nrus (Dor. @Gga@nrus), voice; root gar, ger, as in goir, q.v.

gair laugh, gaire, a laugh, Irish gairim, gaire, Early Irish gaire (n.); from root gar, as in gair. Stokes give the stem as *gasria, and cfs. Sanskrit hasra, laughing, has, laugh.

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2006年9月30日 (土)

ラガヴーリン Lagavulin

ラガヴーリンは、もちろん地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。
これは以前に簡単に書いたことがあるのだが、もう一度、きちんと文献を引用して、書いておこうと思う。

つづりこそ書いていないがモルトウイスキー大全はそれらしいゲール語訳を載せている。

解釈例
1)水車小屋のあるくぼ地  モルトウイスキー大全にはつづりなし
2)粉挽き小屋があるくぼ地 Lag a' Mhuilinn ラガヴーリン

1)はゲール語のつづりが明記されていないが、おそらく2)と同じつづりだろう。
これを解釈するのは簡単で、Lag くぼ地 と muileann 粉ひき小屋 の二つがわかって、muileann の定冠詞付き属格が a' mhuilinn とわかればおしまいである。正確な意味は、「その粉ひき小屋があるそのくぼ地」ということである。Lag に定冠詞がつかないのは何度も説明したが、もう一度説明すると、例えば、the gate of the park というような場合には、最初の the に相当する定冠詞を省くのがゲール語文法なのである。それ故、An Lag a' mhuilinn などのようにはならないという点に注意が必要であるとともに、英訳する場合には、Lag に定冠詞がついていなくても、定冠詞があるように訳すべきなのである。つまり、正しい英訳は the hollow of the mill である。David Ross や Mike Darton らの記述には正確さがかけるように思う(原出典2-1~5の全部)。

英語の mill やゲール語の muileann は、水車小屋と訳す例もあるようでるが、これは必ずしも正しくはない。というのも、mill や muileann は粉挽きをするところであり、その動力が水車の場合は水車という訳でもよいだろうけれど、動力は風車でも人力でも牛力でも馬力でもなんでも、粉をひけば mill なのである。語源から見ても明らかで、英語の mill の語源はラテン語の mola であり、粉をひくために回す石臼なのである。逆に言えば、水車でも単に川から水をくみ上げるような水車は、mill や muileann ではないのである。

原出典は以下の通り
1)水車小屋のあるくぼ地 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P174-175.

2-1)"Hollow by the Mill"
  Lag (Scottish Gaelic - hollow) a'mhuilinn (Scottish Gaelic - by the mill).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2-2)Hollow by the mill : Lag 'a mhuilinn
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P134.

2-3)Hollow by the mill : Lag 'a mhuilinn
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P57.

2-4)Lagavulin (Islay), Lag a' Mhuilinn.
  "Hollow of the mill"
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

2-5)Hollow of the mill : Lag 'a mhuilinn
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P168.

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2006年9月28日 (木)

Tè bheag でいいたかったこと

わたしの書き方が悪かったためかかみ合わない議論になってしまったが、自分が言いたかったことを図にまとめた。
te bheag は基本的には、小柄な女性という意味のため、かわいいお嬢さんも含まれるがそれは背の低い場合に限定されるってこと。背の高さが普通あるいは背が高いかわいいお嬢さんは含まれないわけです。 それよりも他に含まれる方がずっと多い訳です。その極一部だけを取り出して日本語訳をつけるのはいかがなものかと思っていたのです。

わたしがこだわっていたのはこんなことなのでした。Tebheag

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2006年9月27日 (水)

ラフロイグ Laphroaig

ラフロイグは地名であり、蒸留所名、ウイスキーのブランド名でもある。
これは以前に簡単に書いたことがあるが、きちんと文献を引用して書いておこうと思う。何しろ、自分でも解釈が解釈を変えた方がいいのではないかと思い始めている。

http://bailebeag.cocolog-nifty.com/scotland/2005/10/laphroaiglagavu_fa76.html

地名研究の本を読んでいる限りモルトウイスキー大全の解釈は正しくないと思えるが、それは著者の責任ばかりではない。ラフロイグのボトルをみると、the beautiful hollow of the broad bay という意味だということが書いてあるからである。しかし、少しでもスコットランドの地名に関する文献を読んだことがある人には、この蒸留所の解釈は地名研究者達には全く支持されていないこともすぐにわかるだろう。

解釈例
1)広い入り江の美しいくぼ地  モルトウイスキー大全にはつづりなし
  ラフロイグのボトルに the beautiful hollow by the broad bay と書いてある
2)大きな湾側のくぼ地 Lag a' mhor aig ラグァヴォライク
3)騒々しい湾 Labhar aig ラワーラク
4)洞窟のある谷間 Lag Fròig ラグフロ(イ)ク
5)昔 Freag と呼ばれていたことに由来する(詳細不明)

1)はモルトウイスキー大全にこそつづりが書いていないが、ウイスキーのボトルに書いてある解釈をそのまま書いてあるのだろう。ちなみに、ボトルを見た方はすぐにわかるだろうが、ゲール語のつづりはどこにも書いていない。”つづりが書いていない解釈はあやしい”というのが、このサイトの基本的なスタンスである。2)を見るとわかるが、「美しい」は蒸留所があとからつけた”自称”ではないかと思っている。

2)については、現在最も広く受け入れられている説だと思う。「美しい」がない「大きな湾の側のくぼ地」である。でも、つづりを見てもらえるとわかると思うが、Lag a' mhor aig で、ラグァヴォライクのように発音するのに、これがラフロイグに変わったと言われて納得できるだろうか?

3)は、うるさい(音がする)湾って意味になる Labhar aig 。これだと、ラワーラ(イ)クという感じの発音なので、まぁまぁラフロイグに近い発音になるだろう。ただし、これも形容詞が名詞の前に来ている点で不利な解釈だと思う。Mike Darton も3-3)で、この解釈は very tentative と書いていて、まだまだ思いつきの段階であることを告白している。

4)は、最近最も有力なのではないかと感じている説である。Fròg は、原出典では洞窟と訳しているが、辞書を引くと穴という意味がでてくる。すると、くぼ地に目立つような穴が開いていてつけられた名前だとしたら、とても自然な感じがある。fròg の属格が fròig もしくは fròige なので、発音も、ラグフロ(イ)クもしくはラグフロ(イ)ケとなって、1~3)のどれよりもラフロイグに近いと感じる。発音も近い、意味もゲール語の文法通りで自然に解釈できる。わたしの一押しはこれである。Lag fròig ラグフロ(イ)ク 「穴が開いているくぼ地」。

5)Freagも辞書にあたって見たが、これ以上は調べられなかった。

4)と5)にあげたサイトは、スコットランドでもゲール語を話す日本人として知られた茂木毅さんのサイトにあった解釈である。残念なことに原出典をあげられていないが、信頼性が高いのではないかと感じている。

原出典は以下の通り
1ー1)広い入り江の美しいくぼ地 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P174-175.

1-2)the beautiful hollow of the broad bay
  ライフロイグのボトルより

2-1)"Hollow by the Big Bay"
      Lag (Scottish Gaelic - hollow) a'mhor (Scottish Gaelic - by the big) aig (Scottish Gaelic - bay).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2-2)Hollow by the big bay  : Lag a'mhor aig
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P57.

2-3)Hollow by the big bay  : Lag a'mhor aig
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P136.

3-1)Loud bay  : Labhar aig
  George Mackay 著 : Scottish Place Names 2000年 P57.

3-2)Loud bay  : Labhar aig
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P136.

3-3)Possibly- but very tentative - 'Loud'(labhar) bay(corrupt form of Old Norse vagr)
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P169.

4)Lag Froig :洞窟のある谷間
  http://www.ne.jp/asahi/info/islay/i_maltindex.html

5)遙か昔このあたりを Freag と呼んでいたことに由来する
  http://www.ne.jp/asahi/info/islay/i_maltindex.html

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2006年9月22日 (金)

キニンヴィー Kininvie

地名にして、ウイスキーの蒸留所名にしてそのブランド名であるこの名前。
検索で簡単にヒットしたが、実はその中身は結構難しい。
モルトウイスキー大全にはこの解釈が載っていない。

解釈例
1)ゲール語で、白い平原の端 Ceann Fhinn Mhuighe キニンヴュー
2)同じ解釈でつづりが違うもの Cinn Fhinnmhuighe  キニンヴュー

ceann はケァンと読み、端や頭という意味である。fhinn はインと読み(fhはサイレント)、白いという意味の fionn が変化したものである。mhuighe については、平原を表す magh から由来すると思われるが、なかなか辞書では確認ができなかった。
下記の辞書サイトで、magh という意味から由来するという記事が別の単語の説明文中に現れている(参考サイトB)の記述参照のこと)。これによれば、初期のアイルランドゲール語のつづりだと思われる。

Ceann と Cinn については、同じ単語でもつづりが違うと考えておけばよい。beann と beinn のようなものである(どちらも山)。Fhinn Mhuighe と Fhinnmhuighe は、見たとおり一語で書くか二語で書くかの違いでしかなく、結局同じものをさしていることがわかるだろう。

原出典は以下の通り
1)Kininvie (Banff)
  This appears to be "the end of the fair plain", from Ceann Fhinn Mhuighe.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

1の続き)"The End of the Fair Plain"
  Ceann Fhinn Mhuighe.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)Kininvie Cinn Fhinnmhuighe
  辞書サイトの解釈である。意味は1)と一緒
  http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php
  

辞書サイト http://www.ceantar.org/Dicts/search.html
A)fionn  a. -a, white, fair

B)maigheach  a hare, Irish miol bhuidhe (for miol mhuighe), Early Irish mil maighe, "plain beast"; from mial and magh. The Gaelic is an adj. from magh: *mageco-, "campestris".

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2006年9月20日 (水)

ノックドゥ Knockdhu

これは英語名で Knock(ノック)、ゲール語名 Cnoc(クノック)という場所にある蒸留所名で、ウイスキーのブランド名でもある。地名ではないから地名研究本などにもその由来などは載っていないが、非常に簡単にそのゲール語の意味がわかる。
モルトウイスキー大全では、つづりこそあげられていないが、正しい意味を当てている。

解釈例
1)ゲール語で、黒い丘 モルトウイスキー大全につづりなし
2)ゲール語で、黒い丘 Cnoc dubh クノック ドゥ

これは、1)にはつづりがあげられていないが、2)にはつづりがある。
丘という意味の男性名詞 Cnoc(本当はクノクのノと最後のクの間に喉の奥からだすような音が入るけれどカタカナではかけない)に、黒いという意味の形容詞 dubh がついているのである。
繰り返すまでもないだろうが、ゲール語の通常の語順は、名詞を修飾する形容詞は、名詞の後におかれるのである。
あとは、これを英語風につづりをいじれば、Knockdhu のできあがりである。

原出典は以下の通り
1)黒い丘
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P170-171.

2)"Black Hill"
  Cnoc (Scottish Gaelic - hill) dubh (Scottish Gaelic - black)
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

辞書サイト
 http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

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2006年9月17日 (日)

ブレンディッドウイスキーで見つけた変なゲール語 tè bheag

なにげに見つけたウイスキーのサイトに、とても気になることが書いてあった。ブレンディッドウイスキーに Tè Bheag nan Eilean というのがあって、チェイ・ベックは”可愛いお嬢さん”の意味と書いてあったのだ。
このサイトの方に教えてもらったら(本当に丁寧に教えていただきました。ありがとうございます。)、確かに世界の名酒事典2006年版の52ページにそのように書いてあった。

  世界の名酒事典2006年版(講談社) ISBN 4-06-213102-1
  (この部分の担当は土屋守氏そのヒトである)

しかしである。読み方も意味も違うのだ。本当は、Tè の e の上には点がついているので、本来はチェーと読み bheag はベックというより、ヴェークのように発音するのである(小さいという意味の beag が女性名詞である tè を修飾するために bheag という形になっている)。さらに、nan Eilean は、ナン・エランと読む。全部あわせてチェーヴェークナンエランのようになる。厳密には”その島のその小さなもの”あるいは、”その島のその小柄な女性”という意味である。Tè は女性を指す場合には一般的には子供には使わない表現でもある。The Modern Gaelic-English Dictionary(Robert Owen著1993年)のP111には、tè bbeag で、ウイスキーあるいは 小さなもの、小さなヒト(small one)という説明まである。つまり、”小さなもの”が暗示しているのは”可愛いお嬢さん”ではなく、ウイスキーそのものであると言っているのである。

beag は可愛かろうか不細工であろうが、物理的に小さければ beag なので、tè を女の人という意味にするなら、この場合は可愛いお嬢さんかどうか判断する要素はなく、かつ tè にも若いかどうかを判断する要素がないので「小柄な女性(おばさんやおばぁさんかもしれない)」ということになる。

日本語に訳すなら「島の小さなもの(こと)」や「島の小柄な女性」だと商品名ぽくないし、「その島のウイスキー」では直接的なので、「その島の小さきもの=ウイスキー」なんて訳せばいいのではないかと思う。

モルトウイスキーの蒸留所シリーズがもし終わってもしばらくはゲール語とウイスキーで遊べそうな予感がしている(笑)。

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2006年9月16日 (土)

グレンファークラス再び

以前にグレンファークラス蒸留所のゲール語解読を行った
そのときに「緑の草原の谷間」というのがモルトウイスキー大全には紹介されているが、ゲール語のつづりがよくわからないということを書いた。

お酒の量販店である河内屋さんのサイトにグレンファークラス蒸留所「緑の草の生い茂る谷間(ゲール語のGLEANN-FEARENN-CLAS)」という記述があるのをみつけた。
河内屋さんに、これを書くのにあたって参考にした本などがあったら紹介してほしいというお願いをしたところ、かなり以前に作成されたことと担当が変わってしまってわからないが、代理店などに照会すればわかるのではないかということだった。

河内屋さんには、
○ホームページのあら探しをしているわけではない
○でも、GLEANN-FEARENN-CLASというのはゲール語のルールに反している
○蒸留所のゲール語とその解釈はよく間違って日本に紹介されている
○間違いが普及しているのをなんとかしたいと思っている
○グレンファークラスについては、そのゲール語のつづりは本当はよくわかっていない
○なにかのヒントになればと思うので、参考にした本などがあればぜひ教えてほしい
とお願いした。
返事の中で、そういったことであれば間違いはどんどん指摘してほしい、正しいゲール語の方を普及させたいということであった。立派だなぁ。今度からは河内屋で買うぞ、と決めたのであった。

さて、どうしようかと思ったが、グレンファークラス蒸留所に直接メールしてみた。このつづりを紹介している日本のサイトがあったが、これはつづりが違っていると思うと。そして、正しいつづりと意味を教えてもらえないかと。

返事はやってきた。
1)担当してくださった方が、現在のオーナーのグラント氏に聞いたところ、先代が1956年にエディンバラ大学のゲール語の教授に、グレンファークラスの意味を聞いて、それ以来、緑の草地の谷'Valley of the Green Grassland'という意味を使っているとのこと。
2)つづりは、完全にはわからないが、GLEANN-FEARENN-CLAS の FEARENN は、FEARANN の間違いだ
ということであった。

大きなヒントだった。ここで、Fearann は土地という意味で、属格は Fearainn である。Gleann はいまさら説明する必要はないだろう。ただし、clas というつづりで緑を意味する単語はゲール語にはないので、これを glas → ghlais としてやれば、 Gleann Fearainn Ghlais で、緑の土地の谷という意味ができあがる。glas は緑や青さらには灰色をも意味するゲール語の形容詞(名詞で使えば錠という意味もある)で、男性名詞である Fearann の属格 Fearainn を修飾するときには、ghlais と形を変える必要がある。

つまり、「緑の草原の谷間」という意味をあてた場合のグレンファークラスのゲール語は Gleann Fearainn Ghlais となることがわかったのだ。これならば文法的にも正しく、かつ意味も”緑の土地の谷”となるし、発音も「グレンフェーラングラシュ」(gh は、喉の奥から出す音)となって、まぁまぁグレンファークラスに聞こえるだろう。

ここまでやってみて、”Gleann Fearann Glas”でも検索をかけてみた。するといくつかのサイトがヒットして、Gleann-Fearann-Glas で緑の草地が茂る谷という趣旨のサイトがいくつか日本語でも見つかることがわかった。河内屋さんのは Glas と Clas も間違えていたことがわかった。
ただし、このつづりでは、単純に、谷・土地・緑の という単語を並べただけで、名詞の属格とその属格を修飾する形容詞の変化というゲール語文法の基本中の基本がすっぽりと抜けていることを記しておかなければなるまい。

これで非常にすっきりとした。感謝の意味を込めて河内屋さんにグレンファークラスを発注したのはいうまでもない(楽天は利用しないと決めているのでヤフーのサイトで注文した)。

ただし、「緑の草原の谷間」のゲール語つづりがわかったからといって、Glenfarclas という地名の本当の意味がわかったわけではないことに注意されたい。学者達が見解の一致は見ていないのは、前回の記事にあるままなのだ

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2006年9月15日 (金)

ノッカンドォ Knockando

これは、Morayshire にある蒸留所名で、もちろん地名である。しかし、Banffshire にはよく似た Knockandhu(Knockandu というつづりもあるが、ここでは Knockandhu を採用しておく)という地名があって、これが混同されているようであるので、そのあたりを記しておきたい。モルトウイスキー大全もこの混同による誤りを犯している。

解釈例
1)ゲール語で、小さな黒い丘あるいは小さな黒い塚 モルトウイスキー大全につづりなし
2)ゲール語で、市場の丘 Cnoc Cheannachd クノック ヒナッハト

まずは1)ではなく2)について説明する。
これは、スコットランド議会サイトの他に、3冊の地名研究本にも紹介されている説である。Knockando を Cnoc と cheannachd に分解している。前者は、丘という意味であり、後者は、英語で言えば、trade や commerse や merchandise という意味の ceannachd の属格 cheannachd である。つまり、交易などが行われていた丘ってことで、下記にあげた文献では、いずれも market hill や hill of market、market knoll などとしてあって、「市場がある丘」となる。

では、なぜこれを小さな黒い丘や小さな黒い塚などと間違えてしまうのだろうか。
これは、Knockando 蒸留所がある Morayshire ではなく、Banffshire にある Tamanavulin 蒸留所のそばの Knockandhu と混同しているからである。このつづりは、下記参考サイトにあげたように解釈できるので、丘 Cnoc に小さいという接尾辞 an がついて、Cnocan となり、黒いという意味の dubh がついて、黒い小さな丘という意味になる。

Knockando と Knockandhu は別物と覚えておいて、蒸留所の方は、交易の丘 → 市場の丘 と覚えておこう。

原出典は以下の通り
1)小さな黒い丘あるいは小さな黒い塚
 土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P168-169.

2-1)Knockando (Moray), Cnoc Cheannachd.
  "Market hill".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

2-2)Hill of the market : Cnoc cheannachd
    1685年には、Knockandoch というつづりが見られる
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P133.

2-3)Rounded hill of the market : cnoc cheannachd と同じつづり
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P207.

2-4)market knoll : cnoc cheannachd
  David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1979年 P48.

参考)
  Knockandu (Banff), An Cnocan Dubh.(地図には Knockandhu とある)
  "The black hillock".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

Knockandodhu

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2006年9月 9日 (土)

アイル・オブ・ジュラ Isle of Jura

地名にして、ウイスキーの蒸留所名にしてそのブランド名であるこの名前。調べる前には「鹿の島」で簡単に終わると思っていた。調べた後には、学者ってのは本当によく調べているものだなぁと実感。

解釈例
1)ノース語で、鹿の島 モルトウイスキー大全にはつづりなし
        jur ey もしくは dyr-ey というつづりが地名研究者の本には見られる
2)ノース語で、Doirad の島 Doirad は人名 ey がノース語の「島」
3)2)の解釈をゲール語とするもの  Diura ジュラ Doirad's eilean

1)のノース語で、鹿の島としている解釈は少なくない模様。この点では、モルトウイスキー大全もきちんと調べている(笑)。スコットランド議会サイトと下記の2,3)の2冊の地名研究本につづりと意味が紹介されている。

2)と3)の人名 Doirad の島についても、PeatFreakと2冊の地名研究本に紹介されている解釈である。ただし、ノース語の人名なのかゲール語の人名なのかはよくわからなかった。それでも、Doiradが、当時のゲール語で「Broken Hearted」を意味した人名なんてのが結構魅力的だなぁと思う(下記8)を参照されたい)。ただ、現代ゲール語では Doirad というのは、ルールに反したつづりとなっているので、注意も必要である(やはりノース語が有利かも)。

どれが正しいかなんてのは、もちろんわたしが答えられるはずがないが、この島はヴァイキング以前にゲール族もしくはスコット族が住んでいた島であることと7)と8)にあるように7世紀には Doirad Eilinn という記述があったことを考えれば、個人的には「Doirad の島」説が有力ではないかと考えている。8)の文献には何世紀にも渡って変化をし続けた上に、古いノース語の djur と ey の影響を受けて、Jura になったのだろう書いてあって、結構説得力があると考えている。

原出典は以下の通り
1)鹿の島 ノース語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P162-163.

2)Jura, Diura.
  "Deer island", from Norse. The island's byname is An t-Eilean Ban, "the blessed island", wherein ban has had its usual meaning of "fair" or "white" extended . A local person is a Diurach but would also have had the nickname each, "horse" attached.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

3)Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P154.
  Doirad's Island と言われてるが間違いであると解釈例2)の説を否定している本。
  その上で、ノース語 djur ey で 鹿の島 としている。

4)William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P69.
  ey はノース語で島 dyr-ey は deer-isle 鹿の島
  1386年にその記述あり。

5)"Doirad's Island"
  Doirad (Norse personal name, meaning deer) ey (Old Norse - island).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

6)David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1979年 P.16.
  Jura は Doirad's isle .

7)Divid Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P118.
  Doirad(ゲール語の人名) Island(ノース語 ey)で Doirad's Island
    678年には Doirad Eilinn という記述があるので、ノース語 ey は、
  ゲール語 Eilinn(島)を当てたのだろうという記述あり。

8)JURA (in the old county of Argyll (Hebrides))
  NAME ON MAP: Dure DATE: 1335 EARLIEST RECORD: Doirad Eilinn DATE: 678 MEANING: the earliest record, from The Annals of Ulster, would be GOIDELIC Doirad's eilean `island'. The personal name could have meant `broken hearted'. The name has contracted over the centuries and may mave been influenced by OLD NORSE djur `deer' and ey `island'.
  http://www.gwp.enta.net/scothist.htm

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2006年9月 7日 (木)

アイル・オヴ・アラン Isle of Arran

これも地名であって、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。
この名前もモルトウイスキー大全には解説がない。

解釈例
1)ブリソニック系ケルト語由来のゲール語で、高さ、とがった丘 Arainn アラン

この島の名前の由来が記されていたのは、わたしが入手できたところでは、下記の4つ。説はひとつで、最後の文献には、よくわからない由来であると書いてあった。結構難しいのかもしれない。

しかし、PeatFreakとそのネタ本の記述ははっきりしていて、ブリソニック系のケルト語(Ross は、はっきりとカンブリア語とまで書いている)の aran(高さ)に由来するとしている。
この島は、山のように高い形をしているそうなので、それとも矛盾しないし、すっきりとした説明である。
これには Darton もカンブリア語と明記はしていないがブリソニック系ケルト語由来と説明しているので、こちらも同意しているのだろう。

最後に、スコットランド議会サイトからの引用では、この由来はよくわかっていないとはっきりと書いてあることも頭に置いておきたい。

原出典は以下の通り
1)"Place of Peaked Hills"
  Aran (Brythonic - peaked hill), very early Gaelic name, and the translation is not sure. ネタ本は2)
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)現代ゲール語のつづりはArrain
  カンブリア語 aran "height, peaked hill"(高さ、とがった丘)に由来する。
  アイルランドのアラン島(aran)は、腎臓の形に似ていることからその名前がついたとも説明してある。
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P15.

3)ブリソン語由来のゲール語 aran がもとになった、意味は”Height(高さ)
  ゲール語では”高い”という意味の ard にも関係している。
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P20.

4)Arran, Arainn.
 This name is unclear and is said to be unrelated to the name "Aran" in Ireland which is Arainn with a long initial "a". However, if the names are linked they mean "kidney shaped". 以下略
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesA-B.pdf

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2006年9月 6日 (水)

インヴァーレーヴン Inverleven

これも地名であって、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。
この名前もモルトウイスキー大全では、レーヴン川の河口としてある。
実は、これを解釈するのはあまりやさしくない。
また、なぜかPeatFreakにもスコットランド議会サイトにもこのInverlevenの解釈はない。

解釈例
1)レーヴン川の河口  モルトウイスキー大全にはつづりなし
2)ニレの木の川の河口 Inbhir Leamhain インヴァー レーヴァン
3)洪水の川の河口     Inbhir Liobhann インヴァーリーヴァン ゲール語以外のケルト語由来

1)の解釈は、ここでは議論する必要があるまい。

2)の解釈は、Leven を Leamhan と解釈して、英語で elm =ニレの木とするものである。この解釈の弱点は、Leven という川はスコットランドに3本あり、そのすべてがニレの木とするのに無理がある点である。わたしもこの説には賛成しがたい。

3)の解釈は、ゲール語以外のケルト系言語由来とするもので、Limo-という古いケルト語の語幹から由来したのではないかとするもので、これは”洪水”を意味するそうだ。

わたしは、3本あるLeven川を共通して説明するのに、この”洪水”という意味が元になっているというのは非常に有力であると感じている。

原出典は以下の通り
1)レーヴン川の河口 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P158-159.

2)Inbhir Leamhain Leamhan は elm=ニレの木で、属格が Leamhain、Inbhir は河口
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P140.

3)英語で elm の意味の leamhan から由来したとは思われない。古いゲール語の”洪水”に由来している。
  Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P173.

3の続き)古いケルト語の Limo-”洪水”に由来する。ウェールズ語llif、コーンウォール語 lyf
  W.F.H. Nicolaisen 著: Scottish Place-Names New Editon  2001年 P228.

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2006年9月 4日 (月)

グレンアギー Glenugie

これは正確には地名ではなく、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。モルトウイスキー大全にはアギー川からつけられたものだが、アギー川からは離れていてインヴァネッティ村の近くにあり、インヴァネッティ蒸留所とはじめのことは呼ばれていたという解説がある。

解釈例
1)アギー川からつけられた モルトウイスキー大全にはつづりなし 
2)くぼみまたは引っ込んだところがある川の谷 
   Gleann Ugeach   グレンウガッハ(誤)
   Gleann Uigeach  グレンウゲッハ(正)
  (誤)はPeatFreakに載っているつづりで、(正)はそのネタ本にでているつづりである

1)のアギー川からつけられたというのは、ゲール語の意味という意味ではなんのヒントにもならない。

2)の「くぼみまたは引っ込んだところがある川の谷」については、ノース語で同様の意味を持つ vik がゲール語に取り込まれ uig になって、さらにそれが形容詞形になったものである。このつづりは、スカイ島北部にある Uig という地名にそのまま現れており”湾”という意味にもなった。
Ugie という川は、曲がりくねっているので、このような名前になったのではないかと提案されている解釈である。

また、この蒸留所がある Peterhead は地元でゲール語を話す人々の間では、Inbhir Uigidh(アギー川の河口という名前で呼ばれていたそうである(参考サイト)。このことから、現代ゲール語では、Gleann Uigidh とつづるべきであることもわかる(あくまでも Gleann Uigeach は、元の意味を解釈するために引っ張りだしたものある)。

もう閉鎖された蒸留所で、再生産することはないだろうということがモルトウイスキー大全には書いてあるが、意味がわかったこともあってちと寂しい話だと感じる。

原出典は以下の通り
1)アギー川からつけられた
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P148-149.

2)"Glen of the ugie"
   Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) ugeach (Scottish Gaelic - nook or hollow).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2のに続き)David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P216.
  PeatFreakのネタ本。ほぼ同じ記述があるが、きちんとGleann Uigeach と書いてある。

参考サイト
 Inverugie (Aberdeen), Inbhir Uigidh.
"The mouth of the Ugie". Inbhir Uigidh is the name of Peterhead in eastern Gaelic dialects.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

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2006年9月 3日 (日)

グレンタレット Glenturret

これは地名、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。モルトウイスキー大全にはタレット川の谷という解説があるが、これでは役に立たない(訳になっていない)。
調べてみると、同じような解釈で比較的簡単だった。このぐらい調べたらいいのに。

解釈例
1)ゲール語で、タレット川の谷 モルトウイスキー大全にはつづりなし 
2)ゲール語で、乾いた小さな川の谷 Gleann Turraid グレン ツラッチ(この最後のチはとても書くのが難しいのでこれで許して)
3)ゲール語で、乾いた川の谷 Gleann Turraid グレン ツラッチ

1)のタレット川の谷というのは、議論する価値がないのでおいておく。

2)の「乾いた小さな川の谷」について前に turret は、川の名前と谷の名前だということを覚えておこう。この川の名前だといういうのが大事なのだ。
 tur は乾いたという意味で、夏になって降水量が減り川が干上がってしまうことがあったからつけられた名前だろうということである。
 さらに2)と2)の続きにあげてある原出典では、thatを”小さな”という意味の接尾辞であるとして、tur-that と続けて小さな乾いた川だとしている。しかしながら、この接尾辞をわたしはゲール語の辞書で見つけられなかった。この解釈がいまいちかもと思う理由はこれである。
ただ、turthat とつづりれば、ゲール語でツラットと読めるようになる。
 もともとは、Gleann turthat というつづりということになる(Gleann Turraid は現代ゲール語のつづりである)。

3)の解釈も基本的は、2)の解釈に同じようなもので、tur が”乾いた”という意味だというところまで同じである。3)の続きにあげた文献には、2)とは違う考え方が説明されている。tur-entia とつなげているのだ。これで、”乾いたもの”というような意味になる。この -entia については、グレンリベットのところでもでてきた。ただし、turentia では、ツレンシャのような発音になるため、タレットやツラッチのように聞こえないのが弱点だと思える。

発音上有利なのは2)の解釈、意味的に有利な解釈は3)ってところだろう。

原出典は以下の通り
1)タレット川の谷
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P146-147.

2)"Glen of the Little Dry Stream"
  Tur (Scottish Gaelic - dry) that suffix indicating small. Meaning the stream dries up in summer.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2のに続き)David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P216.
  PeatFreakのネタ本。ほぼ同じ記述がある。

3)Gleann Turraid
  "The glen of the dry river", one which shrinks in volume in summer.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

3の続き)tur-entia
  tur は乾いたという意味で、tur-entia で”乾いたもの”
  William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P125-126.

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2006年9月 2日 (土)

インチガワー Inchgower

この蒸留所名は、モルトウイスキー大全では解説があるが、Peatfreakやスコットランド議会サイトなどには解説がない。また、地名研究本の何冊かにもあたったが地名の解説にもない。
この蒸留所名解読については、全面的にではないけれどモルトウイスキー大全に賛成できている自分に驚いている(笑)。

解釈例
1)川のそばの山羊の放牧地  モルトウイスキー大全にはつづりなし

2)山羊がいる草地(独自解釈というか一般的な意味) 
  ゲール語のつづりと発音は Innis gaibhre イニシュガレ(辞書サイト参照)

1)と2)の解釈は違うように見えるが実は、ほとんど同じなのだ。モルトウイスキー大全の著者も2)と同じ Innis gaibhre にたどり着いて、解釈したものと思われる。
まず、単語を説明しよう。
innis は、辞書サイトにもあるように島という意味とそこから派生した「草地」さらに派生した「放牧地」などの意味がある。一般的に英語名でInch~となっている場合には、それに相当するゲール語は Innis である。これを覚えていくとよい。つまり、英語名で Inch がきたら、島か草地なのだ。
山羊を意味するゲール語は、女性名詞 gabhar であるが、もう何度も説明したけれど属格に変化してgaibhre になっている。
この二つを組み合わせて、Innis gaibhre イニシュガレのように発音する。

これで基本的な意味としては、山羊がいる草地あるいは放牧地という意味になる。
「川のそばの」がついているかいないかの違いでしかないが、これは、この草地が形成されるためにこの川が果たした役割が大きければ、その解釈もあり得るだろうと思うから。事実、地図を見ると、この蒸留所そばには草地があって(地図では、山羊がいたかどうかはわからない(笑))、その脇には小さな川があった。
「川のそばの山羊の放牧地」は一般的な解釈ではないが、この特定の蒸留所名としてはそんなに悪くないと感じる。
もし、一般的な意味を問われたら、わたしは「山羊のいる草地」あるいは「山羊の放牧地」と答えるけれど。

この地名の要素については、下記の参考サイトをご覧いただきたい。英語ではあるが、Inchgowerを解釈するのに十分な情報が得られる。それを見ても「川のそばの」という意味は直接でてこないこともわかるだろう。

原出典は以下の通り
1)川のそばの山羊の放牧地 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P156-157.

辞書サイト http://www.ceantar.org/Dicts/MF2/index.html
innis  nf. g. innse; pl. innsean, island, grazing field
gabhar  nf. g. gaibhre; d. -air; pl. -air, goat

参考サイト
http://www.ordnancesurvey.co.uk/oswebsite/freefun/didyouknow/placenames/Gaelic_guide.pdf

要素  gobhar nmf gobhair, goibhre g gobhair, goibhrean pl
意味  goat (山羊)
地名例 Allt na Goibhre(山羊がそばにいる川)

要素  inch
意味  anglicised form of innis
地名例 Inchmore(大きな島 あるいは 大きな草地)

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2006年9月 1日 (金)

またゲール語の辞書買った

新しいゲール語の辞書を買った。これまでの辞書より発音と文法事項に配慮した辞書になっている。
  THE MODERN GAELIC-ENGLISH DICTIONARY
  Robert C. OWEN
  ペーパーバック: 139ページ
  出版社: GAIRM(1993年)
  ISBN 1-871901-29-4
  価格:7.5英ポンド(でもね、この値段では買えず結構高かったの)
以前から使っていた3冊に加えてこれで辞書4冊体制になった。
この辞書の最大の特徴は、単語の発音が書いてあること。英語の辞書になじんだ方には当然のように思える発音が書いてある辞書というのは、ゲール語の場合珍しいのである。
しかも、その発音が発音記号ではなく、英語の発音に基づいているのである。
例えば、家という意味の taigh についてはその発音が tahee と書いてあって、タ(-)イーのように発音することがわかるのである。
また、辞書の後半には文法書のように単語の時制変化などについて説明があるのもうれしい。しばらくこの辞書で遊べそうである。
Moderngaelicenglishdic

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2006年8月30日 (水)

グレンスペイ Glen Spey

これは蒸留所名、ウイスキーのブランド名で、具体的な地名ではない。
そのためもあるのだろうが、モルトウイスキー大全には、この名前は解説されていない。
ここでは、有名な Spey 川にちなんだ名前であるので、Spey川についての解釈を紹介しておく。
glen についてはもはや解説するまでもないだろう。

Spey の解釈例
1)ケルト系以前の言葉のためわからない
2)サンザシ川 ブリソン語+ケルト系以前言葉の合成(詳しくは3,4)を参照)

Dorward や Nicolaisen の本には、ケルト系言語以前の言語による名前のため Spey の語源はわからないと書いてある。率直な見解かと思う。

それでも、何とか語源をつきとめようと研究は進んでいるようで、わからないとしながらもブリソン語とそれ以前の言語の組み合わせの解釈が提案されているそうだ。それが、3,4)の解釈である。PeatFreakはそのサイトの下の方に参考文献として4)の David Ross の本をあげているので、下記の3,4)は同じ解釈である。

サンザシは小さな実をつける植物であるが、下記サイトなどによれば、スペイ川周辺によく見られる植物というよりは英国南部の方によく見られるようであり、この解釈の妥当性を今判断できる要素がない。
http://www.bbc.co.uk/nature/animals/wildbritain/springwatch/record/hawthorn.shtml

原出典は以下の通り
1)David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1979年 P.xiii(前書きのためのページ)
  Spey 川と Tweed 川の語源は、enigma である(つまりわからないってこと)

2)W.F.H. Nicolaisen 著: Scottish Place-Names New Editon  2001年 P246.
  Spey川の語源は、ケルト語以前のためわからない。今後の研究に期待する、と書いてある。

3)Exact translation of spey is not known. Spiathan (old Scottish Gaelic - thorn) and yspyddad (Brythonic - hawthorn), and also squeas (pre Celtic - vomit or gush) with the -an ending has been suggested.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

4)たぶん3)のネタ本 
  David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P200.
  語源はよくわからないと前置きしてから、サンザシ(植物の名前)川が提案されていると紹介している。ブリソック系言語で、サンザシ=hawthorn(英語)を指すのが、yspyddad(読めない。。。)であり、これとケルト以前の言語の語幹squeas(英語ではvomit、gushという意味で、激しく噴出するの意)組み合わせたもの。

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2006年8月26日 (土)

グレンスコシア Glen Scotia

地名ではなく、蒸留所名であり、シングルモルトウイスキーのブランドとなっている。
具体的な地名でないためなのかモルトウイスキー大全には、解釈が載っていない。
ここでは、PeatFreakの解釈をあげておこう。そんなに難しいことではない。

解釈例
1)スコット族の谷  Gleann Scotia グレンスコーシア

単語の後につく ia は地名などにつく接尾辞である。ラテン語などにも見られ、カナダの Nova Scotia 州は、ラテン語で”新スコットランド”という意味である。
かつて、アイルランドからスコットランドにやってきてスコットランドという国名にもなっているスコット族にちなんでつけられたか、スコットランドを代表する気持ちをもって、スコットランドという国名の谷という名前をつけたのではないかと思われる。

正確には、命名者でなければわからないだろうけれど。

ちなみに、オフィシャル12年は結構うまかったなあ(完全な蛇足 m(_._)m)

原出典は以下の通り
1)"Glen of the Scots"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) scoti is the original name for the immigrants who came from Northern Ireland.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

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2006年8月25日 (金)

ティーニニック Teaninich

これも地名、蒸留所名、ウイスキーのブランド名である。
結構わかりやすいゲール語なのに、モルトウイスキー大全は不思議な訳をしているのが確認できたので、書いておくことにする。

解釈例
1)川のほとりの家  モルトウイスキー大全にはつづりなし
2)荒れ地にある家  Taigh an Aonaich タイァンアーナヒ
3)市場もしくは集会所そばの家  Tigh an Aonaich ティァナーナヒ

1)はゲール語のつづりがないので、どんなつづりの元からこんな間違いを犯したのかわからない。

2と3)の解釈にある”家”という意味の taigh と tigh は、地方によってつづりが違うだけで同じものである。つまり2)も3)同じつづりなのに解釈が違うのである。

これは、Aonach に「市場、集会所」という意味と「moor(荒れ地)」という意味があるからである。それが「~の」という意味を表すために定冠詞付き属格になって an Aonaich( 主格なら an t-Aonach )に形が変わっている。

2)と3)のどちらが正しいかについては、ここでは判断しがたい。ただし、学者の有名さ加減で決めれば、3)の説になる。1)は論外に間違っているのだけは確かであるが。

原出典は以下の通り
1)川のほとりの家 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P238-239.

2)"The House on the Moor"
  Taigh (Scottish Gaelic - house) an Aonaich (Scottish Gaelic - large area or moorland).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2の続き)Teaninich (Ross), Taigh an Aonaich.
  "The house on the moor".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

3)William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P224.
  ゲール語で Tigh an Aonaich 「house of the market or assembly」
  市場もしくは集会所そばの家

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2006年8月23日 (水)

グレンロセス Glenrothes

グレンロセスは蒸留所名でウイスキーのブランド名である。グレンロセスという地名はないが、Rothesは地名。モルトウイスキー大全には、この名前の解釈は載っていない。

解釈例
1)丸い形の砦がある谷 Gleann Rathes(ちょっとつづりがへん)

Rothesは”丸い形の砦”ということでよいと思う。下記にあげた2~4)の文献にもそのように書いてある。いまは廃墟となったRothes城が13世紀にたてられたが、それも以前には砦があった場所なのだそうだ。

ただし、PeatFreakのつづりには全く納得できない。ゲール語のつづりのルールに反している。スコットランド議会サイトのように、Rathais とするべきである。

ファイナルアンサーは、Gleann Rathais グレンラーシュで、丸い形の砦がある谷 だと思う。

原出典は以下の通り
1)Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) Modern name, Rothes was the family name of the earls who owned the land. Rathes is also Scottish Gaelic for ring-fort. In other words, another where it is not sure where the name originates from.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

以下は、Rothes のみの解釈
2)Rothes (Moray), Rathais.
  "Circular fort place".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

3)David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1979年 P.47
  Rath は circular fort で Rothes に見られる

4)David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P158.
  Ring Fort. 13世紀にたてられた城は、それ以前の砦の跡にたてられたもの。

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2006年8月22日 (火)

スコットランド地名研究本 6

スコットランドの地名の由来を研究した本の紹介シリーズその6である。

   書 名: SCOTTISH PLACE NAMES
   著 者: Nicola Wood
   出版社: Chambers ISBN:0-550-20053-3
   出版年: 1989年
   総ページ数:96ページ
   価 格: 2.50英ポンド

この本がスコットランドの地名の意味を知るためには、今回の6冊の中では、もっともできが悪い。簡単な地名の歴史の解説と各地の地名の簡単な解説がある。この解説は今回の6冊の中で最も簡単に見える。ページ数から見てわかるようにとても薄い本で、収録されている地名数も少なくかなり不満がある。安いがこの本よりは、こっちのほうがずっとよい。

今日この本はイギリスから届いたのだが、さっそくチェックしたぜ Craigellachie(笑)。だって、モルトウイスキー大全では、たった2冊しかあげられていないスコットランド地名の英語で書かれた参考文献のうちの1冊なのだ。

Craigellachie 'stony crag' creag(Gaelic) crag; eiligh(Gaelic) stony. 21ページ。

どうだろう、”石ころが多い場所の大きな岩”じゃなく”無情な大きな岩”って訳したくなるでしょ?(笑)。こうやって誤訳は生まれていくんだなぁって確信しちゃった。

参考文献は選ばなければならないと再認識したのであった。この本は読まなくても大丈夫なゲール語地名本の一つだと思う。

↓ 薄い本だということがすぐにわかるように比べてみた(笑)。

Scottishpn_1

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2006年8月21日 (月)

”無情に突き出た大岩”ができるまで(仮説)

以前、Craigellachieについては、「石が多い場所の岩」という意味だろうと書いた

また、モルトウイスキー大全には「無情に突き出た大岩」と書いてあっても信用する気にはなれないとも書いた。

でも、とても地名とは思えないこの解釈がどうやったらできちゃうんだろうとずっと気になっていた。

んで、ひょっとしたら些細な”誤訳”が元になっているかもしれないと思いついてしまった。思いついてしまったら書くのをやめられなかった(笑)。

今はクレイゲラヒのゲール語のつづりを Creag Eileachaidh としておく。そして、英語の意味が、PeatFreakのサイトのように"Rock of the Stony Place" と書いてあったとしよう。
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

そこで、ゲール語の地名は、「descriptive(描写しているような)である」ということを知らないとしよう。"descriptive"と知っている人はあまり考えずに「石の多い場所の岩」のように訳すだろうから。

そうではない場合、stony には”石ころだらけの”という意味の他に、"cold and unfeeling"(Compact Oxford English Dictionary)という意味もあることから、”無情な”という単語を引っ張り出してきてしまう可能性もある。

”無情な場所の大岩”ではかっこ悪いので、もう一段加工して”無情に突き出た大岩”に”意訳”したのかもしれない。

つまり、”無情に突き出た大岩”という解釈に至った理由は stony を”石ころだらけの”ではなく”無情な”という意味に理解したことにあるんじゃないかってこと。

これが当たっていないことを祈ろう。もしあたっていたら、モルトウイスキー大全はしょうもなさすぎる。

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2006年8月20日 (日)

スコットランド地名研究本 5

スコットランドの地名の由来を研究した本の紹介シリーズその5である。

   書 名: Scottish Place-names
   著 者: David Ross
   出版社: Birlinn Limited ISBN:1 84158 073 9
   出版年: 2001年
   総ページ数:230ページ
   価 格: 8.99英ポンド/17.95米ドル

この本がスコットランドの地名の意味を知るためには、今回の5冊の中で一番手軽で便利だと思う。
最初に、地名が複数の言語(ピクト語、カンブリア語、アングリカン、ゲール語、ノース語、英語)に成り立っている歴史的背景を述べ、それが時代によってどう変化してくるのかを地図を使って丁寧に説明している。
その後に、アルファベット順に地名の意味について説明している。その説明の中には、その根拠となった文献がいつ頃書かれたものかということについても記している。したがって、ジュラ島がノース語で「鹿の島」として記されているのが14世紀であるけれど、7世紀のアルスター地方の文献には、すでに古いゲール語でジュラ島のことが記されているため、ノース語ではなくゲール語の人名由来とわかったことなどが丁寧に紹介されている。

地名という伝統的な研究分野でもすこしずつ学問は進歩するため、地名研究本も最新の研究を反映した本が必要になり、この本はわたしが入手した範囲ではそれを満たしていると思っている。何か1冊手元におくならこの本が良いと思う。
Scottishplacenamesdr

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2006年8月19日 (土)

グレン オード Glen Ord

これは蒸留所名であり、モルトウイスキーのブランド名でもある。地域名としては、Muir of Ord などがあるが、直接 Glen Ord という地名はない。
この名前の解釈についてはモルトウイスキー大全ではなされていない。

解釈例
1)丸い丘の谷 Glen t-Ord (PeatFreakはこう書いているが間違っている)

モルトウイスキー大全では解説がないが、PeatFreakには、Ordが丸い丘を指し、glenが谷をさすと書いてある。しかし、PeatFreakのつづりには納得がいかない。Ord にt-をつけてt-Ordとしているからだ。定冠詞を付けたいのであれば、an t-Ord とならねばならず、さらに属格にするならば、an Ord である。
つまり、Gleann an Ord が正しいゲール語のつづりとなる。t-Ordではなんのこったかさっぱりわからない。まぁPeatFreakに文句をつけてもしょうがないか。

正しいゲール語を覚えよう。
スコットランド議会サイトも地名研究本2冊も Ord は”丸い丘”ということを支持しているので、PeatFreakもつづり以外には間違いがない。

原出典は以下の通り
1)"Glen of The rounded hill"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) t-Ord, "The rounded hill".
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)Muir of Ord (Ross), Am Blar Dubh.
  "Ord" is a rounded hill, from Gaelic ord. The Gaelic name is "the black moor". The Ord Arms Hotel is on the site of an Taigh Bhan, "white house".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

3)Divid Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P158.
  "round hill"

4)Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P207.
  "rounded hill"

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2006年8月18日 (金)

スコットランド地名研究本 4

スコットランドの地名の由来を研究した本の紹介シリーズその4である。

   書 名: The Dictionary of Scottish Place Names
   著 者: Mike Darton
   出版社: Lochar Publishing ISBN:0-948403-48-09
   出版年: 1990年
   総ページ数:282ページ
   価 格: 17.54英ポンド

この本はなかなかよい。
最初の短いイントロでは、ゲール語の発音などについて解説がしてある。しかしながら、他のケルト系言語とノース語についてはイントロではほとんど解説らしい解説はない。

本体部分では、アルファベット順にスコットランドの地名を網羅的に説明している。その地名についての簡潔な説明とその地名が見られている古い文献を年代込みで紹介してあるのがなかなか良い。普通の方が関心を持つような地名はたいてい見つかると思う。ただし、蒸留所がある細かい地名は、載っているものと載っていないものがある。

おしいところはやや古い解釈があることと、取り上げている文献がやや若いこと(結局同じことを指しているかな)。その点は次に紹介する David Ross の本が優れていると感じているところである。
Mikedarton

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2006年8月17日 (木)

スコットランド地名研究本 3

スコットランドの地名の由来を研究した本の紹介シリーズその3である。

   書 名: Scotland's PLACE-NAMES
   著 者: David Dorward
   出版社: William Blackwood & Sons ISBN:0 8158 132 3
   出版年: 1979年
   総ページ数:61ページ(うすっ(笑))
   価 格: 1.25英ポンド(やすっ(笑))

この本は1979年に出版されている。薄くて安いからと言ってバカにしてはいけない。ちゃんと読めば良い本である。ちゃんと読めば(笑)。

まず、最初の数ページでスコットランドの地名ができていく過程を歴史とともに簡単に解説してある。ゲール語ばかりでなく、p-ケルト語、ノース語、英語由来の地名についての説明がある。
そして、Aber、Auchのようにアルファベット順に地名の要素をあげて、それがついている地名をあげていくというスタイルで書かれている。

簡潔な記述でまとめられているし、単語レベルで地名が簡単にわかるようになった読者がさらに一段先に進むためには良い本だと思う。しかし、収録されている地名の数が限られていることや最近の研究成果が織り込まれていないということから、すぐにもう一つ詳しい本も必要になるだろう。

この本の最後には、さらに読むべき本として、このシリーズの1と2の本つまり Nicolaisen と Watson の本があげられていることも記しておこう。

おまけ。
スコッチモルトウイスキー大全の参考文献としてもこの本はあげられていて、改訂版の280ページには、6番目の参考文献としてこの本を載せている
しかし、この本ではきちんと説明してある Lochy について記述がないし、また、この本では Craigellachie のことを「Crag on the rocky place」(石が多い場所の岩)(P3.)と説明しているが、モルトウイスキー大全では「無情に突き出た大岩」などと説明してあったりすることから、どうやらちゃんとは読んでいないのではないかと思っている。
そして、Nevis については読んでいるようであるが誤って引用していると思われる。モルトウイスキー大全では、”古いゲール語で「水」を意味する言葉だとか”と書いてあるが(p34)、この本では、古い”ケルト語”で「水」に関する単語だと書いてある(p8)。つまり、ピクト語なのかカンブリア語なのかそれとも古いゲール語なのか、それとももっと古くてケルト系の単語共通のものなのか、この記述からはわからないからである。
Scotlandsplacenames1

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2006年8月16日 (水)

グレンマレイ Glen Moray

グレンマレイは、蒸留所の名前でありウイスキーのブランド名である。Morayという地域名はあるし、Moray湾などもあるが、Glen Moray という地名は見あたらない。
この名前の解釈についてはモルトウイスキー大全ではなされていない。

解釈例
1)谷+海辺の入植地 Gleann mori

これは、谷という意味の Glen に地域の名称である Moray をくっつけてできた蒸留所の名前である。Glen はもう何度もでてきたので、Moray について考えてみる。

これについては、調べてみると解釈はほぼ一つで、ゲール語以前のケルト語あるいは初期ゲール語で、Sea-settlement という意味ということである。日本語で言えば、海辺の入植地ということだろうか。

原出典は以下の通り
1)"Glen Sea Settlement"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) mori (old Gaelic name).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

以下は Moray だけの解釈
2)Moray, Moireibh or Moireabh.
 "Sea settlement". A native of Moray is a Moireach which gives the surname Murray.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

3)William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P161.
  海のそばの土地 ← 海辺の入植地
  初期ケルト系言語 Mori-treb(Sea-Settlement:海辺の入植地)
  
4)W.F.H. Nicolaisen 著 : Scottish Place-Names 2001年 P.217-218.
  sea-settlement
  1032年にはMurebe、1085年には Muireb、1130年には Moreb とつづられていた。
  Moirthreabh 現代ゲール語のつづり
    mori-treb 初期ケルト系言語

5)David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P159.
  "Sea-settlement" ピクト語で sea-home という意味に由来した古ゲール語 Mori.

6)Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P207.
  "Sea-settlement" proto-Goidelic(初期ゴイデル系ケルト語)mori.

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2006年8月15日 (火)

スコットランド地名研究本 2

スコットランドの地名の由来を研究した本の紹介シリーズその2である。

   書 名: SCOTTISH PLACE-NAME PAPERS
   著 者: WILLIAM J. WATSON
   出版社: Steve Savage Publishers ISBN:1-904246-05-2
   出版年: 2002年
   総ページ数:255ページ
   価 格: 12.5英ポンド

この本は2002年に出版されているが、著者は1948年になくなっている。そのため、前回紹介した本の著者が、Watsonが発表した論文や本などを一つにまとめて論文集の形で発行された本である。したがって、本を読むことでスコットランドの地名について系統的な理解を得られるような形ではまとまっていない。関心がある方がいらしたら、この点に注意されたい。

著者は1865年ゲール語を話す家に生まれたそうで、エディンバラ大学でケルト語の教授となっており、スコットランドのケルト系地名の研究で知られた存在だそうである。

19世紀後半から20世紀前半にかけて、地名がどう研究されていたかが気になる方は読めば良いが、そうでなかれば、前回の本やあとで紹介する本の方が役にたつ。ただし、学者気分になれることはうけあいの本である。

そして、ウイスキー好きからすると、Glen Morangie の Morangie は、この時代から既に「undoubtedly」に「Big Haugh」だと主張している(77ページ)ありがたい本である。これは、1907年の発刊の学術誌に既に掲載されている説だ。蒸留所の方々よ、蒸留所からあまり遠くない Easter Ross で生まれたこの学者のいうことに耳をかたむけなはれ。

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2006年8月14日 (月)

ストラスアイラ Strathisla

蒸留所の名前解読を続けていく。基本はアルファベット順だったのだが今回はこれにする。もちろん、地名でもあるし、蒸留所名であるし、シングルモルトウイスキーのブランド名である。

解釈例
1)ゲール語で、「アイラ川の流れる広い谷間」 ゲール語のつづりは示されていない。
2)アイラは、ケルト以前の言葉で川につけられた名前、rapid-moving(早い流れ)
  つづりは、il もしくは eil。
  Strath はゲール語で広い谷。
3)ゲール語だが、ギリシア語「水or飲む」に由来する。piが次にpilaとなって、ケルト語になるときにpが落ちてilaとなった。Strath はゲール語の広い谷。

厳密には、Strath Isla そのものの解釈を見つけてはいない。
モルトウイスキー大全のように「アイラ川が流れる広い谷」というなら、グレンリベットはリベット谷だし、グレンファークラスも緑の谷などと解釈せずにファークラス谷とやればよい。わかりやすいものは、ゲール語から日本語に訳し、手がでないとなると固有名詞に逃げるという首尾一貫していない本である。

2)の解釈は、川の名前、谷の名前としてのIslaについてのものである。
 ゲール語以前の言語の il もしくは eil 由来で、rapid-moving という意味であると解釈されている。ただし、厳密にはケルト語以前と確定しているわけではない。現代ゲール語では Ile とつづられ、イーレと発音される。
 あとはゲール語の広い谷とくっつければ蒸留所の名前の完成。これには、Strath と Srath の二つのつづりがある(標準化されていない)。発音は、strath ならストゥラー、Srath ならスラーであり(大きな発音の違いではないと感じるけど)、英語のストラスとは異なることに注意されたい。
 これで意味は、「早い流れがある広い谷」ということになり、ゲール語風に発音するならストゥラーイーレもしくはスラーイーレということになる。

3)は、2)の解釈にある速い流れというのを否定した上で、「水or飲む」に由来するとしている。「水or飲む」としているのは、わたしの貧弱なギリシア語やラテン語の知識ではよくわからない書き方だったからである。たしかに「水」に由来しているならば、川にも島にも使えそうな名前である。また、具体的に3本の isla 川をあげて、いずれの川も速い流れではないという検証(落差と川の長さを具体的にあげてある)まできちんとしている。

しかしながら、3)の説は最近ではあまり取られていない。というのも、Islay島は人名由来という説が有力になってきたからであり、Isla川とIslay島を共通で考えなくてもよいからであろう。

わたしは、2)の説を一押しにしたい。

原出典は以下の通り
1)アイラ川が流れる広い谷間 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P228-229.

1の続き)PeatFreakの解釈 1)と同様に Isla の解釈がない
  "The Valley of the River Isla" Strath (Scottish Gaelic - broad river valley), Isla is the river that flows here.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1のさらに続き)
  Strathisla (Banff), Srath Ile.
  "The strath of the Isla".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf

2)David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P116.
  A river-name whose derivation has been tentatively traced back to pre-Celtic root form il or eil , with the meaning of 'rapid- moving'.(必要なところを抜粋)

3)William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P57.
  川の Isla も島の Islay も同じ語源を持つ。

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2006年8月11日 (金)

グレンモーレンジ Glenmorangie

いよいよやってきたかグレンモーレンジという感じ。これはやっかいだとずっと前から思っていたから(笑)。わたしは「大きな草地がある谷」でファイナルアンサーだと思っている!

解釈例
1)大いなる静寂の谷  モルトウイスキー大全にはつづりなし
            グレンモーレンジの公式サイトもこれ
            (これはゲール語話者に批判されたそうだ)
            Gleann mor na sith グレンモーナシー

2)大きな草地の谷 Gleann Mor Innse グレンモーリンシェー
             Gleann Moraistidh(現代ゲール語のつづり)

1)から検討していこう。モルトウイスキー大全にはつづりがなく、蒸留所の公式サイトにも英語での解釈が載っているが、ゲール語のつづりはない。英語では、 Glen of Tranquillity としていて、この和訳が「大いなる静寂の谷」となっていると思う。

そして、この蒸留所の解釈は、ゲール語話者から違うんでないの?と苦情を申し立てられた経験がある。このあたりの事情は下記サイトに書いてある。
 http://www.foodanddrinkeurope.com/news/ng.asp?id=10226-glenmorangie-s-gaelic

この記事はとても面白い。
A)Glen of Tranquillity という解釈を蒸留所は2003年の時点でたかだか10年程度しか使っていない。
B)最初はゲール語のつづりを発表していなかった蒸留所が、苦情を受けて
  Gleann mor na sith グレンモーナシー
  というゲール語から Glen of Tranquillity という解釈をしたということを発表した
のである。
A)についてはさして問題ではないが、蒸留所の歴史からみてあまりにも短いと思うのはわたしだけではあるまい。次にB)であるが、ゲール語 Gleann mor na sith をそのまま日本語に訳すと、「平和の大きな谷」である。大きいのは平和でなく谷なのである。「大いなる静寂の谷」と言われたら「大いなる」ものは「谷」ではなく「静寂」だと誰でも考えるだろうし、英語の「Glen of Tranquillity 」は、まさに「Tranquillity 」が大いなる平和→静寂を意味している。また、蒸留所が主張するゲール語のつづりには na が含まれているがこれは結構重要で、英語で書くと、「Glen of Tranquillity」というよりは「the big glen of the peace」というような英語の意味になるのである。the ~ of the ~ となるような場合には、ゲール語は最初のtheに相当する定冠詞を省くからである。省いても意味は the ~ of the ~ であることに変わりがない。
 こうやってみてくると、こじつけたゲール語を持ってきた上で、さらに拡大解釈をしているように見えてしまうのはわたしだけではあるまい。

蒸留所はゲール語の専門家に相談したというが、ゲール語のつづりをあげても簡単には納得できない解釈である。

2)次に、1)の文中であげたURLに載っているゲール語のつづりとそれをみた PeatFreak があげている解釈について検討する。まず、PeatFreakの著者は正しいゲール語の知識に欠けていると思われるので、その点を指摘しておきたい。
 PeatFreakの著者は、英訳として「Glen of the Big Meadows」あげてつづりは gleann mor innse としているが、このつづりではどこにも the に相当するものがないのである。英訳通りにするならゲール語は、Gleann Mor na h-Innse でなければならない。また、gleann mor innse とするなら英訳は the がない「glen of big meadow」でなければならないのである。
 前からつづり変だなぁと思っていたが、今回で PeatFreak のゲール語の知識不足に確証を持った次第である。
 さて、PeatFreakの問題は置いておいて、解釈に戻る。
Innse は 島や草地を示す女性名詞 Innis の属格であるので、Gleann Mor Innse グレンモーリンシェーでは、「草地がある大きな谷」もしくは「大きな草地のある谷」となる。ゲール語文法上は、「草地がある大きな谷」の方が有利である(Gleann が男性名詞で mor が女性名詞を修飾する mhor になっていないから)が、Morangie という単独の地名もあるので、ここで「大きな」ものは谷ではなく、草地(innis)でよいと思う。
 Morangie を「大きな草地」と解釈している例は、スコットランド議会サイトと下記にあげたあと4冊の地名研究の本にも紹介されており、学者に支持されている説である。逆に、わたしがアプローチできた地名研究の本には、蒸留所が説明するような説にはでくわさなかったことも記しておく。ちなみに、この「大きな草地」は1907年に発表された説でありすでに100年近い学者達の支持がある解釈である。

もはや、蒸留所もモルトウイスキー大全の解釈も信用する気にはなれなかった。

原出典は以下の通り
1)大いなる静寂の谷 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P132-133.

1の続き)グレンモーレンジの公式サイトの解釈だが、ゲール語のつづりはない
  Glenmorangie is Gaelic for Glen of Tranquillity'.
  http://www.glenmorangie.com/faq/faq.php#1

2)"Glen of the Big Meadows"
Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) mor (Scottish Gaelic - big) innse (Scottish Gaelic - water meadows). "The Glen Of Tranquillity" has more to do with marketing then a proper translation ;) In 2003 a Gaelic speaker filed a complaint at the Scottish authority on the subject of marketing about the wrong translation. Glenmorangie then said the translation comes from Gleann mor na sith which translates as 'big glen of peace' or 'glen of tranquillity'.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

参考サイト
3)Morangie (Ross), Moraistidh.
 "Large meadow". Morangie Forest is Frith Mhoraistidh.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

Morangie を「大きな草地」としている地名研究本
4)William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P77.
 1487年には Morinchy、1507年には Morinch、1618年には Morinschie と書かれていたそうである。

5)David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1979年 P.24

6)David Ross 著 : Scottish Place-Names 2001年 P158.

7)Mike Darton 著: The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon 1994年 P207.

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2006年8月 9日 (水)

グレンモール Glen Mhor

蒸留所のゲール語解読を続けよう。
ウイスキーのブランド名であり蒸留所名であるが、地名ではない。

解釈例
1)ゲール語で、偉大な谷 モルトウイスキー大全にはつづりは示されていない
        PeatFreakでは、Gleann Mhor としている。

この蒸留所の名前は、ゲール語で、谷という意味の Gleann と「大きな」あるいは「偉大な」という意味の mòr を mhòr として付けてあるものである。PeatFreak のサイトにもこのように説明してある。

しかし、少しでもゲール語を勉強するととても不思議なことに気がつくだろう。mhorになっている意味がわからないからである。Gleann は男性名詞なので、mòr はそのまま mòr で良いのである。もし、gleann が女性名詞ならmhòrとなるがこの場合はあくまで男性名詞なのである。山という意味の女性名詞 beinn に mòr をつけて大きな山にするときには beinn mhòr となる。
実際、この蒸留所があった Inverness ではないが Tayside には、Gleann Mòr(Mhòr ではない)という地名がある。

なぜ mhòr という形容詞をつけたのかは、命名者でなければわかるまい。

ちなみに、英語で Great Glen といった場合には、インバネスからフォートウイリアムまでの大地溝帯をさす。

原出典は以下の通り
1)偉大な谷 
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P130-131.

2)"The Great Glen"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) mor (Scottish Gaelic - big)
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

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2006年8月 5日 (土)

グレンロッシー Glen Lossie

蒸留所のゲール語解読を続けよう。
これは地名であり、ウイスキーのブランド名であり蒸留所名である

わたしは、Lossie も、湖という意味の Loch からきているんじゃないかと思って簡単に考えていたが、Lochy同様全然違っていてこれにも結構驚いた。

解釈例
1)ゲール語で、ロッシー峡谷 つづりは示されていない
2)ゲール語で、植物の谷 Gleann Losaidh
3)Lossie は Loxa に由来する

1)のロッシー峡谷という訳であるが、これをするならば、GlenlivetやGlenfarclasもそれぞれ、リヴェット峡谷やファークラス峡谷としておけば罪はないのに。あるときはゲール語の意味を考え、あるときはそのままカタカナにするから訳のわからない本ができてしまうのだと思う。この訳は、これ以上議論してもしょうがあるまい。

2)の植物あるいはハーブの川の谷というのは、複数の地名の研究者によって指示されている。ここで、英語の herb や plant の意味について書いておくと草木や植物ということであり、ここでは植物としておく。これは、英語では herb や plant という意味を持つゲール語 lus から来ているとするものである。下記の4)や5)ではこれを補強してある。

3)PeatFreak は2)と同じ説ともう一つ Lossie はプトレマイオスが言っていた Loxa に由来するという説を紹介している。しかし、4)の本では、プトレマイオスののLoxaと位置が違うしゲール語でちゃんと説明できるとこの説を一蹴している。

わたしは、2)の説を取っておこうと思う。

原出典は以下の通り
1)ロッシー峡谷 
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P128-129.

2と3)"Glen of the Lossie"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country), lossie is more unclear. It is said the name comes from Loxa, meaning croock in Greek. Also lus (Scottish Gaelic - herbs or plants) is suggested.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2の続き)
  Glen Lossie (Moray), Gleann Losaidh."The glen of the plant river"
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

4)Lossie を Loxa とするのは間違い
  William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P152.

5)4)のWatsonは、Lossie は、ハーブ(草木)や植物という意味の lus に由来するとしている。
  Gaelic lus 'herb, plant' is an uncommon element in place-names, but occurs in two parish-names viz Glen Luce WIG (Watson 1926, 34, 522) and Luss DNB. According to Watson it also occurs in the river-name Lossie, as well as Kinloss, both in Moray (ibid. 439). In all these instances he translates it 'herb'.
  http://www.st-andrews.ac.uk/~beauly/SURVY1.doc

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2006年8月 2日 (水)

グレンロッキー Glenlochy

これは地名であり、ウイスキーのブランド名であり蒸留所名である。GlenLochy は Fort William の東にあって Loch Lochy という湖の南西のはずれにある地名である。蒸留所は既に閉鎖されている。

モルトウイスキー大全には、この蒸留所の意味については記述がない。
わたしは、Lochy が湖という意味の Loch からきているんじゃないかと思って簡単に考えていたが、全然違っていて結構驚いた。

解釈例
1)ゲール語で、黒い女神の谷 Gleann lòch dae グレンロッホダ
2)ゲール語で、黒い女神の谷 Gleann lòch dia グレンロッホヂャ
3)ゲール語で、黒い女神の谷 Gleann Lochaidh グレンロッヒィ

1)の解釈は、ここでよく取り上げるPeatFreakのサイトの解釈である。loch は湖の loch ではなく、古いアイルランドゲール語の黒い”lòch”から来ているという解釈である。これと、女神のつづり dae とあわせて黒い女神の谷と説明している。

2)は、スコットランドの地名研究者の解釈である。こちらも1)と同じ解釈であるが、女神のつづりが違っている。女神のつづりについては、辞書サイトには、dia はなく dae があった。どちらが正しいかは、わたしの実力を超える。学者によって違っていることをここでは書いておくだけに留めておく。

3)の解釈も同じであるが、ゲール語のつづりを示している。これで現代ゲール語のつづりがはっきりわかる。

1)と2)はゲール語のパーツを並べただけになっているのをご容赦いただきたい。
意味は「黒い女神の谷」というのがはっきりわかった。

原出典は以下の通り
1)"Glen of the Dark Godess"
   Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) lòch (Old Irish Gaelic - black) dae (Irish Gaelic - godess).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)Lochy は、古いアイルランドゲール語で”黒い”、女神 Dia と対でよく使われる。
  David Dorward 著 : Scotland's Place-Names 1979年 P.33

3)Lochy は 黒い女神
  William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P81.

辞書サイト(単語の直接の説明ではなく下の方に書いてある)
  http://www.ceantar.org/Dicts/search.html
1)luch
  a mouse, Irish, Old Irish luch, g. lochat, Welsh llyg, llygoden, Cornish logoden, Breton logodenn, pl. logod: *lukot-, *pluko-, "gray-one"; Lithuanian pilkas, gray, pele, mouse; root pel, pol, gray, as under liath. Stokes refers it to the Gadelic root luko-, dark (read lauko- or louko-), whence Early Irish loch (read lóch), which he takes from Indo-European leuq, shine (Latin lux, etc.), comparing Welsh llwg, vivid, blotchy, to which add Welsh llug, blotch, dawning. From this obsolete Gaelic word lóch, dark, comes the name of the rivers Lòchaidh, Adamnan's Nigra Dea or Loch-dae, which we may take as the Gaelic form of it from another of his references.

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2006年7月24日 (月)

グレンリベット Glenlivet

これは地名、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。このゲール語の地名は複数の解釈があるが、例によってモルトウイスキー大全は、ゲール語のつづりをあげずに一つの説の説明しかしていない。また、グランタウン博物館発行の Gaelic meanings of Strathspey names という小冊子には、ゲール語では意味がわからないとも書いてある点に注意したい。

解釈例
1)ゲール語で、静かなる谷 モルトウイスキー大全にはつづりなし 
                                       PeatFreakでは Gleann Liobhait グレン リーヴァト
2)ゲール語で、スムーズに流れる川の谷  ゲール語のつづりは明示されていない
3)ゲール語以前のケルト系言語で、水に満ちた川の谷
4)ゲール語で、輝く川の谷     Gleann Libheit グレン リーヴェト

1)の解釈は、正直言えばよく見る解釈である。モルトウイスキー大全にはつづりがないため、どのような解釈をしたのかよくわからない。ここでは、同じような解釈をしていた PeatFreak のつづりを元に検討してみる。ゲール語でのつづりは Gleann Liobhait があげられており、Liobh が smooth で ait が場所で、Glen of Smooth Place → 静かな谷 という解釈であろう。
 しかし、元々 Livet は川についた名前なのに、ait という場所を示す語尾がついているのは違和感がある。
 また、liobh という単語は辞書サイトなどでは見つけられず、liomh というつづりなら smooth という意味があった。これでも発音は変わらない(下記辞書サイト参照)。

2)の解釈は蒸留所の公式サイトのモノである。ただし、つづりはあげられていないため、どんな言語のどんな単語を当てたのか不明である。

3)の解釈はスコットランドの地名に関して結構有名な学者の本にでていたものである。
 この解釈のアプローチは面白かった。大きな川がある場所には、人々が早くから住み着きやすい。また大きな川の大きな支流の流域も同様に早くから人々が住み着き、細い支流あるいは奥地にある支流の流域にはあとから人々が住み着くか、発見そのものが遅れる。そのため、大きな川そのものや大きな川の大きな支流には、古くから名前がついていて、後からやってきた人々はそれを引き継ぐ傾向にある。しかし、細い支流や奥地にある支流には、あとからやってきた人々が名前をつけることもある。これを、スペイ川の大きな支流のエイヴォン川、さらにそのエイヴォン川の支流にあたるリヴェット川、さらにそれらの細い支流の名前をあげて説明してあった。
 スペイ川の大きな支流であるエイヴォン川がゲール語ではなく、ブリソニック系なのはゲール語を話すゲール族もしくはスコット族より早くから別のケルト系の民がいたことを示している。リベット川は同様に古いのであって、ゲール語以前のケルト系言語に由来するのではないかとしているのである。もちろん、エイヴォン川の他の細い支流には、ゲール語の名前、英語の名前などがあって、新しくつけられた名前であることもわかる。さらに、リヴェット川の細い支流としてリトルリヴェット川なんてのもあって、英語の時代になってつけられた名前とわかる。
 その上で、Livet川についてはゲール語以前のケルト系言語由来とし、Full of Water や Flooding という意味をあてている。”水が満ちた”あるは”洪水を起こしている”というような意味である。しかし、その根拠となったつづりはあげていない(つづりをあげられてもブリソニック系言語ではわたしにはわからないが・・・)。

4)の解釈も同様に、スコットランドの地名について本を書いている学者の説である。
 3)の本は、ゲール語の他にも種々の言語からの地名を研究しているのに対して、4)の本の著者は主にケルト系言語の地名を研究しているとのこと。
面白かったのは、アイルランドやスコットランドを含めて多くの地域では、母音で終わる単語の最後にあまり意味がないと思われる”d”を付け足して地名や川の名前にしていることが多いというアイルランドの学者が見つけた”法則”を紹介していたこと。これは、ギリシア語やラテン語では、-ant, -ent, -ont などが母音で終わる単語にくっついて地名を表すのに似ているという説明もあった。また、-entia -entio などで終わることで説明ができるスコットランドの地名などの例もあげてある。

話が長くなったがこれを書いておかないと、グレンリベットが説明できないので、ご容赦いただきたい。
 Livet は liv が元になっていて、それに-entia がついた Liv-entia が、元々ついた名前ではないかというのだ。それが、ゲール語で Libheit になったのではないかと。-entia は地名につく単なる接尾辞だとして、Liv はどんな意味があるかというと、ゲール語では li(輝き)、ウェールズ語ではlliw(色)という意味からきている、”輝き”や”ぴかぴか光るもの”としている。それ故、女神の名前であることに疑問がないとまで言っている(ゲール語でli、ウェールズ語でlliw からきているってことは、li より lliw ほうが liv に近いって気がするので、やはりブリソニック系言語に由来するのだろうか?この点では3)の解釈とも近いような気がするが)。

ということで、どれが正しいかはわからなかったが、”静かなる谷”は、少なくとも地名を研究している学者達の眼中にない解釈だというのがわかっていただけただろう。

# だんだん、ディープにはまっていく自分を感じる今日この頃。

原出典は以下の通り
1)静かなる谷
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P124-125.

1の続き)"Glen of the Smooth Place"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) liobh (Scottish Gaelic - slippery/smooth) ait (Scottish Gaelic - place).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)River Livet は Smooth-flowing One
  蒸留所公式サイト( http://www.glenlivet.com/ )から必要箇所を抜粋
  In time, the glen as we know today took shape. Only the icy waters of the River Livet - or "Smooth-flowing One" - softened its break contours. Nature had created the perfect environment for producing whisky.

3)River Livet は Full of Water もしくは Flooding (極初期のゲール語もしくはゲール語以前のケルト系言語)
  W.F.H. Nicolaisen 著: Scottish Place-Names New Editon  2001年 P223-224.

4)Livet は 輝くもので女神に由来する → 輝く川
  William J. Watson 著: Scottish Place-Name Papers 2002年 P125.

参考)スコットランド議会サイトは、つづりがあげてあるだけで意味が書いていない
  Glenlivet (Banff), Gleann Liobhait.
  "The glen of the Livet".

辞書サイト 
  http://www.ceantar.org/Dicts/search.html
1)liomh  polish, smooth

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2006年7月21日 (金)

現地調査報告 Glengoyne

前回のGlen Garioch, Auchroisk に引き続き、Glengoyne についてまとめておく。

課題:Glengoyne はどんな意味か?

蒸留所のガイド:Glen of the wild geese(雁の谷) 
ガイド二人ともはっきりとゲール語で"Glen of the wild geese"だと言っていた。

ところが、蒸留所の人間はゲール語の知識がある人はいないということで、彼らが主張する Gleann Guin の Guin には、雁という意味はなく、ゲール語では"傷"という意味であることなどを話ししてもちんぷんかんぷんだった。
もちろん、この状態なので、guin はブリソニック系言語で”白色”を意味しているのではないか?という質問にまともな答えなどなかった。

ガイド2人と話をしたが、その内の年配の方の話は非常に率直だった。
○蒸留所にはゲール語がわかるものがいない。
○その方はイングランドからきているし、他の方もスコットランドではなく
 アイルランドからきて働いている。
とうことであった。

グレンゴインについては、非常に不満の残る調査結果であるがご容赦いただきたい。

オスロイスクにしても、グレンゴインにしても蒸留所によってはゲール語が適当な扱いを受けているという感じで悲しかった。

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2006年7月20日 (木)

現地調査報告 Auchroisk

前回のGlen Garioch に引き続き、Auchroisk についてまとめておく。

課題:Auchrois は現地でどう発音されているか?

Auchroisk という地名の発音を今回も強引にカタカナで書いてある。

オホクロイスク(このホと最初のクは喉の奥から出す音)に近い発音をした方
 ブレアアソール蒸留所のガイド
 グレンドロナック蒸留所のガイド
 クレイゲラヒのB&Bの女将さん
 スコッチモルトウイスキーソサイエティのバーテンダーA

オスロイスク(最初のスは th の発音)と発音した方
 Auchroisk蒸留所の若い従業員A
 Auchroisk蒸留所の若い従業員B
 スコッチモルトウイスキーソサイエティのバーテンダーB

オスロイスクという発音は Auchroisk 蒸留所の人間でなければ発音されない、あるいは、蒸留所がそのように主張していると知っている人でなければ、オスロイスクと発音しないということがわかってもらえるだろう。

これについては、Auchroisk 蒸留所の若い従業員のお二人が全く同じことを言っていた。「蒸留所の人々はオスロイスクというが、この地域の人たちはオホクロイスク(このホと最初のクは喉の奥から出す音)というんだよ。」つまり、古くからの地名として認識されている Auchroisk は、地域の方や多少遠方のスコットランド人でもオホロイスクと発音するってこと。しかし、なんらかの事情があって、蒸留所ではこの名前をオスロイスクと呼ぶことにしたと考えるのが普通だろう。

これは、王貞治と書いてみんなは「おうさだはる」って読むけど、我々はこれを「ながしましげお」と読むことにしている、といういうような事態ではないかと感じた次第。

以下に現地で聞いてみた感じから、なぜこう呼ぶ必要があったのか?を考えてみた。

Auchroisk を普通にオホクロイスクと発音した場合は、ゲール語の元のつづり、発音、意味は次のようになる。
  Achadh a’Chroisg アハグ ェ フロシュク Crossing Field(横切っている平原)
(ハ、グ、フはすべて喉の奥から出す音になる点に注意されたい)

これに対して、最初のスを th のスと発音するオスロイスクでは、蒸留所の主張通りに Ford of the red stream となるようにゲール語をあてると次のようになる。
  Ath ruadh easg アー ルイ エスク 赤い流れを渡る浅瀬
注意が必要なのは、ゲール語の Ath は、英語とは違ってアーという発音になる点である。

こうやって並べてみると蒸留所の方々が赤い流れを渡る浅瀬という方が名前としてかっこいいと思っていたからではないだろうか、と感じている。あくまでもわたしの仮説に過ぎない点をご理解いただきたい。

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2006年7月19日 (水)

現地調査報告 Glen Garioch

今回の旅行の目的の一つは、Glen Garioch, Auchroisk, Glengoyne について、実際に現地に行って聞いてみるっていうことだった。それについて、一つずつまとめておこうと思う。まずは Glen Garioch から。

課題:Glen Garioch は現地でどう発音されているか?何語に由来するか?

Glen Garioch という地名の発音を多少強引だがカタカナで書いてみる。

グレンギャリオホ(このホは喉の奥から出す音)に近い発音をした方
 エディンバラ-パース間の鉄道の車掌
 クレイギャラヒのB&Bの女将さん
 スコッチモルトウイスキーソサイエティのバーテンダーA
 パースのハーツ事務所の方
 ブレアアソール蒸留所のガイド

グレンギリーと発音した方
 Glen Garioch蒸留所のガイド
 アバディーンのツーリストインフォメーションの方
 アバディーンのハーツ事務所の方
 スコッチモルトウイスキーソサイエティのバーテンダーB

つまり、グレンギリーという発音は Glen Garioch 蒸留所の界隈でなければ発音されない、あるいは、蒸留所の地元ではグレンギリーと発音すると知っている人でなければ、グレンギリーと発音しないということがわかってもらえるだろう。

では、何語に由来するのかというと Glen Garioch というつづりはゲール語の Gleann Garbhach もしくは Gairbheach に由来する。現代では、もちろんGlen Garioch とつづる。これをグレンギリーのように発音するのが、スコットランド北東方言だと Glen Garioch 蒸留所のガイドが教えてくれた。

気分的にはかなりすっきりした。グレンギャリオホやグレンガリオックなどと読んでも、間違いではないだろうとも思う。グレンギリーとこだわる方は、日本の東北地方の地名などはどう発音するつもりなんだろうと思う。

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2006年7月17日 (月)

グレンキンチー Glenkinchie

この蒸留所の名前は、一見するとゲール語由来に見えるが、発音がゲール語の感じがしないなぁと思っていた。すると、ノルマン貴族に由来するのではないかということで納得した。

解釈例
1)蒸留所の横を流れるキンチー川から名前をとった
  ド・クインシー(ノルマンディからやってきた貴族)一族に由来するという説あり。ド・クインシーのつづりには、PeatFreakにある'de Quincey' と Wikipediaにある'De Quincy'の2種類ある模様。

この解釈については、クインシーのつづりが微妙に違うが、モルトウイスキー大全にも書いてあるし、PeatFreak、Wikipedeiaにも同様の内容で書いてある。信頼度が高い解釈なのであろう。

原出典は以下の通り
1)キンチー川からとられたが、キンチーの由来はよくわかっていない
    ド・クインシー(ノルマンディからやってきた貴族)一族に由来するという説あり
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P122-123.

1の続き)
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country), kinchie comes from 'de Quincey' who were landowners of this place. That also explains why the 'ch' is not pronounced as you would expect in Gaelic as the ch in 'loch'.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1のさらに続き)
  The name 'Kinchie' is a corruption of 'De Quincy', the original owners of the land.
  http://en.wikipedia.org/wiki/Glenkinchie

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2006年7月 6日 (木)

グレンキース Glen Keith

これも蒸留所名で、地域名である。Glen は、ゲール語の谷 Gleann から来ているのがすぐにわかると思うが、Keith は、どうも難解であるらしい。ブリソン語とピクト語の知識がなければ、手に負えなさそうである。

Kieth の解釈例
1)Coed はブリトン語のcoed(coit というつづりも)(森)に由来。
2)ピクト語の人名 Cait に由来。
3)ピクト語の地域名 Ce に由来。

ここでは、Kieth が、ブルソン語の森という意味からきているものとピクト人の人名あるは地名から来ているという説があることを紹介するにとどめておく。
このあたりが私の限界(ちとくやしいが)。

原出典は以下の通り
1)キースは、ブリトン語のcoed(森)に由来するらしい。
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P120-121.

2)キースは、ピクト語の人名もしくはブリソン語/ゲール語の森
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country), Keith is unclear. It might come from cait (pictish - a personal name), but also coit (Brythonic and Old Gaelic - wood) is said to be the source.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

3)ブリソン語の森 coed から、もしくは、ピクト語の地域名 Ce から。
  Keith (Banff), Baile Cheith.
  This appears to come from Brythonic coed, "wood", but a Pictish territorial division in this area was known as Ce, and the names may be related. The Gaelic name is the same, but is prefixed by baile, "town". Formerly the town was known as Kethmalruf or Ceith Maol Rubha, "St Maol Rubha's Keith", this saint's name later becoming confused with that of Rufus.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

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2006年7月 2日 (日)

グレングラント Glen Grant

蒸留所解読のシリーズも結構な数になってきた。モルトウイスキー大全に掲載されている順番にかいてきたので、このグレングラントで55番目になる。アルファベット順に書いていないところもあるので、記事が55個あるかどうかは自信がない(苦笑)。

さて、この蒸留所の名前は、創業者の名字をとってつけたもので、ゲール語解読の必要性はほとんどない。

解釈例
1)ゲール語の谷+創業者の名字(グラントの谷) 

このままではつまらないので、参考サイトにあげたURLをみていただきたい。どちらもグラント氏族についてかかれたものであるが、Grantの意味について解説してある。

Grantが何を意味するのか、あるいはどういう出自なのかについては、参考サイトをそのものをみていただくことにして、ここでは、その意味の候補をあげておくだけにする。
1)フランス語の Le Grand(英語ではThe Great)から(ノルマン貴族出身ではないかとする説)
2)古いサクソン語から、"Gravelly(砂利の多い)"もしくは "Gray haired(白髪の)"。
  
グラント氏族は元々はイングランドのケム(River Cam)川流域にいた氏族という説もあるそうだし、氏族内でもきちんとした結論はでていないようであるので、ひとつにしぼらないほうがよさそうである。

原出典は以下の通り
1)"Grant's glen"
   Glen (Scottish Gaelic - glen), Grant is the family name of the founder of the distillery.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

参考サイト グラント氏族の意味
1)http://www.clangrant.org.uk/gr_name.htm
2)http://en.wikipedia.org/wiki/Clan_Grant

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2006年7月 1日 (土)

グレンゴイン Glengoyne

これは地名、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。このゲール語の地名は複数の解釈がある模様であるが、例によってモルトウイスキー大全は、ゲール語のつづりをあげずに一つの説の説明しかしていない。また、なぜか PeatFreak にもスコットランド議会サイトにも解説が載っていない(だから結構苦労したんだよ~)。

しかし、最も注意しなければならないのは、蒸留所公式ホームページでは、「雁の谷」と紹介しており、「鍛冶屋の谷」という解釈を教えられているのは、もはや日本人だけと思われるところである。わたしの解釈などは記憶にとどめておく必要などさらさらないが、公式サイトでは「Glen of the wild geese(雁の谷)」という解釈をしているということは知っておいたほうがよい。

解釈例
1)ゲール語で、鍛冶屋の谷 つづりなし
2)ゲール語で、雁(ワイルドギース)の谷 Glen Guin ゲール語のつづりではない。
3)ゲール語+ブリソニック系ケルト言語で 白の谷(当サイト独自解釈)

さて、1)の鍛冶屋の谷を検証しよう。土屋氏にかわってつづりを当ててある(笑)。Gleann Gobhainn これで、グレンゴインのように発音して、字面上は鍛冶屋の谷という意味になる。Gobhainn は鍛冶屋というゲール語、Gobha(男性名詞、ゴワァもしくはゴアと発音)の属格である。しかし、このような地名かという問題がある。この蒸留所近くには Dumgoyne という有名な山があって、これにもモルトウイスキー大全には、鍛冶屋の丘という意味をあてているが、このような意味をあてているサイトは、英語で検索をかけている限り見つけられない。もし、見つけた方があったら教えてほしい。蒸留所の解釈とも異なるこの解釈で妥当だとサポートする点は、ゲール語の発音がグレンゴインに極めて近いという点のみで、その他サポートするような事柄が見られない点が問題とわたしは考えている。

2)の蒸留所の公式見解であるが、こちらもはななだ怪しいと言わざるを得ない。
 まず、guin がゲール語でどういう意味になるかを辞書サイトから拾った。辞書サイトのB)にあげたように、けがや傷という意味で雁なんて意味でない。では、雁という意味のゲール語はなんだろう。これもC)にあげたように Geadh であるが、属格は Geoidh でゲイと発音されるため、ゴインとは似ていない発音になってしまう。

3)当サイト独自の解釈とは書いたがほとんどが下の参考サイトに書いてあったも同然なので、参考サイトを熟読されたい。このサイトは、Goyneという人名の起源について書かれたモノである。
Guin は、イベリア半島のケルト系言語に由来しているとし、ウェールズ語でもつづりは違うが同様の発音で”白”を意味するとある。そして、後段には、スコットランドのパースシャーに Glengoyne や Dumgoyne という地名があることがかかれ、Glengoyne は以前は Glen Guin として知られていたとある。
これによって、地名にも人名にもつけられた名前だということがわかる。スコットランドには、ゲール族やスコット族がやってくる前に住んでいたブリソニック系言語を話す民族がいたとされているので、このハイランドと境を接する場所にある蒸留所がある場所の地名としては不思議がない。

わたしは、ウェールズ語やブリソン語については、よくわからないが、鍛冶屋の谷や鍛冶屋の丘を何度も検索しても地名として見つからなかった経験と、論理だったこのブリソニック系言語の”白=Guin”からつけられた地名あるいはそれから派生した人名だという説明に賛成して、この解釈を一押しとしたい。

原出典は以下の通り
1)鍛冶屋の谷
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P116-117.

2)雁の谷 Glen Guin(これはゲール語のつづりではない)
  蒸留所公式サイトから必要箇所を抜粋
  The distillery, which takes its name from "Glen Guin" or Glen of the Wild Geese, has been producing an exceptional single malt scotch whisky for nearly 200 years.
  http://www.glengoyne.com/scotch_whisky_distillery/distillery_history/

辞書サイト http://www.ceantar.org/Dicts/search.html
A)gobha  nm. g.+inn; pl. goibhnean, smith, blacksmith
B)guin   va. wound, pierce, sting
C)geadh  nf. g.d. geoidh; pl. geoidh, goose

参考サイト http://archiver.rootsweb.com/th/read/GOWEN/2001-07/0994197255
(長いが必要なところを抜粋している)

ORIGIN OF THE NAME
The Goyne name is probably Iberian Celtic, having come to the British Isles from the Iberian Peninsula at some early time. Indeed, that is the tradition of some Goynes in England. Others hold that the name has its origins in the Cymric [Welsh] language, a language similar to Iberian Celtic. The name means "White" in the original language, probably in reference to a person's complexion.
           ~ 中略 ~
The name "White" in Cymric is spelled Gwyn/Gwyne/Gwynn/Gwynne. [Charles Wareing Bardsley, M.A., "A Dictionary of English and Welsh Surnames," Baltimore: Genealogy Publishing Co, 1980 [London, 1901]. The name is said to date to "high antiquity" in Wales, probably dating to the Roman period. [Thomas Nicholas, M.A, Ph. D, F.G.S., etc., "Annals and Antiquities of The Counties and County Families of Wales," Vol. 1, London: 1991, 1872, 1875.]
           ~ 中略 ~
In Stirlingshire, Scotland the westernmost peak of the Campsie Fells is named Dumgoyne [Fort Goyne] Hill. "As the name suggests, there was once an Iron Age fort on the top." [Discover Scotland, The Sunday Mail, p. 678] The Iron Age reached the British Isles about the time of Christ.

An interesting document in Britain confirms the derivation of the Goyne name. After World War II, when Arthur William Tedder, GCB, Marshal of the Royal Air Force, was knighted, he took the title "Tedder of Glen Guin; Guin is now Goyne." [Provided by James N. Scott of Glasgow, Scotland.)
(引用終わり)

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2006年6月29日 (木)

シカ+ネコでヤマネコ ゲール語の不思議

先日、グレンフィディックはゲール語で鹿の谷という意味ではないということを書いた。
そこで、ゲール語の辞書を眺めていたら、とても面白いことがわかった。
シカという単語は男性名詞で fiadh フィガ(もしくはフィグ) である。この他に、形容詞でfiadhaich とするとシカのという意味以外に野生のという意味や狩猟という意味がでてくる。まぁ野生以外のシカは少ないだろうし、狩の対象だったのだろうから。
これをふまえると、fiadh の後に、単語を付けるといろんな意味がでてきても意味がわかる。
例えば、リンゴという意味の abhal アワ(ヴァ)ル を付けると野生のリンゴという意味になるのだ。
 その他の例をあげておこう。
 1)fiadh-abhal シカ+リンゴ → 野生のリンゴもしくは野生のリンゴの木
 2)fiadh-bhreac シカ+斑点がある → ダマジカ
 3)fiadh-chat  シカ+ネコ → ヤマネコ
 4)fiadh-chu   シカ+犬 → オオカミ
 5)fiadh-chullach シカ+豚 → イノシシ

シカに犬でオオカミもなかなかだし、シカにネコでヤマネコも笑う。シカにブタでイノシシも良くできた単語のように見える。頭がシカで体がイヌとかネコとかブタを想像した方はいっしゃらないだろうか。わたしは、それを想像して吹き出してしまった。

文法的には、シカの後に続く単語が全て aspiration もしくは lenition と呼ばれる変化を起こしていることに注意されたい。つまり ネコ cat は chat に、犬 cu は chu に変化している。

ゲール語では、シカという単語に”野生”という意味を代表させたために起きた”珍事”ではあるが、笑いながら語彙を増やすことができた。

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2006年6月28日 (水)

グレングラッサ Glenglassaugh

これは閉鎖された蒸留所名である。地名でもあるために、比較的簡単に意味がわかった。当サイトの数少ない読者のお一人がとても気に入っているウイスキーでもあるそうだ(笑)。

そんなに難しいとは思えないのに、いくつか解釈がのっているのは、微妙に解釈がちがうからであるが、基本的には、glasach に、緑という意味があって、そこから、草地という意味にして解釈しているか、そのまんま緑色という解釈をするかという程度の違いである。

解釈例は3つ
1)ゲール語で、緑の谷 モルトウイスキー大全ではつづりは示されていない
2)ゲール語で、灰-緑色の場所にある谷 Gleann Glasach
  PeatFreakのサイトでは Glasach に意味をあてていない。
3)ゲール語で、草地のある谷 Gleann Glasach 当サイトの解釈

例によって、モルトウイスキー大全には、意味だけあげてあってつづりが書いていない。PeatFreakのサイトには、つづりは書いてあっても、なぜか Glasach の意味が書いていない。さほど難しいとは思えないのだが、理由はわからない。
スコットランド議会サイトでは、つづりもあげているが、grey-green という微妙に green とは異なる色を持ちだしてきている。

わたしは、辞書サイトにあった glasach を草地という意味にあてて、草地のある谷というのが一番理解しやすい解釈だと思う(草地は緑でしょ?)。

原出典
1)緑の谷
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P114-115.

2)Glassaugh (Banff).
  "Grey-green place", from Glasach.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

2)の続き? "Glen of the Grey-green Place"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) Glasach.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

3)辞書サイトを使った解釈
  glasach 芝生(女性名詞)
  glasach 草地(男性名詞)
  http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

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2006年6月22日 (木)

グレンフラグラー Glen Flagler

この蒸留所はモルトウイスキーの工場ではあるが、グレーンウイスキーの工場内に建てられたという変わった蒸留所であったが、すでに閉鎖されている。
これまで、このサイトが参考にしてきた PeatFreak とスコットランド議会サイトのいずれにも Glen Flagler でも、単に Flager でも意味がでていない。スコットランド議会サイトにもでていないというのは、地名でもないからである。もちろん、モルトウイスキー大全にもその解釈は載っていない。

下記のように、人名と地名の例があるが、その地名も誰かの名前を取った可能性が高いと考えている。というのも、英国に Flagler という地名がないからである。
この蒸留所の場合には、人名に Glen をつけてゲール語風にして、蒸留所の名前にしたのではないかとわたしは考えているが確かなことはわからない。

Flagler の例
1)人名例 下記はアメリカ人の例
  http://en.wikipedia.org/wiki/Henry_Flagler

  → 彼にちなんだカレッジもあるぐらい
  http://www.flagler.edu/

2)地名例
  下記例は、アメリカ・フロリダ州の地区名である。
  http://www.flaglercounty.org/
  この他にも、カナダ、オーストラリアにこの地名は散見される。
  (人名由来の地名とわたしは考えている)

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2006年6月21日 (水)

グレンギリー Glen Garioch

Glen Garioch については、発音についてのみ前に一度書いている。今回は、ここまでのスタイルに従って、あらためてまとめ直すことにした。

解釈例
 1)ゲール語で 谷間の荒れた土地 モルトウイスキー大全にはつづりなし
         グレンギリーと読めと書いてある。
 2)ゲール語で、荒れた土地の谷 Gleann Garbhach  グレン ガラハ
 3)ゲール語で、荒れている谷  Gleann Gairbheach グレン ガリヒ

これも、モルトウイスキー大全には、ゲール語の意味しか書いていない。PeatFreak のサイトとスコットランド議会サイトには、ゲール語のつづりが書いてある。
PeatFreak のサイトでは、「荒れた」という意味の形容詞 garbh に場所を表す ach をつけて、Garbhach が元になったとしているのに対して、スコットランド議会サイトでは「荒れていること」という女性名詞に場所を表す ach をつけている。文法的+発音的には、後者が有利である。

さて、前回同様に発音についても記しておこう。まず、少なくても17世紀頃までは、Garioch のch が、きちんと発音されていたという論文を紹介しておく。

http://www2.arts.gla.ac.uk/SESLL/STELLA/STARN/lang/GAELIC/evident.htm

Outside the area in which -o is the normal modern reflex, and has been since the end of our triad of centuries, several other developments are discernible:
(a) the final fricative can be replaced by the homorganic voiceless stop, as in Dalgarnock DMF or Balernock DNB (after -a- had become -o- or concurrent with that change);
(b) in areas which remained Gaelic-speaking much longer and in which English, rather than Scots, tended to replace Gaelic, the change from -a- to -o- occurs in the Scotticised names but the final fricative is retained (Badenoch INV, Garioch ABD, Balloch DNB, Tulloch ROS, Rannoch PER);
(c) Gaelic -ach remains unchanged not only in Gaelic map names but also in such names as The Cabrach BNF or Coigach ROS. (必要な箇所を抜粋)

ゲール語の語尾につく ach がスコット語の地名に取り込まれる過程で、-a や -o のような形になっていったこともあったり ck という発音に変わったりもしたが、ゲール語が話され続けた地域では、-ach が 喉の奥から出す ch の音として残った例がある。それが、アバディーンシャーにある Garioch だと書いてある(その他にも Badenoch、Balloch、Tulloch、Rannoch などがあげてある)。
少なくとも17世紀までと書いたのは、この論文が 1300 - 1600 年代のゲール語とスコット語の交わりの中で地名がどう変化したかを書いているからで、1600年頃まで生き残っていたなら、少なくとも17世紀までは、-ach のゲール語発音が生き残ったと言っても良いと思う。

上記の抜粋の中には入れなかったが、この論文の最初の方に、ゲール語の語尾につく ach がスコット語の地名に取り込まれる過程で、-a や -o のような形になっていったことが書いてある。お暇な方はぜひ読んでほしい。

では、現代ではどうか。必ずしも学術的なサイトではないが、下記サイトには、スコットランド各地の地名をどう発音するかが書いてある。
  http://rampantscotland.com/features/pronounce2.htm
その中で、Garioch のところをみるとやはり次のように書いてある。
  This Aberdeenshire village name is pronounced "Geerie" to confuse visitors. The area around has a large number of Pictish standing stones and cairns dating from 2000BC.

 しかしながら、わたしのゲール語の先生は、Geerich ときれいにゲール語の ch をつけて発音してくれた。先生は Garioch の比較的近くに、森を1万坪ほど所有している地主だったりする(笑)。地元の発音にも詳しいのである。

どっちが正しいかは、現地調査が必要だと思う今日この頃。

原出典
1)谷間の荒れた土地 つづりは示されていない。
  グレンギリーと発音するという記述あり。
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P112-113.

2)"Glen of the Rough Ground"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) Garbh (Scottish Gaelic - roughness) ach (Scottish Gaelic - field or place).
  glen GEERie と発音せよとも書いてある。
 http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

3)Garioch (Aberdeen), Gairbheach
  "Place of roughness". The Battle of Harlaw is known in Gaelic as Cath Gairbheach, "Battle of Garioch".
 http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

辞書サイトは下記をつかった
 http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

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2006年6月19日 (月)

ロングモーン再び Longmorn

このブログで蒸留所の名前をゲール語で解釈していくというのをシリーズ化しようというきっかけとなった Longmorn 。これについて、自分なりに決着がついたと感じたのでまとめておくことにする。まずは、繰り返しをさけるために前回の記事のURLを張っておく。

http://bailebeag.cocolog-nifty.com/scotland/2006/02/longmorn_676c.html

実は下記URLの論文を読んで、決着がついたと感じた。お暇な方は、ご一読いただきたい。あなたも明日からゲール語地名名人になれる(笑)。

http://www2.arts.gla.ac.uk/SESLL/STELLA/STARN/lang/GAELIC/evident.htm

Thus the, for speakers of Scots, lexically opaque Gaelic lann "an enclosure" in landa Morgund 1226, Lanmorgyn 1368, from the sixteenth century on displays Lang- spellings (Langmorgoun 1529, Langmorn 1598) and is probably also pronounced accordingly.
(必要なところを抜粋)

1226年には、landa(囲い込み→教区、土地)に Morgund(モーガンという聖人名)がついた地名で Landa Morgund と記録されていたものが、1368年には Lanmoryn と書かれるようになり、1529年には Langmorgoun 1598年には Langmorn と変化してきたと書かれている。
つまり、13世紀以前には「Morgund(という聖人)の教区(土地)」ということが認識されていてついた地名だということがわかる。それが、上に書いたような変遷をたどって、現代の Longmorn まで変化したってこと。

では、Morgund は何語か?ってことになるが、下記を見ていただきたい。もともと、Morgan というブリソン語から来てゲール語となったものだ。12世紀のゲール語では Morgunn、Morgann、Morgant などと書いていたが、13世紀になってやっと、Morgrun や Morgund が記録されている。

http://www.panix.com/~gabriel/public-bin/showfinal.cgi/1428.txt

<Morgan> is a name of Brythonic origin; it is found in Scotland in both Gaelic and Latin documents in the 12th and 13th centuries.  In 12th century Gaelic, it could have been spelled <Morgunn>, <Morgann>, and <Morgant>. Thirteenth century Latin documents record it as <Morgrun> and <Morgund> [2,3].(必要なところを抜粋)。

Longmorn とはゲール語で「聖人の場所」と答えた場合には、思い切り意訳してあるってことになる。「(聖)モーガン教区」というのが最もそれらしいと感じる。

結果としては、Longmorn を ゲール語 Lan + ブリソン語 Morgan で、「モーガン教区」とした PeatFreak の解析が正しかったことになる。

これで Longmorn についてはファイナルアンサーということにしたい。

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2006年6月18日 (日)

グレンフィディック Glenfiddich

Glenfiddich については、前に一度書いている。しかしながら、とても簡単にすませていたので、今回は、ここまでのスタイルに従って、まとめ直すことにした。
http://bailebeag.cocolog-nifty.com/scotland/2005/07/glenfiddichglea_4622.html

以前にも書いたように、ウイスキー本は鹿の谷と紹介していることがほとんどである。また、この蒸留所の出しているウイスキーのボトルには鹿の絵が描かれており、鹿の谷を暗示するような演出もしている。

しかし、以下に示すように鹿の谷という解釈には問題がある。これは蒸留所が主張していても正しいとは限らない例の一つとなっている。

解釈例
 1)鹿の谷          蒸留所公式サイト、モルトウイスキー大全にはつづりなし
 2)フィド(人名)の谷    Gleann Fidach   グレン フィダハ
 3)森がある谷 木がある谷  Gleann Fhiodhaich グレン ユーガヒ

鹿の谷という解釈は、原出典1)にもあげたように、蒸留所の公式サイトにも載っている解釈である。しかし、この公式サイトにもモルトウイスキー大全にもゲール語のつづりは載っていない。
ここでは、蒸留所の主張は、主張で理解しておくことにしよう。

では、次にPeatFreakの解釈を見てみよう。Fid という人名からきた Fidach というピクト人の古い地域名称が由来であるとしたうえで、鹿の谷は商売道具だと言い放ち、蒸留所のゲール語解読を一蹴している。このつづりでは、グレンフィダハと発音される(もちろんハはゲール語の CH である)。

さらに、スコットランド議会サイトの解釈では、Gleann Fhiodhaich と解釈して、森のある谷とか木のある谷という意味だとしている。これなら、発音は グレン ユーガヒとなる(Fh はサイレントのため発音されない、ヒはゲール語の ch である)。このサイトでも同様に、鹿の谷という解釈を批判している。

また、この森がある谷という解釈は、蒸留所の公式サイトでも裏付けがあった。原出典1)にあげた記述をよく読むと後半には、蒸留所を作った当時は、森に囲まれているような地域だった。少なくとも、地名的には要件は備えているということである。

蒸留所がゲール語で由来を主張していても正しいとは限らない。肝に銘じておこう。

原出典
1)鹿の谷 グレンフィディック蒸留所の公式サイトにもゲール語のつづりはない。
  A journey to the home of Glenfiddich makes you appreciate each mouthful even more. "Glenfiddich" means "Valley of the Deer" in Gaelic and, if it sounds like something straight out of a film, being there lives up to all expectations.
  In the heart of the Highlands, surrounded by forest, the ruins of a medieval castle and a natural spring, is a landscape little changed since 1886. That's when Glenfiddich's founder, William Grant, gathered his family of nine children to build the distillery with their bare hands. Around one year later, on Christmas Day, 1887, the first Glenfiddich spirit trickled from the stills. (必要なところを抜粋)
  http://uk.glenfiddich.com/world/distillery/index.html

1)のつづき 鹿の谷
 土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P108-109.

2)フィド(人名)の谷 "Fid's Glen"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) Fidach is a old Pictish province name. Fid is most likely a first name. "The Glen of the Deer" is more a marketing tool :). Note that again the ending ch is pronounced as in the word loch, and not as a hard k sound.
 http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

3)森がある谷 木がある谷 
  Gleann Fhiodhaich
  "The glen at the wood place". It is often assumed that this name is based on fiadh, "deer", but in fact the root is fiodh, "wood".
 http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

辞書サイトは下記をつかった
 http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

fiadh
a deer, Irish fiadh, Early Irish fiad, Old Irish fiadach, venatio, Welsh gwydd, Breton guez, goez, savage, *veido-s, wild; Old High German weide, a hunt, German weide, pasturage, Norse veidr, hunting; further is Gaelic fiodh, wood, English wood. Hence fiadhaich, wild.

fiodh
wood, so Irish, Old Irish fid, Welsh guid, gwydd, gwydden (sing.), Cornish guiden, Breton gwezenn, tree, gwez, trees, Gaulish vidu- *vidu-; English wood, Anglo-Saxon wudu, Old High German witu. Hence ++fiodhcheall chess play, Early Irish fidchell, Welsh gwyddbwyll, "wood-sense", from fiodh and ciall. Also fiodhag, wild fig, fiodhan, cheese-vat.

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2006年6月17日 (土)

新しいゲール語の辞書買った

新しいゲール語の辞書を買った。これまでの辞書には、語彙にやや不満があったためだ。
  Gaelic-English/English-Gaelic Dictionary
   (Hippocrene Practical Dictionary)
  ペーパーバック: 252ページ
  出版社: Hippocrene Books (1999/09)
  ISBN 0-7818-0789-1
  価格:12.95米ドル
以前から使っていた2冊に加えてこれで辞書3冊体制になった。
驚いたのは、これがニューヨークの出版社からだされていたこと。ゲール語→英語と英語→ゲール語の辞書なので、英語はアメリカつづりが採用されているかというとそんなことはなくて、英国のつづりが採用されている。
この小型のゲール語/英語:英語/ゲール語辞書の表紙には、アザミの花の写真が採用されていて、とてもスコットランド的な雰囲気を醸し出している。蒸留所名解読もちょっとははかどるかしら(笑)。Newdic

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2006年6月16日 (金)

グレンファークラス Glenfarclas

蒸留所名のゲール語解読を続けていく。
これは、サッチャー元英国首相が愛飲しているシングルモルトのブランド名であり、蒸留所名であり、地名である。このゲール語の意味については難解で、公式ホームページにもゲール語での説明はない!
  http://www.glenfarclas.co.uk/
しかも、Grantown博物館が発行した Gaelic meanings of Strathspey names という小冊子には、この地名の意味は不明とでている。それをあっさりとマイケルジャクソンとモルトウイスキー大全では、意味が同定してある。この点に注意されたい。

解釈例
1)緑の草原の谷間 モルトウイスキー大全にはつづりはあげられていない
1’)(英語版)Valley of Green Grass これの土屋氏の日本訳が1)だと思う
2)速い流れの谷 Gleann Farghlais グレン・ファーグラッシュ

さて、解釈例である。
1)と1’)は、マイケルジャクソンと土屋氏による解釈であり、例によって、ゲール語のつづりはなく、権威がいうことは信じておけというスタイルで書かれたモノである(わたしはとうてい信じる気にはなれないが)。
また、このサイトでよく取り上げるPeatFreakであるが、これもほとんどの蒸留所のゲール語つづりはあげてあるというのに、この蒸留所に関してはつづりがない。やましいと思われても仕方あるまい。
 下記のように解釈するとマイケルジャクソンや土屋氏や PeatFreak のように解読できるのではないかという手がかりは得た。ちょっとは彼らに感謝されるかもしれない(笑)。
 緑色(形容詞で)というゲール語に glas(グラス) という形容詞をあてる。草地(英語でgrass)には feur(フェーア)という男性名詞をあてて、その属格 feoir(フォー)という形にかえる。すると、Gleann Feoir Glas (グレンフォーグラス)というようにできる。それらしく見える発音とつづりのように見える。

次に、全く違う解釈をしているスコットランド議会サイトの解釈例をあげておく。
下記にも示したように、Gleann Farghlais と書いて速い流れの谷(The glen of the over-stream)という解釈をしている。しかし、簡単ではない。
 まず、英語でいうと over という意味があるゲール語の接頭辞 far- を持ってくる。次に、glas を持ってくるが、現代の意味ではなく、glaiseach のように stream という意味がある単語の元になった glas を持ってくるという手法をとっている。現代の glas は、lock(水門、錠)や緑、灰色というような意味であるが、stream という意味も含めて glas が元になっているからという論法のように見える。
これで正しい解釈であるかどうかはよくわからない。

よくわかったことは、地名でもあるこの Glenfarclas の意味は、学者の間でも議論があるのだと認識しておいた方がよいということ。いちウイスキーライターや蒸留所の人たちの思いで決められる解釈ではないということだ。

原出典
1)緑の草原の谷間
 土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P106-107.

1’)Valley of green grass  ゲール語のつづりはない
 Michael Jackson's Malt Whisky Companion 4th Edition(1999) P142.

1’)つづき  ゲール語のつづりはない
 "Valley of the Green Grass"
 http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)the glen of the over-stream
 Glen Farclas (Banff), Gleann Farghlais "The glen of the over-stream".
 http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesA-B.pdf

辞書サイトは下記をつかった
 http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

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2006年6月11日 (日)

グレネスク Glenesk

蒸留所の解釈をつづけていく。これは、地名であるし、ウイスキーのブランド、蒸留所名である。モルトウイスキー大全には、ブリトン語を含んでいるという解釈が載っていたが、他のサイトでは、普通通りゲール語で解釈してあった。

解釈例をまずあげておく
1)ゲール語+ブリトン語で川 Gleann Esk
2)ゲール語で、水の谷 Gleann Uisge
3)ゲール語で、川の谷 Gleann Easg
4)ゲール語で、川の谷 Gleann Easga (本サイトの理解するゲール語でのつづり)

ゲール語かブリトン語かは、よくわからないが、なぜゲール語でなくブリトン語なのかってことは、モルトウイスキー大全には説明がない。
PeatFreakでは、Esk をゲール語 Uisge(水)からきているとして説明している。
スコットランド議会サイトでは、Esk は Easg からきているとしている。一見発音が違うように見えるが、ゲール語 Easg はエスクと発音される。
しかしながら、~のという意味にするためには、属格にする必要があるので、正しいつづりは4)のように、Gleann Easgaになるべきだと思う。

では、意味を考えよう。どうやら、Esk を水と解釈しているが、スコットランド議会サイトは Easg というつづりをあげているが、これは、自然にできた(細い)水路→川ということ意味である。
まぁ、水でも川でもよかろう。ちなみに、この easg は既に死語となっている。

原出典
1)エスク川の谷 Eskとはブリトン語で川 
 土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P104-105.

2)水の谷 "Glen of the Water"
   Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) uisge (Scottish Gaelic - water).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

3)Glen Esk (Angus), Gleann Easg
  "The glen of the Esk"
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

参考サイト
1)地名での easg の意味
  easg nmf easga g easgan pl marsh, swamp, ditch formed by nature
  http://www.ordnancesurvey.co.uk/freefun/didyouknow/placenames/Gaelic_guide.pdf

辞書サイトによる説明
1)easg
  a ditch, fen, Irish easgaidh, quagmire, easc, water, Early Irish esc, water, fen-water, Old British @GI@'ska, the Exe (Scotch Esks), *iska, water, *(p)idska; Greek @Gpi@ndax, well, @Gpiduw, gush. The Welsh wysg, stream, Old Welsh uisc requires, *eiska, from peid, pid.
  http://www.ceantar.org/Dicts/search.html

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2006年6月10日 (土)

グレンエルギン Glen Elgin

蒸留所のゲール語解読を続けよう。久々にちゃんとゲール語として意味がわかった(笑)。
モルトウイスキー大全には、解釈が載っていないが、PeatFreakとスコットランド議会サイトには意味がのっている。

解釈例
1)ゲール語で、小アイルランドの谷 Gleann Eilgin

グレンは、もう説明は不要だろうが、ゲール語 Gleann からきている谷という意味である。
エルギンは、ブレアアソールのところでも述べたように、Banbha、Eiru、Fodla(Fotla)という3人の女神がアイルランドを暗示するところからきていて、Eiruから取られたと思われる。
PeatFreakのサイトでは、よりはっきりとEalgでアイルランド、inがゲール語の語尾で小さいを意味して、Ealginで小アイルランドという意味であると書いてある。
Elginは最近まで英語でもLittle Ireland として知られていたというスコットランド議会サイトの記述がそれを裏付けている。

原出典
1)"Glen Little Ireland"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) ealg (Scottish Gaelic - old name for Ireland) in (Scottish GAelic suffix for 'litte').
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1)の続き
  Glen Elgin (Moray), Gleann Eilginn.
  "The glen of Elgin".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

1)のさらに続き
  Elgin (Moray), Eilginn.
"Ireland". Eilg, like Banbh, Eire and Fotla, was a by-name for Ireland, attached by the Scots to many places during their settlement. An area of Elgin was known as Little Ireland until recently. A native of Elgin was known as an Eilgneach, the same term applied to people from Glenelg. The full Gaelic name is Eilginn Mhoireibh, "Elgin of Moray".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesC-E.pdf

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2006年6月 8日 (木)

グレンダラン Glendullan

これは蒸留所名であるが、地名ではない。
モルトウイスキー大全には、解釈が載っているが、おなじみのPeatFreakのサイトには、解釈がでていない蒸留所名である。

解釈例
1)ゲール語で、ダラン川の谷 ゲール語のつづりはでていない。

グレンは、もう説明は不要だろうが、ゲール語 Gleann からきている谷という意味である。Dullanも英語のサイトでは、River Dullanのような記述を見かけることがあるが、ゲール語のつづりはわからなかった。

本来なら、Dullanがどんな意味を持っているのかを調べたかったのだが、これ以上の調査は今のところわたしの限界となっているのでお許しいただきたい。

原出典
1)ダラン川の谷 つづりは示されていない
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P100-101.

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2006年6月 4日 (日)

グレンドロナック Glendronach

これも地名、蒸留所名であり、ウイスキーのブランド名でもある。
これにはモルトウイスキー大全に書いてある解釈しかないのだが、お暇な方は「Glendronach gaelic」で、検索をかけてほしい。すると、Glendronach とはゲール語で、Glen of brambles とか Glen of blackberries という意味だと書いてあるサイトがいくつもある。これをクロイチゴの谷と訳したのが、モルトウイスキー大全にでているものだと思われる。brambleは、三省堂EXCEED 英和辞典には、木イチゴやイバラ, 野バラ; クロイチゴの木とでているそうだ。
なら、簡単につづりがわかるだろうって思うでしょう?これが全く逆で、ゲール語のつづりをあげてあるものは見つけられなかったのだ。結構頑張ったのに~。

解釈例
1)ゲール語で「クロイチゴの谷」 つづりは示されていない。
2)ゲール語で、背の曲がった(ような)谷 Gleann Dronnaig 独自解釈

まず、いろいろ苦労した上に、クロイチゴの谷とした場合のつづりを見つけた。ちょっとは土屋さんたちに感謝してもらえるかもしれない(笑)。
まず、brambles に相当するゲール語は droigheann(ドロニアン)とでている。さらによくみると droighneach(ドロニアハ)という古いつづりもあげてあった。つまり、この古いほうのつづりを採用すれば、Gleann Droighneach でグレンドロニアハと読めて、英語でグレンドロナックとなっても不思議はあるまい。
しかし、ここで何度も取り上げている PeatFreak のサイトにもつづりは書いていないし、スコットランド議会サイトにも取り上げられていない。

つづりがかいていない解釈は信用しないというのがわたしの基本スタイルである。

では、なぜ2)の解釈になったかをあげておこう。
まず、次のサイトをみてほしい。
 http://www.dufftown.co.uk/stephen_lunn_report%20may2003.htm
必要な箇所を抜粋する。
  Our guide was to be Tom Lee, who started of by showing us the Dronac burn (not Dronach, as so many writers would have us believe).

つまり、現地に流れている川は Dronach 川じゃなくて Dronac 川だってこと。そこから発音のゲール語がないか調べてみた。すると dronnag というのがみつかった。ゲール語では、最後の g は k のような発音になるので、ドロナクというような発音になる。英語のDronacとおなじでしょ? これは、背中、背骨(背骨がまがったような)という意味でもある。
そして、なんとアイルランドゲール語では、dronnach(これはもちろんドロナハという発音になる) と書いて「背中が曲がった」「弓なりの」という意味である。

ちなみに、dronnag を属格にすると、dronnaig となるため、Gleann Dronnaig というのがゲール語のつづりとなる。ちなみに、Beinn Dronnaig というのは、インバネスのずっと西にある実在する山の名前でもある。つうことで、地名に使われていた言葉ということで自信を深めたのであった。

で、地図を見てみましょう。グレンドロナックっていう谷とそのとなりの川は、いい具合に曲がっていますよね~。背骨風の曲がり具合だと思いません?

わたしの取り上げた、「背骨が曲がったような形の谷」というのは、信用されてなくて仕方がないと思うのだが、クロイチゴの谷というのも信じるにたるような資料を集められるような説でもないということはおわかりいただけると思う。

クロイチゴの谷という解釈をずっとあやしいと思っていた。やっとなんとかそれらしい解釈を見つけ出したので、思い切って書いてしまうことにした。根拠付きなら批判大歓迎である。

原出典
1)ゲール語で「クロイチゴの谷」
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P98-99.

1)の参考サイト
  http://www.ceantar.org/cgi-bin/search.cgi

2)doronagがでている辞書サイト
  http://www.ceantar.org/Dicts/search.html
  http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

3)アイルランドゲール語 dronnach がでているサイト
  http://www.englishirishdictionary.com/dictionary?dict=ie&word=dronnach

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2006年6月 3日 (土)

グレンカダム Glencadam

とてもおいしいクリーミーな味のするウイスキーと蒸留所につけられた名前である。地名ではないので、どんな意味かはその付けた人と継承者でないとただしくわかないっていうパターンでもある。
この意味はモルトウイスキー大全には載っていない。地名ではないので、スコットランド議会サイトにも載っていない。かろうじてPeatFeakのサイトにもでているぐらいだ。それをあげておこう。

解釈例
1)ゲール語で、カダム谷 Gleann Cadam

グレンは、もう説明は不要だろうが、ゲール語 Gleann からきている谷という意味である。Cadamは、PeatFreakのサイトによれば、意味はわからないが、家の名前だそうだ。
それ以上は、わからない。

原出典
1)カダム谷(カダムは意味がわからないが家の名前)
 Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country).Cadam is the name of a house with unknown meaning.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

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2006年6月 1日 (木)

グレンバーギ Glenburgie

これも蒸留所名であり、Burgieというのは地名でもある。
これについては、モルトウイスキー大全には地名の意味は載っていない。スットランド議会サイトとPeatFeakのサイトには同じような解釈がでている。議論はあまり必要ではあるまい。

解釈例
1)ゲール語+ノース語で、砦のある谷 

ゲール語でと書いたが、burgie はノース語 borg 由来で、砦があるという意味だとスコットランド議会サイトとPeatFreakのサイトとも書いてある。glen → gleann は説明不要であろう。
しかしながら、ヴァイキングがもたらした言葉が英国の地名にどのような影響を与えたかをまとめたサイトには、この burgie → borg については説明がなく、わたしにはこれ以上追跡できなかった。

原出典
1)Burgie (Moray). 
  This appears to be Norse borg, "fort", with a Gaelic locative.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesA-B.pdf

1)つづき
 "Glen of the Fort" Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) borg (Norse - fort).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

参考サイト
1)http://www.ordnancesurvey.co.uk/freefun/didyouknow/placenames/Scandi_place_names.pdf

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2006年5月26日 (金)

グレンアラヒー Glen Allachie

これも蒸留所名であり、地名である。
これについては、モルトウイスキー大全に載っていた解釈と同じような解釈がスコットランド議会サイトにもPeatFeakのサイトにもでている。あまり議論しなくてもよさそうである。

解釈例
1)ゲール語で、石の多い場所にある谷 → 石の多い谷 
  Gleann Aileachaidh グレン アレヒャー

ゲール語の谷は解説不要と思うが、英語とはつづりが違うことぐらいが注意点か。あとは形容詞で、石の多いって意味で、Aileachaidh が後についている。
ただ、形容詞としては、aileach の方が普通かなと思うので、aileach を一度名詞化しておいて、その属格が使われているかもしれない。

原出典
1)岩だらけの、石の多い谷
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P92-93.

1)のつづき
  Glen Allachie (Banff) Gleann Aileachaidh. "The glen at the rocky place".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesF-J.pdf

1)さらにのつづき
 "The glen at the Rocky Place" Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) Aileachaidh. Note again that the ch is pronounced like the ch in loch.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

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2006年5月22日 (月)

グレンアルビン Glen Albyn

これは既に閉鎖された蒸留所名である。地名ではないので、真意はその名前を付けた人でなければわからないということを前置きにしておいて、解釈例を示しておく。

解釈例
1)ケルト語の「陸地」Albion から
2)ゲール語で、スコットランドの谷 Gleann Alba 

1)の解釈は、モルトウイスキー大全のものである。Albyn は、Albionから来ているとしている。、元々ラテン語の”白い”という意味の”albus”からできているケルト系言語ではないかということが Oxford Compact Dictionary には書いてあるし、オンラインで検索もできる。
この Albion は、Oxford Compact Dictionary には、イングランドもしくはグレートブリテン島のことと書いてある。なぜ、「白い」がイングランドやグレートブリテン島のことになるかと言えば、フランス方面から英国にやってくるとドーバーやセブンシスターズに代表されるような白い崖が最初に見える英国の特徴的な景色だからである。

ただし、ケルト系言語でグレートブリテン島のことを指すと書いてあっても、どの言語かということは書いていないので注意が必要である。

2)の解釈は、PeatFreakに載っていたものだが、大きな疑問がある。スコットランドの谷とするなら、何度もでてきたようにスコットランドの部分を属格にするか、”スコットランドの”という意味の単語を持ってくるかである。後者については、Albannach という単語があって、通常なら Gleann Albannach となるはずだからである。

下に取り上げたカナダのサイトでも Albyn は、Albion からとしてあるので、1)の解釈の方をとっておきたい。

原出典
1)Albyn は「陸地」という意味の Albion から 
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P90-91.

2)"Glen Alba"
  Glen (Anglicised Scottish Gaelic word for gleann, river valley in mountain or hill country) Alba (old name for Scotland).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

参考サイト
1)Albion
  literary Britain or England.
 ORIGIN Latin, probably of Celtic origin and related to Latin albus ‘white’ (in allusion to the white cliffs of Dover).
 http://www.askoxford.com/

2)カナダのサイトでAlbynがAlbionからきていることを示すもの
  A word or two about the town: It was a Scottish settlement. The name is composite, "Strath," meaning "broad valley," and "Albyn" from "Albion," an early name for Great Britain, or Scotland.
http://www.mun.ca/rels/restmov/texts/htaylor/MEMOIRS.HTM

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2006年5月21日 (日)

フェッターケアン Fettercairn

これも蒸留所名であり、地名である。モルトウイスキー大全とPeatFreakにはゲール語とブリトン語の混合した地名と書いてあるが、スコットランド議会サイトでは、ゲール語+ピクト語の混合としている。ピクト語もブリソニック系言語であるため、大きな差はないと思う。
ただし、地名の意味については、モルトウイスキー大全とPeatFreak、スコットランド議会サイトではやや異なっているで注意が必要である。

解釈例
1)ゲール語+ブリトン語で、斜面の上の森  
2)ゲール語+ブリトン語あるいはピクト語で、雑木林がある緩い斜面
  Fothair Chardainn フォアーハァタン

1)の解釈は、モルトウイスキー大全のものである。cairnはブリソン語の carden で、森という意味だとしていて、「斜面の上の森」という意味だとしている。

2)のつづりは、スコットランド議会サイト(原出典2)にあったものである。ピクト語由来のCardenをゲール語風に cardann とつづり、さらに属格を Chardainn にしている。この carden は、森や雑木林という意味と書いてあるが、ピクト語もブリトン語も知らないので、正しい意味かどうかはわたしではわからない。

PeatFreakのサイトでは、carden ではなく、cardden というつづりを採用してブリソン語系ケルト語(ブリトン語、ウェールズ語、カンブリア語、ピクト語のうちどれかってこと)としている。どっちが正しいかはこれまたわたしではわからない。
ウェールズ語にもあるかと思って調べてみると coedlan という上と似たようなつづりのウェールズ語があって、雑木林や森と意味だそうだ(下記参考サイト参照)。

順番が逆になったが、fetter の部分が緩い斜面という意味であるということについては、スコットランド議会サイトも PeatFreak のサイトも同じなのに、つづりはそれぞれ Fothair と Faither と違っている。参考サイト2)をみると、その他に foithir というつづりもあって、どれでも使われていると見た方がよさそうである。

1)と2)の違いは、森を主体にしてみるか斜面を主体にしてみるかの違いであるが、単語の作り方からすると斜面の Fothair が先に来ているので、2)の解釈の方が合理的であると考えている。

原出典
1)斜面の上の森
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P88-89.

2)Fettercairn (Kincardine), Fothair Chardainn.
  "Shelving or terraced slope at the copse", containing Pictish carden.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesC-E.pdf

2)のつづき
 "Wooded Slope" Faither (Scottish Gaelic - terraced slope or gradient) cardden (Brythonic Celtic - wood or copse).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

参考サイト
1)http://www.ordnancesurvey.co.uk/freefun/didyouknow/placenames/Welsh_guide.pdf
2)http://www.ordnancesurvey.co.uk/freefun/didyouknow/placenames/gaelic_place_names.pdf

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2006年5月20日 (土)

エドラダワー Edradour

これもよく知られたウイスキーのブランドであり、蒸留所名であり、地名である。これについては、二つの有力な解釈があるにもかかわらず、日本では片方しか紹介されていない模様。
その二つとも取り上げておく。

解釈例は次のの二つ
1)ゲール語で、エドレッドの小川  新聞スコッツマンのサイトにあったつづり 
                      Edred dhobar エトレト ゴワー
2)ゲール語で、二つの川の間    Eadar da(dha) dhobhar エターダゴワー

読みとしては、語頭の”d”は英語と同じだけれど、語中もしくは語尾の”d”は”t”に近い発音なので、上記のようなゲール語読みにしてある。

1)の「エドレッドの小川」という解釈については、その出典を見つけるのがあまりやさしくはなかった。私が見つけたのは、新聞スコッツマンのサイトにあった例と少し変形してEadarraの川としてあった辞書サイトの例である。ただし、そのスコッツマンのサイトにしても、2)の解釈があることにもふれている。

2)の解釈は、これまで何度もでてきているスコットランド議会サイトとPeatFreakのサイトにでている解釈である。これは、蒸留所あるところが小さな二本の川の間にあるところからしても魅力的な解釈だと思う。

1)の解釈で違和感があるのは、ゲール語では、~の川などの表現のときには、~に相当する部分が川の後に続くのが普通で、前にくるのは例外的だからである。

今はどちらが正しいかはわからなくても、2つの有力な解釈があると知っておいた方が良さそうである。

原出典
1)エドレッドの小川 つづりは示されていない。
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P86-87.

1)のつづき
  Edradour Eadarra Dhobhar 
  http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

2)二つの川の間
  Edradour (Perth), Eadar Dha Dhobhar."Between two rivers".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesC-E.pdf

2)のつづき
 "Between Two Waters" Eadar (Scottish Gaelic - between) da (Scottish Gaelic - two) dhobhar(Brythonic Scottish Gaelic - waters).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

3)両者を紹介しているサイト 新聞:スコッツマン
  The name Edradour is thought to derive from the Gaelic "Edred dhobar" which means "the stream of King Edred" or "between two waters". (必要な箇所を抜粋)
  http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=609&id=2028012005

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2006年5月18日 (木)

ダフタウン Dufftown

これも地名、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。Dufftownには、現在8つの蒸留所があるが、町の名前がそのまま蒸留所の名前になっているのは、この蒸留所だけである。

解釈例
1)ジェームズ・ダフの名前をとって、ダフタウン(地元ではダフトンという)

解釈は唯一これのようで、ジャームズ・ダフという人の名前にちなんでつけられたそうだ。ただし、その前は、Balvenieと呼ばれていたのは、前にも書いたとおりである。
また、地元ではダフタウンではなくダフトンと呼ばれているそうであるが、それはDeanstonのところでも書いたように、スコットランド英語では町toun(つづり間違いではない)が ton というつづりや発音になることもあるからである。参考文献には、Hilton が Hill Toun → Hilton からきているなんて説明もある。

原出典は以下の通り
1)ジェームズ・ダフの名前をとってつけた
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P84-85.

1)のつづき
  Dufftown (Banff).
  The planned village here was named after the Duff family of Banffshire. Previously the settlement had been known as Balvenie.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesC-E.pdf

1)のさらにつづき
  Town named after James Duff who founded it. Duff comes from dubh (Scottish Gaelic -black).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

参考サイト
1)ton がスコットランド英語 toun からきていると書いてある文書
  http://www.ordnancesurvey.co.uk/freefun/didyouknow/placenames/Scots_guide.pdf

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2006年5月17日 (水)

ディーンストン Deanston

これも地名、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。モルトウイスキー大全には、この地名の解釈はなされていない。PeatFreakのサイトでは、ゲール語と英語での解釈がしてあるので、それを中心に紹介しておきたい。

解釈例
1)ゲール語で、丘もしくは砦 An Dun  アン ドゥーン
2)スコットランド英語で、ディーンの農場 Dean's farm

1)の解釈は砦という意味のゲール語である Dun からきたとしているが、Dun と Deanston では、あまりに違いが大きく、簡単には納得できない解釈である。

2)の Dean の農場は、スコットランド英語からきた解釈と思われる。これは、原出典の2)にも示してあるが、ton はスコットランド英語のtoun (英語のtown)からきたもので、町という意味と農場という意味がある。

わたしとしては、ディーンの農場もしくはディーン人の町というような解釈でいいのではないかと思う。

原出典は以下の通り
1)丘(砦)もしくはディーンの農場
  "The Hill (fort)", An Dun. Other sources translate it as "Dean's farm".
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)ton がスコットランド英語 toun からきていると書いてある文書
   http://www.ordnancesurvey.co.uk/freefun/didyouknow/placenames/Scots_guide.pdf

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2006年5月15日 (月)

ダルウィニー Dalwhinnie

これは地名、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。このゲール語の地名は複数の解釈がある模様であるが、例によってモルトウイスキー大全は、ゲール語のつづりをあげずに一つの説の説明しかしていない。

解釈例
1)ゲール語で、集結場 あるいは 中継所 つづりは示されていない
2)ゲール語で、チャンピオンの平原 Dail cuingid  ダールクンギト
3)ゲール語で、戦士の草地     Dail Chuinnidh ダールフニー
4)ゲール語で、狭い草地 もしくは チャンピオンの平原 つづりは示されていない

1)の集結場あるいは英語で Meeting Place という解釈は多くのサイトにでているので簡単に検索できると思う。しかしながら、ゲール語のつづりがでているサイトについては、見つけることができなかった。ということで、基本的に信用できる要素がない。

2)と4)のチャンピオンの平原は、実は3)の戦士の草地などと同じような解釈である。
Dailが平原や草地という意味であり、cuingid がチャンピオン、ヒーロー、戦士などというゲール語だからである。PeatFreakのサイトは、属格を正しく知らないのか正しく書いていないのかわからないが、「チャンピオンの」とか「戦士の」という意味にするには、属格にする必要があって、それが chuinnidh とすべきである。ちなみに、chuinnidh はゲール語では、フを喉の奥から出してフニーのように発音する。
また、PeatFreakのサイトでは、"Field of the Champion" というように定冠詞付きのチャンピオンの平原としているが、それならばゲール語でも定冠詞を入れて、Dail a' Chuinnidh とならねばならず、ダールェフニーと発音されるため、この定冠詞が入らないほうが英語の発音により近いと思われる。それゆえ、解釈は2)と3)で近いけれど、つづりは2)が間違いで3)が正しいはず。

4)では狭い草地という意味が提案されているが、このゲール語のつづりは、「狭いこと(narrowness)」という名詞に cuingead というつづりをあて、その属格が Chuinnidh であれば、その解釈が可能であると思われる。しかしながら、cuingead までは探しあてたものの、その属格を明瞭に示すものはなかった。地形上は山に挟まれた狭い草地なので、とても魅力的な解釈なのであるが、いまはこの解釈をとらないでおこうと思う。確認できたらまた報告したい。

まとめると、Dalwhinnie はゲール語では Dail Chuinnidh と書き、ダールフニーのように発音する。チャンピオンの平原だと地名としてしっくりこないので、「ヒーローや戦士の平原あるいは草地」という意味だとしておきたい。

原出典は以下の通り
1)集結場 あるいは 中継所
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P80-81.

1)のつづき 
  "meeting place" ゲール語のつづりはあげていない
  Dalwhinnie is Gaelic for "meeting place" and the village stands at the junction of old cattle-droving routes from the west and north down to the markets of Crieff and Falkirk in the Central Lowlands. (必要な箇所を抜粋)
  http://www.dcs.ed.ac.uk/home/jhb/whisky/smws/102.html

2)"Field of the Champion"
  Dail (Scottish Gaelic - field) cuingid (Scottish Gaelic - champion). In the pronunciation, make sure the H sounds gets pronounced well.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

3)Dalwhinnie (Inverness), Dail Chuinnidh.
  "Warrior's haugh".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesC-E.pdf

4)the narrow meadow or the champions meadow
  The bridge on the old Wade Road (built long before the road through Newtonmore) from Dalwhinnie (Dail Chuinnidh -- the narrow meadow or the champions meadow) and Etteridge (Eadar Rais -- between the woods) to Ruthven Barracks is now visible.
  http://www.newtonmore.com/walks/walk9.htm

5)cuingid の属格が chuinnidh と書いてあるサイト
  http://www.st-andrews.ac.uk/institutes/sassi/spns/INDEX2CH.pdf

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2006年5月13日 (土)

ダルモア Dalmore

これは地名、蒸留所名そしてウイスキーのブランド名である。この解釈は、大きな問題はないだろう。

まず解釈例をあげておく
1)ゲール語で、川辺の広大な草地 (An) Dail Mor ダールモー(ル)(つづりはスコットランド議会サイトから)
2)ゲール語で、広い平原     Dail Mor ダールモー(ル) 

more は、ゲール語の mor からきており、大きいという意味であるのは既に何度も書いた通りである。するとここでの問題は、Dal をどう解釈するかだけということになる。
Dal を草地と解釈しているのが、モルトウイスキー大全やスコットランド議会サイトということになり、ダルモア蒸留所の公式サイトとも一致する。これで正解だと思う。

PeatFreakも、Dalを平原としており、大差はない。

原出典は以下の通り
1)川辺の広大な草地 ゲール語のつづりなし
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P76-77.

1)のつづき
  "big meadowland" ダルモア蒸留所公式サイト
  http://www.thedalmore.com/distillery/index.htm

1)のさらにつづき
  Dalmore (Lewis), Dail Mor or An Daile Mor; (Ross), An Dail Mor. In Lewis, the name means "the big valley", from Norse/Gaelic. See Dalbeg. In Ross it is the big haugh".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesC-E.pdf

2)"The Big Field"
  Dail (Scottish Gaelic - field) mor (Scottish Gaelic - big).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

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2006年5月11日 (木)

ダラスドゥ Dallas Dhu

これは蒸留所名である。Dallasという地名はあるが、Dallas Dhu はない。ゲール語で説明可能。

解釈例
1)ゲール語で、黒い水の流れる谷 Dalais Dubh  ダラシュ ドゥ
2)ゲール語で、黒い滝の谷もしくは黒い滝そばの平原 Dail Eas Dubh ダーリャスデュー

1)の解釈は原出典1)にあげたようにモルトウイスキー大全につづりまで書いてあった解釈である。また、マイケルジャクソンもつづりはあげていないが同様の解釈をしている。では、Dalaisという単独の単語に水の流れる谷とか水のある谷などという意味があるかというとそうではない。ただし、その中身についてはモルトウイスキー大全も Malt Whisky Companion にも記述がない。Dubh はすでに何度も出てきたようにドゥと発音する黒いという意味のゲール語である。Dalais がどう分解されるかは2)の解釈にあるとおりである(つまりわたしは1)の解釈は妥当だとは思っていないってこと)。

2)の解釈はわかりやすく自然である。Dailはダルユーインのところでも説明したように女性名詞(これ大事)で、ダールと読む。意味は、同様に平原、谷間、川辺の低地にある草地などである。Eas は男性名詞でエスと発音して滝という意味であり、属格も同形である。Dubhは1)の解釈にあるとおり。

ここで、Dubh の形について説明が必要だと思う。滝という意味の Eas は男性名詞であるため、この名詞を修飾するのであれば、Dubh はこのままの形でよいが、平原という意味の Dail は女性名詞であるために、これを修飾するには、Dubh は Dhubh と変化する必要がある。つまり、dubh という形のため、黒い滝がある平原という意味になるのであり、Dhubh であれば、滝がある黒い平原という意味になっていたはずである。

ところで、2)の続きにあげたMaltManiacsのサイトについては、ご存知の方も多いと思うが、この蒸留所の意味についてはPeatFreakと同じ意味をあげているものの、ゲール語のつづりとして"Dai leas dubh" をあげている。Dai leas と Dail eas を間違えて、全く意味不明のつづりとなっているので注意が必要である。まぁこのサイトの作者もゲール語は知らなさそうってことですね(笑)。

わたしは、今回はPeatFreakに賛成しておこうと思う。
ちなみに、黒い水の谷という解釈をしてあるサイトは他にも沢山あるが、ゲール語のつづりがあげていないサイトがほとんどのため、マイケルジャクソンに代表してもらって他の例はとりあげていない。

原出典は以下の通り
1)黒い水の流れる谷
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P76-77.

1)の続き
  Black water valley ゲール語のつづりはない
    Michael Jackson : Malt Whisky Companion 5th Edition P200.

2)"Field by the Black Waterfall"
  Dail (Scottish Gaelic - field) eas (Scottish Gaelic - waterfall)dubh (Scottish Gaelic - black).
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)のつづき
 The original meaning of the name "Dai leas dubh" means "Fieldby the Black Water fall" or "Black Water Valley", although some accounts list the Gaelic name as "Dalais Dubh". (必要箇所を抜粋)
  http://www.maltmadness.com/mm17a.html

参考)地名のダラスのみの解釈:草地
  Dallas (Moray), Dalais.
"Haugh place". The present village replaced the older Dolais Mychel or Dalais Mhicheil which was located at Torechastle.
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesC-E.pdf

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2006年5月10日 (水)

ダルユーイン Dailuaine

これも地名であり、蒸留所名である。これは、まだ飲んだことがないウイスキーでもある(笑)。

解釈例
1)ゲール語で、緑の谷間 モルトウイスキー大全にはつづりなし
2)ゲール語で、緑の低地にある草地 An Dail Uaine アン ダール ウーァン

まず、Dailは女性名詞で、ダールと読む。意味は、平原、谷間、川辺の低地にある草地などである。Dailuaine蒸留所があるところは、Burn of Carron と Balliemullich Burn という2本の川があって、川辺の低地にある草地というイメージにぴったりのところである。
Uaine は形容詞で緑色ってことで、発音はウーァンである。

原出典は以下の通り
1)緑の谷間
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P74-75.

2)"The Green Meadow"
  An Dail Uaine. In the pronunciation the OO is pronounced like the oo in cool.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)のつづき
  Dailuaine (Banff), An Dail Uaine. "The green haugh".
  http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesC-E.pdf

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2006年5月 1日 (月)

Convalmore 追記

この蒸留所名はゲール語でないと感じたとたんに気合いが入らなくなってしまったため、いい加減なことも書いてしまったのではないかと反省。いつも批判している誰かと同じだったってことだ(言い訳すれば、Convalという地名の解説をなかなか見つけられなかったのだ。普段見ているスコットランド議会サイトにもでていないし、苦労はしていた)。

Conval は人名の可能性が高く、それはキリスト教の聖人の一人だと思うというようなことを書いた。しかし、pengo さんが、それはグラスゴーのそばですよね~という指摘をしてくれたので、もうちょっとまじめに調べる気になった。
さらに、more は何?という質問もいただいた。これは、大きいという意味のゲール語 mor からきているものである。

蒸留所そばには、Meikle Conval や Little Conval という山がある。そして、St.Convalという聖人も見つけたため、安直にキリスト教の影響だと勝手に決めていた。でも、もうちょっと検索をしてみると vestiges of Danish camp という記述があって、ヴァイキングがやってきた痕跡ということがわかった。Meikle はヴァイキングの名前だったのである。そして、一人のヴァイキングの名前を Conval の前につけて呼ばれている山が Meikle Conval ということになる。

http://www.electricscotland.com/history/gazetteer/vol1page284.htm

って、ことは Meikle がやってくる前に Conval という名前があったということである。

んで、上にあげたURLにでている Conval をゲール語にして Coinne mheall というつづりになるとうことが書いてある。ついに見つけた? Coinne は女性名詞でコーンとよみ「角」という意味。meallもこぶや塊という意味の男性名詞でメールと読むが、属格になっているため mheall になってヴェアルのように読む。あわせて、コーンヴェアル(コンヴァルに近いでしょ?)となる。さらに、それに大きいという mor がついている。
全部あわせて、コーンヴェアルモー(ル)と読んで、「大きなこぶの角」というような意味となる。山の頂の名前としては変じゃないと思う。
ってことで、十分にゲール語での解釈が可能な名前だったのだ!
ただし、本当にそうかどうかは蒸留所の命名者とそれを正しく知っている人々に聞くしかないとも思う。

いくらゲール語由来じゃない感じたからって安直なことは書いてはいけないと深く反省したのであった。皆さんごめんなさい。

今回の出典は上記URLの他は辞書サイトがあれば十分。

辞書サイト:http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

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2006年4月29日 (土)

クレイゲラヒ Craigellachie

次はクラガンモアの順番なのであるが、これはもう終わっているのでそちらを見て欲しい

これも地名で蒸留所名である。前にも一度簡単に書いたことがある

なかなか簡単にはわからない地名の一つである。実はグラント氏族にとってはホームタウンのような場所であって、彼らにとっては非常に重要な地名なのに、その由来が正しくはわかっていないようであるというのが意外なことだった。このあたりのことは原出典3)を見てもらえればよくわかる。それをあたかも唯一の答えのように「無情に突き出た大岩」と断じている不思議な日本のウイスキー本もある。

解釈例
1)無情に突き出た大岩(モルトウイスキー大全)つづりは書いていない
2)石の多い場所の岩 Creag Ealeachaidh あるいは Creag Eileachaidh
    読みは クリゲエラヒャ のような感じ
3)グラント氏族の集合 Cruinneachadh na'n Grandach
  読みは クリュニアヒャク ナン グランタッハ

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2006年4月28日 (金)

コンバルモア Convalmore

蒸留所の名前解読を続けていくが、この名前もゲール語由来ではなさそうである。
Convalmoreという地名はないので、蒸留所が独自の名前をつけたものである。蒸留所の仕込み水がConval Hill のものなので、蒸留所の名前を Convalmore と付けたとある。
蒸留所のそばには、コンバルヒルという丘があると書いてあったが、わたしが見つけたのは、Little Conval という丘のみである。Little Convalがあるぐらいだから、Conval Hill もあるんだろうと不思議な納得もしてしまう。わたしが見つけたのは、Meikle Conval という山とConvalleys という集落の名前までである。
Convalというのがなんなのか?っていうのを調べてみたが、ゲール語にそれらしいものはなかった。St.Convalといわれる聖人(英語名)がいて、その人を記念した教会などがあるので、その人にちなんでつけられた地名ではないかと思う。

原出典
1)名前は近くのコンバルヒルの丘からつけられた
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P68-69.

1)のつづき
  Named after the Conval hills located just north of Dufftown
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

1)のさらにつづき
  St.Convalという聖人がいたと思われる例
  St Conval's Church of Scotland(一部抜粋)
  http://www.faqs.org/faqs/cultures/scottish/scottish-faq/ 

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2006年4月25日 (火)

検索ワードランキング(4月17~23日)

先週の検索ワード・フレーズランキングをいつものように書いておく。
ゲール語の発音についての検索があって、結構ハッピーだった。その他、先週に引き続き、サッカーのスコットランド代表が来日するため、その関係の検索でもひっかかった模様。また、床屋のサインポールについても、地味な人気がある(笑)。

「ウイスキー グレンギリー 」と「Glen Garioch」という検索があって、妙にうれしかった。というのも先日のゲール語のレッスンのときに先生にこれを読んでもらって、先生はきれいに無声音の ch をだして、グレンゲーリッヒってな感じで発音していたのを聞いていたから。ってことで、マイケルジャクソンは、無声音の ch を聞き取れなかったのではないかという疑惑はますます大きくなった(笑)。

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2006年4月22日 (土)

クライヌリッシュ Clynelish

だいぶたまってきた蒸留所のゲール語解読。まだまだ続く。ところで、このゲール語解読に登場する蒸留所のカタカナ表記。ときどき納得はできない読み方があるけれど、基本的にはモルトウイスキー大全に従っている。その方がわかりやすいかなと思うから。文句があるならその著者に言ってね(笑)。なんでこれを書いたかというと、この蒸留所については、例えば、マイケルジャクソンは、Malt Whisky Comapnion 5th Edition で、クラインリーシュと読めと書いていたりして、必ずしもモルトウイスキー大全の読み方が正しいとは限らないような気がするから。

さて、解釈例
1)金色の湿地という説があるが確かなことはわからない(モルトウイスキー大全)
  (かなり素直じゃん(笑))でも、つづりは書いていない
2)斜面状の庭 Claon lios クルーンリース (PeatFreak)
3)耕作された土地もしくは農場 ゲール語のつづりなし
4)庭園がある草地 もしくは 果樹園の草地 Cluain lise クルーェンリーシュ
 (本サイト独自)
5)クラインのみについては 草地 と 傾斜 の2種類の解釈がある模様

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2006年4月21日 (金)

カードゥ Cardhu

蒸留所の解釈をつづけていく。
これも地名と蒸留所名とウイスキーのブランド名になっている名前である。Cardhu とも Cardow とも書かれるが、いずれも英語のつづりである。Cardhu は、ゲール語風だが、決してゲール語ではない。
実は、私も深く考えずに黒い岩だと思っていた。この分野に感心がある日本の多くの人がそう思っているに違いない。よく考えると、dhu が黒いの dubh もしくは dhubh からきているので、ドゥのところはいいとしても、岩を Creag(クリーク)と考えるとカーという発音になるのが変だとわかってもらえると思う。
そこで調べてみたら、マイケルジャクソンとその本を日本に紹介した人々が「黒い岩」としているので、その本の影響力で広まったのではないかと思われる。でも、「黒い岩」は違うんじゃないの?と思うところを書いておきたい。

解釈例をまずあげておく
1)黒い岩 モルトウイスキー大全 Malt Whisly Companion 5th editionにはつづりなし
      PeatFreakは Creag Dubh
2)黒いこけが生えた土地  Cathar Dubh(カードゥ)

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2006年4月18日 (火)

キャパドニック Caperdonich

蒸留所の解釈をつづけていく。
これは蒸留所名とウイスキーのブランド名になっている名前であって、地名ではない。
つうことは、由来を正しく知らない限りは、ゲール語の解釈もなにもあったものではない。BenRiachと同じ事になる。

解釈例をまずあげておく
1)秘密の井戸 モルトウイスキー大全とPeatFreakにはゲール語のつづりなし
2)秘密の水源 Malt Whisky Companion つづりなし

マイケル・ジャクソン氏も土屋氏は、ゲール語のつづりをあげていないので、どんな根拠をもって判断したか難しい。また、PeatFreakも同じにようにつづりをあげていない。ってことは、ゲール語のつづりはわかっていないってこと?
調べてみてすぐにわかった。ゲール語のつづりを見つけるのは結構大変だったのだ。

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2006年4月15日 (土)

カリラ Caol Ila

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。
アイラ島にある蒸留所で、ジュラ島に面して、つまりアイラ海峡に面している蒸留所である。これは、解釈で困るようなことはあるまい。

提案されている意味は次のとおり
1)アイラ海峡   モルトウイスキー大全にはゲール語のつづりはない
             PeatFreakには Caol Ila とつづりが示してある

Caol は クールもしくはキュールのように発音し、海峡という意味である。Caol Ila は、アイラ島とジュラ島の間の海峡をさしており、まさにそのまんまの名前である。

英語でアイラ島のことをIsle of Islayというが、そのIslayは、ヴァイキングのお姫様からきたいう節がピートフリークには紹介されている。調べていて面白くなかった(笑)。

原出典
1)アイラ海峡
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P58-59.

1)つづき
  "Sound of Islay" Caol (Scottish Gaelic - sound) Ila stands for Islay (Anglicized), which might come from the personal name ile, which in mythology is a Danish princess who came from Ireland to Islay. During her crossing over the sea stones magically appeared for her to place her feet on. More information on ile can be found at the Islay entry.
  http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

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2006年4月12日 (水)

Macallan(マッカラン)を”聖コロンバの丘”と言ったのは誰?

以前にもマッカランについては、そのゲール語の意味について書いている。よく言われている聖コロンバの丘ではなく、ファラン(ゲール語名)/フィラン(英語名)の平原(教区)が正しい意味であろうということを書いた。本家本元のサイトでも The field of St Fillan と書いてある(といってグレンフィディックみたいに正しいかどうかは別だったりするんだけど、スコットランド議会サイトでも、PeatFreakでも同じ解釈が載っているので、これは正しいと思う)。ゲール語なら、Magh Fhaolain と書く。これがなんでマッカランと読めるかについては、繰り返しになるので、前の記事を読んでいただきたい。

しかしね~、マッカランの公式サイトがちゃんと”フィラン(英語名)の平原”って書いているのに、サントリーのサイトがいまだ聖コロンバの丘って書いてちゃだめでしょ(笑)。

まぁいいや、んで、ずっと疑問だったのはなんでこれを解釈すると聖コロンバの丘になるのか?ってこと。その疑問がひょっとしたら解けたかもしれないので、書いておくことにする。

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2006年4月 8日 (土)

ブナハーヴン  Bunnahabhain

蒸留所の解釈をつづけていく。アルファベット順で、やっとBまで終わることになる。
これも地名と蒸留所名とウイスキーのブランド名になっている名前である。日本語としては、河口という意味で異論がないのではないだろうか。
河口というゲール語が3種類あることについては、以前に書いたので参照いただければと思う
ここには、Abhainn Araig と Margadale River という2本の川が合流して流れていて、その河口そばに蒸留所がある。

解釈例をあげておこう。
1)河口 モルトウイスキー大全にはつづりはないが、
    スコットランド議会サイトでは Bun na h-Abhainne というつづりがあげてある
  英語では、 The mouth of the river という意味である。
2)結果的には上と同じ意味になるが英語・ゲール語の解釈が微妙にちがう解釈
  Foot of the rever Bonn abhain

スコットランド議会サイトの解釈によれば、英語で the mouth of the river ということであるが、これをゲール語で書けば、Bun na h-abhainn であり、そのスペースとハイフンを取ったのが英語のつづりということになる。

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2006年4月 7日 (金)

ブルイックラディ Bruichladdich

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。
アイラ島にある蒸留所で、ロッホインダールという大きな湾をはさんでボウモア蒸留所の対岸にある。これを最後の英文まで勉強したら、Glen Garioch をグレンギリーと読めるかもしれないヒントが隠されている。

提案されている意味は次のとおり
1)海辺の丘の斜面   土屋守氏の解読なれどゲール語のつづりはしめしていない
2)もりあがった海岸  蒸留所の公式サイトから ゲール語のつづりはかいていない
3)海岸の土手     Bruach a' Chladaich もしくは Bruach a' Chladaigh

いずれも似たような意味である。しかし、1)と2)はその根拠となるつづりが書いていないので、確かめようがない。3)の解釈はつづりとともに示してある。
では、確かめていこう。

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2006年4月 5日 (水)

ブローラ Brora

蒸留所名のゲール語解読を続けていきます。
もともとはクライヌリッシュといっていたのを、新しい蒸留所をつくったときに、そっちをクライヌリッシュにして、古い方をブローラと改名したそうだ(モルトウイスキー大全から)。
ちなみに、ゲール語のつづりはBrùraである。

解釈例
1)橋のある川 ヴァイキングがつけた地名 モルトウイスキー大全
  おなじ解釈は、他にもある。
2)谷の隆起したところ bru-an-t-sra ブルァンツラ

わたしは、ノース語の知識がないので1)の説については検証ができない。

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2006年4月 2日 (日)

Glen Garioch をグレンギリーって誰が言ったの?

Glen Garioch は、グレンギリーと読むんだよと日本のウイスキー本には書いてある。へ~って思っていたが、ゲール語の発音ルールに従わないとても不思議な発音だとずっと思っていた。でも、ウイスキー本が間違っているんじゃないかと思うので、そのあたりを書いておく。

パソコンが壊れないぎりぎりまでボリュームを上げて、次のエディンバラ大学のサイトの音声ファイルを聞いて欲しい。Glen Garioch のゲール語発音である。
 http://www.dcs.ed.ac.uk/home/jhb/whisky/sounds/g_garioc.wav
わたしには、グレン ゲーリッヒ(orホ)のように聞こえる。この最後のヒ(or ホ)は、日本語にないのどの奥から出す音で、かつ子音のみの音なので、カタカナのようなヒ(or ホ)には聞こえないが、注意して聞くとわかると思う。
この音は、イングランドやアメリカの英語にはない音だが、スコットランドではなされる英語には残っている音である。アクセントが単語の最初にあるので、のどの奥からだす最後の ch が弱くしか発音されない点が聞きづらくしている。

こまかいゲール語解釈はおいておくとして、Glen Garioch はゲール語で Gleann Gairbheach と書く。これをグレンギリーと発音するようなゲール語の発音ルールはない。

ずっとずっと疑問に持っていたことだったが、先日バーで飲んでたときに、そう言えばエディンバラ大学のサイトに音声ファイルがあるかもしれないと思って確認したものだ。

わたしは、 マイケルジャクソンがグレンギリーと聞こえると書いちゃった → 某土屋氏がそれを日本語翻訳した本を出版する → 日本では定説となる → 誰も検証してこなかった という展開ではないかと予想している(笑)。

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2006年4月 1日 (土)

ブレイヴァル Braeval

蒸留所名のゲール語解読を続けていきます。
ボウモアじゃないのって方はこちらをどうぞ。先に書いちゃったので
元々は Braes of Glenlivet と呼ばれていたのを、Glenlivet蒸留所との混乱を避けるために、何年か前に Braeval という名称に変更したのだそうだ。
この解釈は、PeatFreakのサイトにも載っていないし、モルトウイスキー大全にも全部は載っていない。また、ゲール語の解釈というかは後に書くが、正しい表現ではないかもしれない。

解釈例
1)ブレイのみの解釈 「谷の上部の急斜面の土地」
  モルトウイスキー大全 P50-51
2)丘の上部  Braigh(e) bhal  (これはわたしの解釈)

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2006年3月30日 (木)

Gaelic meanings of Strathspey names

Gaelicmeaning タイトルにある小冊子を2部買った。ストラススペイの2つの地域ごとに書かれたゲール語地名を解説したもので、グランタウン博物館(Grantown Museum & Heritage)で、一部50ペンスで売られていたのをネットで見つけて送ってもらったのだ。冊子は1部50ペンスで、2部でもたったの1ポンドだけど、送料と寄付で結果的にはトータル5ポンドかかった(笑)。一部は17ページで、もう一部は20ページの本当に薄くて小さな冊子である。

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2006年3月29日 (水)

ブレアアソール Blair Athol

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。これもゲール語で解読できる。おかげで、アイルランドの女神まで調べるはめになった(笑)。

解釈例をあげておこう
1)アソールのみの解釈をあげて「新しいアルランド」 モルトウイスキー大全より
2)新アイルランドの平原  Blar ath Fhodla(ブラーアーオトラ)

1)例によって、モルトウイスキー大全には、ゲール語のつづりがあげられていないので、どんな解釈によって、Athollを新アイルランドと解釈しているかは不明。

2)の解釈は、PeatFreakとスコットランド議会の調査の両方がこの解釈を上げているもの。
どちらも共通している。Blairについては、Balblairのところで説明したので、詳しくは説明しないが、平原という意味である。

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2006年3月25日 (土)

ブラドノック Bladnoch

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。そのゲール語の意味は結局わからなかった。最近力不足を痛感するばかり。

モルトウイスキー大全などでは、川の名前を取って蒸留所の名前をしたと書かれている。でも、小さな村であるがこの名前の村があるところに蒸留所があるので、なぜ川と言えるのかわからない。
蒸留所の公式ホームページがある。
http://www.bladnoch.co.uk/
ここでは、蒸留所の歴史は書かれているが、由来などはかいていない。

解釈例
1)川の名前   River Bladnoch だが意味不明
2)意味不明   Blaidneach 

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2006年3月24日 (金)

ベンウィヴィス Ben Wyvis

これは、実在する山の名前、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。しかし、この蒸留所はすでに閉鎖されているそうで、なんでもとても貴重なウイスキーになっているとか。
今回はモルトウイスキー大全に書いてある土屋説に一応賛成しておこうと思う(笑)。

解釈されている例をあげておこう
1)恐ろしい山  モルトウイスキー大全にはゲール語のつづりなし
2)恐怖の山   Beinn Uais(ベンウィシュ) Beann fuathas(ベンフアス) Beann Uamhais(ベンウィヴァシュ)
3)大きな緑の斜面もしくは恐ろしい山 Michael Jacksonの解釈だがこれもゲール語のつづりはない。

賛成しておこうと書いたばかりでかつどちらもほとんど同じ意味なのに、1)と2)を区別しているのは、つづりをあげているかどうかと、1)は恐ろしいという形容詞を念頭に置いていると思われ、2)は2種類のつづりを示したが、beannの後ろについているのは、いずれも名詞になっているということで、一応の区別をした。

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2006年3月22日 (水)

ベンローマック Benromach

これも蒸留所名にして、ウイスキーのブランドになっているものである。ゲール語での解読を続けよう。これは、モルトウイスキー大全にゲール語の解釈は載っていないが、PeatFreakの解釈がでている。
ただし、蒸留所の約10キロメートル南に標高313メートルの Romach Hill はあるものの、Ben Romach という山を見つけられなかった。これのことをさしているのかなとも思うが確かなことは不明。

解釈例
1)毛羽だったような山(Shaggy Mountain) PeatFreakはゲール語のつづりなし

PeatFreakでは、ゲール語のつづりこそないが、毛羽だったような山というような意味の Shaggy Mountain という意味をあてている。ゲール語には、ròmach という形容詞があって、毛深いとかひげが生えたとか毛羽だったという意味がある。Beann Ròmach で、ベンローマッハというゲール語読みになるのも自然。

ただ、あんまりかっこいい名前とは思えないのに、これを付けた理由をどなたかご存じないだろうか?きれいでもないしなぁと思うのはわたしだけなのだろうか。

原出典
1)"Shaggy Mountain" ゲール語のつづりはあげていない
 サイト:http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

2)romachの意味は下記サイトからどうぞ。
  辞書サイト
  http://www.ceantar.org/Dicts/MB2/
  http://www.smo.uhi.ac.uk/

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2006年3月21日 (火)

Benriach は ”アカシカの丘”だった!!

先日、ベンリアック Benriach のゲール語解読にくじけた話をかいた
Beriachの意味について、モルトウイスキー大全や PeatFreak の解説を紹介しつつ、そのゲール語名は納得できないということを書いた。そして、蒸留所にメールしても返事がないことも書いた。
先日、勘十里にお伺いしたときに、マスターにそのことを話してみたら、大量のスパムメールに紛れて消してしまったかもしれないから、もう一度メールをだしてみたら?とおっしゃったので、昨日改めてメールをだしてみた。
本当はあまり期待していなかったのだが、ちゃんと返事が返ってきた~!
まさに、きた~~って感じだった(笑)。
マスターそして返事をくれた蒸留所の方ありがとう。

そのメールには、BenRiachとは、The hill of the red deer(アカシカの丘) だと書いてあった!土屋さ~ん、PeatFreakさ~ん、もう変なこと書かないでね(笑)。
ゲール語のつづりは書いていなかったけれど、アカシカの男鹿なら rua-bhoc と書いて、ルウォックのように読めるので、Beann Rua-bhoc と書いてベンルウォックとな~る。結構ちかいでしょ?ベンリアックとも。ただ、これについてはまだ検討の余地があるかもしれないので、勉強中。ちなみに赤い鹿というよりは、アカシカという種類のこと。

これで、いっぺんにベンリアックファンになりました。

意味は下記の辞書サイトからどうぞご確認ください。
http://www.smo.uhi.ac.uk/gaidhlig/faclair/sbg/lorg.php

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2006年3月18日 (土)

ベンリネス Benrinnes

これは、ウイスキー名、蒸留所名にして、蒸留所そばにある山の名前である。その名前そのままだとちっとも面白くないので、その山の意味を考えてみようと思う。

解釈例
  1)岬の山 Beinn Roinn ベン ローン
( 2)赤茶色の草地にある山 Beann Ruaidhneis ベン ルイネシュ)

1)の解釈は、PeatFreakのものである。Roinn は、女性名詞で、海岸とか岬という意味である。これを内陸にある山につけている意味を説明して欲しい。しかも、発音がどう見てもベンリネスとはなりにくい。それと Roinn も属格にする必要があるような気がする。
山は beann と beinn の2種類のつづりがあるんで気にしない。

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2006年3月16日 (木)

ベンリアック Benriach

蒸留所のゲール語解読を続けますが、最初に、こいつについては(も?(笑))よくわかりませんでしたので、続きを読む方は、それを前提にお読みください。

このベンリアックは地名ではなく、かつ、この山は実在しないそうで、ウイスキーのブランドと蒸留所名だけとなっている。

解釈例をあげておく。
1)灰色がかった山 (Beann) Riabhach
2)まだら模様のある山(Speckled Mountain) ただし、ゲール語のつづりはあげられていない。

いつものパターンとやや異なって、土屋氏は解読のもととなったゲール語を Riabhach のみであるがつづりを上げている。山という意味のゲール語のつづりはあげていない。Beann にかっこをつけているのはそのためである。PeatFreak のサイトでは、多くの蒸留所のゲール語のつづりは上げているのに対して、少数の蒸留所名については、ゲール語のつづりをあげることなく、その意味を書いてあり、このベンリアックもその一つである。ゲール語のつづりを示さずにベンリアックの意味は、”Speckled Mountain(斑点が(ついているような模様の)山)”であると示しているが、真偽は確かめようがない。だって、そんな山は蒸留所周辺には実在しないのだから。

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2006年3月11日 (土)

ベンネヴィス Ben Nevis

申し訳ありませんが、アップした後に一部訂正しております。

これは英国で一番高い山として有名な山の名前である。その周りには Glen Nevis という谷や River Nevis という川もあるところである。これにちなんだ名前の蒸留所とモルトウイスキーがある。

名前の意味はネヴィス山で誰にも異存はないだろう。ゲール語では、Beann Nebheis と書く。前にも書いたが、Beann は Beinn とも書かれ、Beann Nebheis で ベン・ネヴェシュのように発音する。

さて、このままでは面白くないので Nevis の意味に迫ってみよう。
土屋氏のモルトウイスキー大全(原出典1)には、古いゲール語で水を意味すると書いてある。また、シングルモルト&ウイスキー完全ガイドにも、ケルト語(なんじゃそりゃと思うけど)で「水」と断定してある。彼らのこの自信がちょっとこわいし、その根拠はとても気になるのだが、わたしは「水」という意味をすぐに信用する気にはなれない。

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2006年3月 9日 (木)

バンフ Banff

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。土屋氏の少し変な解釈がなければ、穏便に済んだのに~という印象を受けた(笑)。

提案されている意味は次のとおり
1)子豚     土屋守氏の解読なれどゲール語のつづりは示していない
2)アイルランド(の詩的表現) Banbh

1)の子豚というのは、ちょっとおいて解釈しよう。
2)のアイルランドというのは、PeatFreak とスコットランド議会調査報告と両方にでている。また、辞書サイト(http://www.ceantar.org/Dicts/search.html)によっては、Banbh は Banff と書いてスコットランドでは、アイルランドのことを指すと書いてある。5世紀以降、アイルランドから、ゲール族やスコット族がやってきたとされるので、これだとすんなり受け入れやすい。先祖の土地を懐かしんでつけたのではないかと考えやすいからだ。

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2006年3月 4日 (土)

バルヴィニー Balvenie

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。Dufftown が以前に呼ばれていた町の名前でもあるそうだ。

解釈例をあげておこう
1)山の麓の集落      土屋氏はゲール語のつづりなし
2)Beathan の農場・集落  Baile Bhainidh(バレヴァニー)

1)のは、土屋氏の解読で、山の麓の集落ということである。しかし、ゲール語のつづりをあげずにそう書いているので、根拠は不明。ゲール語の山というのが beann なので、そこからの類推だろうか?

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2006年3月 3日 (金)

バルミニック Balmenach

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。これは、あまり議論の必要がない名前だと思う。

1)真ん中の農場    Am Baile Meadh(a)nach ェム バレ ミーニアッハ

Balblair と同じで Baile は、村や町という意味の男性名詞である。同じように PeatFreak のサイトでは農場という解釈をしている。
Meadhanach は Meadhnach とつづる辞書もある。つづりの中の dh はこの場合はサイレントになっている。読み方のミーニアッハのハは、何度もでてきたようにのどの奥からだすハである。

個人的には、真ん中の集落っていう解釈があってもいいかもしれないと思うが、この蒸留所の場合には、かつて農場だったところに蒸留所をたてたそうなので、真ん中の農場でよいように思う。地図を見ると、確かに平らなところの真ん中あたりあることもわかる。

ちなみに、土屋守氏のモルトウイスキー大全には、この蒸留所のゲール語の解釈は載っていない。

am は定冠詞で、男性名詞で最初の文字が B で始まる Baile についているので、この形になっている。本来の定冠詞の形は an である。

原出典
1)"The Middle Farm" Am Baile Meadhanach.
  サイト:http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php
1)のつづき
  Am Baile Meadhanach. "The middle farm".
  サイト: http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesA-B.pdf
  スコットランド議会の調査報告書

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2006年3月 2日 (木)

バルブレア Balblair

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。これは、あまり議論の必要がない名前だと思う。

意味をあげておこう
1)平らな土地にある集落  土屋氏はゲール語のつづりなし
2)平野もしくは荒野の農場 Baile a' Bhlair(バラヴラー)
注:日本には英語のmoorをうまく表現する言葉がないと思うが、ここでは、とりあえず荒野とした。

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2006年3月 1日 (水)

オルトモーア Aultmore

これも蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。この解釈は間違えるのが難しい(笑)。

1)大きな小川・流れ(土屋氏はゲール語のつづりをあげていない)

ゲール語で小川を表す男性名詞の Allt と、大きいという意味のゲール語 mòr で、比較的簡単に解釈ができる。ついでに定冠詞がある場合も考察してみよう。
 定冠詞付き An t-Allt Mòr ェンタルトモー(ル)
 定冠詞なし Allt Mòr    アルトモー(ル)
定冠詞なしでの発音の方が、英語になっているのがよくわかっていただけると思う。

わかりやすいゲール語なので、PeatFreakもちゃんとつづりをあげている(笑)。

原出典
1)大きな小川(ゲール語のつづりは書いていない)
  土屋守:改訂版 モルトウイスキー大全(小学館)2002年 P24-25.
1)のつづき
  "Big Stream" Allt (Scottish Gaelic - stream) mor (Scottish Gaelic - big).
  サイト:http://www.peatfreak.com/art-distillery-names-pronunciation.php

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2006年2月27日 (月)

Auchroisk オスロスクつづき

赤い流れを渡る浅瀬だとしているのは、ボトルに ford of the red stream と書いてあるからみたいですね。たしかに、男性名詞の ath (注意すべきは、ゲール語でアー、英語のようにアスとは言わない)に、ford(川が渡れるようになっているところ→確かに浅瀬といえば浅瀬だ)という意味があるので、これを当てているのではないかと思われる。それでも、red は? stream は?と聞きたくなる。

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オスロスク Auchroisk

これも地名で蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。オスロスクについての土屋氏の解説をはじめて読んだときにちょっと驚いた。これがゲール語では、赤い流れを渡る浅瀬という意味だと書いてあったからだ。どこが赤い流れで、どこが浅瀬かを説明してほしいと思った。

1)赤い流れを渡る浅瀬(土屋氏はゲール語のつづりをあげていない)
2)十字(型)の野原 もしくは(何かを)横切る形の野原  Achadh a’Chroisg

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2006年2月25日 (土)

オーヘントシャン Auchentoshan

これも蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。苦労を予測していたが、これは意外とあっさりできてしまった。飲んだことはないんだけどね~(笑)。

1)野原の片隅(平野の角) Achadh an t-oisean(n) もしくは Achadh an t' oisean(n)
 oiseann は oisean と oiseann の2種類のつづりがあるが、どちらも男性名詞で角・隅という意味は変わらない。本文では oisean と書くことにする。

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2006年2月23日 (木)

アードモア Ardmore

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。前回さんざん ard の議論したので、結構簡単だと思っていた。そう、そう思っていたのに~(泣)。

1)大きな丘 Ard mòr(前回さんざん書いたがこの意味なら普通は Airde mhòr)
2)大きな突き出た土地=大きな岬 (An) Aird mhòr
3)大きな斜面 Ard-moi(ほんとかなぁ)

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2006年2月22日 (水)

アードベッグ Ardbeg

これも地名、蒸留所名でかつウイスキーのブランド名である。あまり議論をしなくても正しい解釈にたどりつくと思っていた。多くの解説本も正しい解釈をしていると思っていた。でも、調べてみるとちゃんと議論のネタがあった。

1)小さな丘 Ard beag(個人的にはこの意味なら Airde bheag だと思うのだが)
2)小さな突き出た土地=小さな岬 (An) Aird bheag

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2006年2月21日 (火)

検索ワードランキング(2月13~19日)

先週に引き続きこのブログがどんな検索でかかったかについて1週間のまとめをしてみました。ゲール語で18件もヒットさせたかと思うと妙にうれしいです(笑)。なぜか the がありますが、これは、この前の週末にでかけた the wexford tavern について書いたためで、結構検索にかけていた方がいらしたようです。

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2006年2月18日 (土)

アルタベーン Allt-a-Bhainne

引き続き蒸留所のゲール語解読をやります。
アバフェルディの次は、アベラワーだと思っている方は下記をごらんください。もう終わってます(笑)。土屋氏の解読も簡単にしか書いていないけど間違いはありません。

http://bailebeag.cocolog-nifty.com/scotland/2005/10/aberlour_c4e4.html

ということで、次はアルタベーンです。

1)ミルク色の小川
2)ミルクの小川

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2006年2月17日 (金)

アバフェルディ Aberfeldy

土屋守氏とpeatreakに対抗する気持ちは微塵もないけど、蒸留所のゲール語解釈について書いていこうと思う。これまでは peatfreak があるからいいやと思っていたけど、納得できない解釈も多いからである。

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2006年2月14日 (火)

クラガンモア Cragganmore

これもウイスキーのブランド名で蒸留所名で、スコットランドの地名でもある。
この間飲んでとてもおいしいと感じたウイスキーだったし、ゲール語の由来について記しておこうと思う。バーで瓶を手に取ったときに、そのゲール語の意味がすぐにわかって、ちょっとだけうれしくなったからでもある。

1)ゲール語で、大きな岩 
  an creagan mor (これは文法的には問題)
2)ゲール語で、大きな岩(複数) by nanba
  Creagan mora

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2006年2月11日 (土)

ボウモア Bowmore

前振り:ちょっと、勢いのまま書いた問題作だったりする(笑)。

もちろん、よく知られたウイスキーのブランドだし、蒸留所名だし、アイラ島にある地名でもある。これについては、「大きな岩礁」のゲール語がその意味だとされるのをよくみる。へ~と思ったのは、実際に訪ねてみた印象、特に大きな岩礁とは思えなかったこと。ロッホインダールの周辺については、湾の奥の Bridgend の周辺が沼地状になっている以外のところは、みなボウモアと同じような岩と砂の地形だったのである。ということで、見てみよう。

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2006年2月10日 (金)

ロングモーン Longmorn

ウイスキーのブランドおよび蒸留所名として知られているロングモーン。
この名前の由来がゲール語としてあったので、気になって調べてみた。するとおもしろいことがわかってきた。実は、Longmorn のゲール語の解釈については定説と呼べるようなものがなくて、メインには下記の3つの説(4つ目は特定の場所の Longmorn を想定していないと思われるので、カウントしない)があるようだ。それぞれ原出典付きで紹介したので、関心のある方はそちらもみてほしい。

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2006年1月25日 (水)

冬のゲール語(4)

冬のゲール語もその4を書いています!!
今回は単純な前置詞を覚えましょう。

ゲール語 Bha deigh air an abhain an-dè.
読み方  ヴァー ジェイ エアラン アヴェン ァンジェ
日本語  昨日、川に氷が張っていた。

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2006年1月21日 (土)

冬のゲール語(3)

その2があるかと心配していた冬のゲール語もその3になりました!
寒さ比較しています。これで比較級と最上級の勉強をしておきましょう。

ゲール語 Tha e cho fuar!
読み方  ハーエ チョーフア
日本語  とてもさむい(すっげ~寒い(笑))

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2006年1月19日 (木)

冬のゲール語(2)

前回の冬のゲール語がちょびっとだけど反応があったので、冬のゲール語その2を書いてみました。冬が寒いのに加えて、風が冷たいのとか手がかじかむとか雪だるまとかそんなん書いてみました。使う時はくるのか?と問うてはいけません(笑)。
その3はあるのか、についてはどうしようかと思案中。

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2006年1月14日 (土)

冬のゲール語(1)

今日は冬に関係したゲール語をやります。その2があるのか?とか最近文法をやってないなぁとかいろいろ考えるところはあるものの、わたしのすきなペースで適当にやらさしてもらいやす(笑)。まずは、寒いと風邪に関係してそうなフレーズから。

ゲール語 A bheil thu(sibh) fuar?
読み方  エヴェル ウ(シヴ)フア
日本語  寒いですか?

ゲール語 Nach eil thu(sibh) fuar?
読み方  ナッヒィール ウ(シヴ)フア
日本語  寒くないですか?

ゲール語 Tha e glè fhuar.
読み方  ハーエ グレーウア
日本語  今日はとても寒い。

ゲール語 Tha e nas fhuaire(blàithe) na bha e an-dè.
読み方  ハーエ ナス ウアレ(ブラーエ)ナ ヴァー エ ンジェ
日本語  今日は昨日より寒い(温かい)

ゲール語 Dè chuireas thu(sibh) ort(oirbh)?
読み方  ジェ チューリス ウ(シブ) オシュト(オイルヴ)
日本語  今日は何を着ていくの?

ゲール語 Cuiridh mi orm geansaidh agus còta
読み方  クーリー ミ オルム ゲンサィ アカス コータ
日本語  セーターとコートを着る。

ゲール語 Tha(Bha) fuachd agam.
読み方  ハー(ヴァー)フハァク アカム
日本語  わたしは風邪をひいてます(ていた)

ゲール語 Tha fuachd aice(aige).
読み方  ハー フハク エヒェ(エケ)
日本語  彼女(彼)は、風邪をひいています。

ゲール語 An robh fuachd agad(agaibh)?
読み方  アン ロー フアク アガート(アガイヴ)?
日本語  風邪をひいていたんですか?

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2006年1月 8日 (日)

妊娠と出産のゲール語

ヤワラちゃんが男の子を出産しましたね。ということで妊娠と出産のゲール語です。ん?そう言えば、結婚のゲール語はまだやっていなかったな~。まぁいいや。

日本語  彼女は妊娠している(た)(she is pregnant のニュアンス)
ゲール語 Tha(Bha) i trom.
読み方  ハー(ヴァー)イートゥローム

日本語  彼女は妊娠している(た)(she is expecting a baby のニュアンス)
ゲール語 Tha(Bha) dùil aice ri leanabh.
読み方  ハー(ヴァー)ヂュール アイヒェ リ レナヴ

日本語  彼女(あなた)はいつあかちゃんが生まれるの?
ゲール語 Cuine tha dùil aice(agad) ris an leanabh?
読み方  クーヌ ハー ヂュール アイヒェ(アガート)リシュァン レナヴ

日本語  12月です
ゲール語 Anns an Dubhlachd
読み方  アンスアン ヂューラハク

日本語  男の子(女の子)です。
ゲール語 'S e gille(nighean) a tha ann.
読み方  シェ ギレ(ニイェン) アハーアン

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2006年1月 7日 (土)

Bliadhna mhath ur

タイトルは、”新年おめでとう”に相当するゲール語で、ブリーアナ ヴァ ウー(ル)と発音します。ちょいと時期が遅れましたが、旅行とスラーンジ撲滅・スラーンチェ普及委員会(仮称)活動の影響ということでお許しください。

ついでにこの季節のゲール語をあげておきます。
 大晦日 Oidhche Challain  オイーヒェ チャリーン
 新 年 a' bhliandhn' ur   アヴリーアン ウー(ル)
 元 旦 la na bliadhn' uire   ラーナ ブリーア ウーラ

新年会は、ブリーアナ ヴァ ウー(ル) と スラーンチェ で乾杯しましょう(笑)。

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2006年1月 6日 (金)

スラーンジ撲滅委員会(仮称)最初の敗北

年も改まったことだし、スラーンジを世の中から少しでもなくし、スラーンチェを普及させるために活動を始めてみた。

最初のターゲットは、サントリーのホームページ。ここが崩せれば、活動は一気に進むと思ったからだったのだが、甘かった(泣)。

まず、サントリーお客様センターのメールアドレスに、次のような趣旨でメールを書いた。
サントリーのホームページで紹介しているスラーンジであるが、ゲール語はそのような発音ではない。エディンバラ大学の発音のサイトでもそんな発音とはなっていない。そのような発音をするという信頼できる文献かウェブサイトを教えてほしい。加えて、mhath が mhaht となっていたり、ヴァーというべきをヴァイと書いてある間違いも指摘。

これに対するサントリーからの答えは、スコットランドのビジネスシーンでは、乾杯というときに、スラーンジというからで、特に根拠となる文献などは参照していない、指摘は今後の参考にさせてもらうというものだった(それならゲール語だなんて書くなよ~)。つまり、ゲール語はしゃべれなかろうがスコットランド人がスラーンジっていうんだからいいじゃね~か、ゲール語の厳密な発音は気にしてねぇんだよってことらしい。スラーンジを撲滅していくためには、スコットランド本土からも駆逐しなければならないのか?

  http://www.suntory.co.jp/jiten/word/b_n_025.html

上記サイトは、1月6日現在もつづり間違いも発音間違い(mhaht なんてつづり間違いとスラーンジ・ヴァイなんていう発音間違い)も訂正されていないかっこわるいサイトだと思う。

結局、サントリーのホームページからスラーンジは撲滅できていない。スラーンジ撲滅委員会(仮称)は、最初の挑戦にして最初の敗北を味わったのであった。次なる活動はいかにすべきか悩ましい。

スラーンジ撲滅委員会(仮称)ではなく、スラーンジ撲滅・スラーンチェ普及委員会(仮称)に変更しようかなと思う今日この頃。

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2005年12月23日 (金)

ゲール語からやってきた英語(3)

今日もゲール語からやってきた英語を取り上げます。

He has money galore.  He has whisky galore.

と英語で言えば、それぞれ、彼はお金を沢山持っている、彼はウイスキーを沢山持っている、という意味です。ということで、galore というのは、沢山という意味になります。

次に食料品でのゲール語の会話例を見てみましょう。

 ゲール語 A bheil uighean ùra agaibh? 
 読み方  エ ヴェル ウィアン ウラ アガイヴ
 意味    新鮮な卵はありますか?

 ゲール語 Tha gu leòr.
 読み方  ハー グ リョー
 意味    はい、沢山あります。

この gu leòr は、沢山という意味になります。もうわかりましたね。英語の galore はスコットランドゲール語の gu leòr もしくはアイルランドゲール語の go leor からきたものだそうです。

あしたから使えるトリビアにはならんか? ならんならん(笑)。

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2005年12月17日 (土)

エディンバラ市のハイランド芸術支援

少し古いニュースになるけれど、新聞スコッツマンのゲール語に関する記事から、こんなのを見つけた。

エディンバラ市は、ゲール語を含むハイランドの芸術(ダンス、音楽、詩など)を支援する1年間のプロジェクトを立ち上げたそうだ。でも、予算はたったの12,500ポンド(250万円ぐらい)。エディンバラ市って60万人以上の人口があるスコットランドの首都なんですよ。もうちょっと、お金をだしてもいいじゃないか~。

このケチさ加減がスコットランド流なのかもしれない。

19世紀に市民に時刻を知らせる目的で始まったエディンバラ城で毎日打たれる午後1時の空砲は、なぜ午後1時なんて半端な時刻だと思います?1時だと1発でいいからなんだってさ。さすがケチなスコットランド人(笑)。

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2005年12月15日 (木)

ゲール語からやってきた英語(2)

このまえ、smashing は、ゲール語の 'S math sin.(That's good.) からきているということを書きました。みなさんもよく知っている Slogan を取り上げます。

日本語では、スローガンと言ってもわかるし、標語などとも訳される Slogan ですが、これは、ハイランドの人々が、”戦場であげるときの声”に由来する単語なのです。sluagh-ghairm がその元になっている言葉です。sluagh は、人々、軍隊などの意味で、スローグに近い発音です。ghairm は、叫び(cry)という意味の gairm(ガーラムに近い発音:このラはとても弱い)の属格(所有格)の形です。これをくっつけて発音すると、スローグ(ラ)ムに近い発音になって、slogan(スローガン)のにたどり着くわけです。戦場で同じようなときの声を上げて戦ったハイランドの軍団が、イングランドの人々に印象に残って、英語に取り込まれていったのでしょう。

いまや、学校や企業で普通に使われるスローガンという言葉も、戦場で軍隊が上げるときの声がその元の意味だったなんて、ちょっと考えてしまいます。

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2005年12月13日 (火)

ゲール語からやってきた不思議な英語

BBCのドラマででてきた台詞で思い出したことがあります。それは、”素晴らしい”とか”最高の”という意味で使われる”smashing(スマシン)”です。smash からきているのではないかって?それが違うんですよ。smash は動詞で、衝突するとか粉々にするという意味ですよね。これと関係がある smashing は、動詞の smash に由来する意味なわけです。でも、素晴らしいや最高のという意味はここからはでてきませんよね。

では、どこからきたのか? ゲール語で、「それは素晴らしい」などという時に
  Is math sin. もしくは 'S math sin.
といいます。読み方としては、それぞれ「イス マ シン」、「ス マ シン」です。この二つめのフレーズをワンフレーズで読んでみてください。ほら、スマシンとなるでしょ?
Is や 'S は、英語のbe動詞で、math は何度か書いているように good という意味で、sin は英語の that に相当します。英語では That's good. という意味になるわけです。

that's good.と言いたいときに、ハイランドの人々が「スマシン」と言っているのがわかって、ゲール語のつづりはわからないけれど、それを口まねしているうちに英語に取り入れられたのではないかなぁと想像してます。

わたしの勝手な想像だけではないので、http://members.aol.com/ccbagpipes/gaelic.html などのサイトを見ても、そのようなことが書いてあります。また、簡単にではありますが、右のゲール語関係本のなかの Teach Yourself Gaelic という本にも記述があります。

地形を表すゲール語で glen や loch が英語に取り込まれたのは有名ですが、フレーズまで取り込まれているなんて、結構面白いなぁと改めて感じていたりしてます。

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2005年12月12日 (月)

学者の良心

以前にスコットランドの原点という本を紹介した。そのときに、ゲール語について間違いを指摘した。10月30日にケルティックフェスティバルで、著者の松井先生にお会いしたときにその話をしたところ、ご自身でお調べしてからご連絡いたしますとおっしゃっていた。
その連絡がエディンバラ大学のきれいな絵はがきでやってきた。結果的としては、ゲール語をPケルト語と書いていたのは間違っていたという主旨でだったが、きちんと連絡をくださるあたりに学者としての良心を感じる。

ちなみにPケルトというのは、ウェールズ語、ブルターニュ語、コーンウォール語などで、Q音がP音に変わった言語である。Qケルト語は、スコットランドゲール語、アイルランド語、マン島語などで、Q音が残っている言語である。
わかりやすい例として、ゲール語とウェールズ語で頭という単語を比べてみる。
 ゲール語   ceann キァン
 ウェールズ語 pen  ペン
もっと多くの例があるけれど、だんだんとわたしの実力を超えていくので、このあたりにしておく。

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2005年12月 6日 (火)

ゲール語で乾杯 Slàinte mhath

ゲール語では、乾杯のことを Slàinte mhath と書いて、スラーンチェヴァーのように発音します。つまり、Slàinte は、スラーンチェと発音するんです。でも、日本では、Slàinte のことをスラーンジと発音すると書いてあるサイトが結構あります。例えば、サントリーのサイト、http://www.suntory.co.jp/whisky/dictionary/atoz/index.html を見てみましょう。ここから、スラーンジという項目を見ると丁寧に説明してありますが、mhath の綴り間違いもちとかっこ悪いし、Slàinte の発音のこともしっかりスラーンジと書いてあります。
ただ、このサイトで言っている意味は正しいんです。slàinte は女性名詞で健康という意味です。女性名詞を修飾する形容詞は、aspiration という発音の変化を起こす場合があります。そのルールで、英語では good という意味の math が、mhath となり、発音もマーからヴァーと変わります。つまり、「良い健康」って言って乾杯するわけです。

では、エディンバラ大学の作ったサイトで、次の発音を確認してみましょう。
slàinte http://www.dcs.ed.ac.uk/home/jhb/whisky/sounds/slainte.au
slàinte mhath http://www.dcs.ed.ac.uk/home/jhb/whisky/sounds/slainte_mhah.au
よく聞くとそれぞれスラーンチェ、スラーンチェヴァーと言っているのがわかります。

さて、ここまでやってくるとなぜスラーンジと日本で紹介されているのかが気になるところです。ひとつは、ゲール語を話せない(話さない)スコットランド人から教えてもらったんではないかってことですね。あるいは、そんなスコットランド人から聞いた外国人から教えてもらったんではないかってことです。
例えば、エディンバラのスコッチウイスキーヘリテージセンターでも、乾杯のゲール語はスランジヴァーと紹介されていたりするし。

んで、このことをゲール語の先生にきいてみました。すると、ゲール語は語尾をあまりはっきり話さないけど、グラスゴーの人々は語尾をはっきり話す傾向にあって、グラスゴーのゲール語を話さない人々が「スラーンジ」と誤解して、そのまま普及してしまったのではないか?と言ってました。

ちなみに、わたしの先生はスラーンチャヴァーとスラーンチェヴァーの中間ぐらいに聞こえる発音で話してくれます。

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2005年11月19日 (土)

ゲール語の基本的な挨拶表現

そう言えば、あまりに基本的なためこれを書いていないのを忘れていた。
まとめておこうと思う。

 1)おはよう(午前中の挨拶)
 Madainn mhath.
 マジンヴァー

 2)こんにちは(午後の挨拶 夕方まで使える)
 Feasgar math. 
 フェスカマー

 3)おやすみなさい(夜の挨拶)
 Oidhche mhath.
 オイヒヴァー

注:mathとmhathの違いは、maddin,oidhche が女性名詞、feasgar が男性名詞のため

 4)ご機嫌いかが?
 Ciamar a tha thu/sibh?
 キマラハー ウー/シヴ

 5)元気ですよ。
 Tha gu math.
 ハーグマー

 6)元気じゃないです。
 Chan eil mi gu math.
 ハンニルミグマ

 7)さようなら(いい方は複数ある)
 Math sin leat/leibh.(これが一番かたい挨拶)
 マシン ラート/レイヴ
 
 Beannach leat/leibh.(バイバイにちかい)
 ビアンナック ラート/レイヴ
 
 Chi mi thu/sibh.(英語の See you. と同じようなもの)
 チーミ ウ/シヴ

 8)ありがとう
 Tapadh leat/leibh.(どうもありがとうという標準的な表現)
 ターペ ラート/レイヴ

 Mòran taing.(日本語でサンキューというような感じ)
 モーランタンク

 9)どういたしまして
 'Se do bheatha.(leatに相当する相手に言うとき)
 シェド ヴェーハ

  'Se ur beatha.(leibhに相当する相手に言うとき)
 シェ ウル ベーハ

10)英語の”プリーズ”
 Ma 's e do thoil e.
 マシェドホレ

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2005年10月31日 (月)

ゲール語が裁判で使われた

少し古いニュースになるけれど、わたしがついこの前に見つけたニュースなのでこれを取り上げることを許して欲しい。新聞 Scotsman は10月18日の記事 で、ついにゲール語が裁判で使われたと伝えた。
ルイス島のストーノウェイの裁判所(シェリフ裁判所とあったが、スコットランドでは州裁判所という意味らしい)で、弁護士 Angus MacDonald が、裁判官にゲール語の使用を求め、認められたとある。また、ルイス島があるウエスタンアイルズと呼ばれる地域は、ゲール語を話す率が高く、第一言語がゲール語だという人が少なくない地域のため、これは自然なことなのだ、とその弁護士が語ったともある。

わたしも当然だと思う。ルイス島・ブラックハウス博物館では、現地の方々がごくごく自然にゲール語で会話する様子を見たし、ハリス島では英語は学校に入るまで知らなかったというおばあさんが経営するB&Bに泊まったりしたから。

これがきっかけの一つとなって、ゲール語話者減少に歯止めがかかり、そしていつかはゲール語が話す人々が増えるような時代になって欲しいとも思っている。そのときは、スコットランドが連合王国から独立しているかもしれないが。

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2005年10月23日 (日)

Laphroaig と Lagavulin

昨日は、ケイリーがあってその帰りにプラプラと歩きメインモルト(店内の様子とマスターのお顔をご覧になりたい方はこちら:とても気さくな方です)によってしまった(笑)。今日のおすすめはと聞いてでてきたのはLapfroaig1993年のカスク11年。Laphroaiglagavulin
これは、ものすごくピーティで、ちょっと前までの日本でなら絶対にうけなかった類の味と香りだった。シングルモルトブームで、この正露丸風の味も受け入れられている模様。カスクなので52%強のアルコール度はあるものの、その強さを感じさせない口当たりの柔らかさだった。結構いけると感じるわたしも新参者だ(笑)。
その後は、お隣の蒸留所の Lagavulin をお願いした。16年ぐらいにしておきましょうというマスターのお薦めにそのまま従った。こちらも最初の一口は、正露丸風の味と香りで、意外な感じがした。16年たってもこんなにピーティなのか?って思った。でも、その印象は、次の一口で変わった。口から鼻に抜ける香りが消える最後にピーティな感じがわずかに残るけれど、最初の強いピーティな感じはどこかに行ってしまった。ゆっくりと一杯飲み終える頃にはピーティな感じは本当にわずかになり、スムーズな味わいとなった。最後はうまかったで終わり(笑)。
lagavulin上の写真は左が Laphroaig、右が Lagavulin。どちらの Lag も意味は「くぼ地」。a'mhor 大きな、aig 港と続けば、Lagphroaig に変わり、a' Mhuilinn(粉ひき小屋の) が続けば、Lagavulin となる。もうちょっと詳しく書くと、粉ひき小屋という意味では muileann と書くが、これが定冠詞 an がついて、さらに男性名詞で頭文字が m で始まるから属格を作るときに aspiration して、a' Mhuilinn という形になり、これで of the mill という意味になる(詳しくは、このリンクのグループ1・男性名詞を参照)。面倒だけど、これを覚えていかないとゲール語はしゃべられるようにならない。これらの蒸留所は地図を見てもわかるように隣同士の位置関係になる。

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2005年10月12日 (水)

Aberlour考

Aberは以前に河口だと書いた。これにはもう一つ、Pict 語由来で川の合流点という意味がある。lour はゲール語の labhar からきており、おしゃべりなとかやかましいとう意味ということも書いた。Aber が河口であるような Aberdeen の場合はすっきりと解釈できていたが、Aberlour のように内陸にある場合は、河口では説明ができず、ピクト語由来の川の合流点という意味の方がすっきりする。大きな川に小さな川が合流する様子は、小さな川の立場から見れば、その合流点は小さな川の”河口”ともなるので、意味上の大きな違いはないかもしれないが。。。地図をよく見ると Lour という川が、Spey川に合流するところに Aberlour 蒸留所があった。これで一つは納得、やはりこちらの Aber は川の合流点と意味だろうし、同じように、Lour 川は、Spey 川よりはずっと小さい川のようであるので、 Lour 川から見れば河口といってもよいような場所でもある。もう一つ Lour 川については、夏になると水位がさがって、岩に当たる水音が人の声のように聞こえるという説があるし、この川には Linn とよばれる立派な滝があるので、水量が多いときには、大きな音もでるのではないかと考えられ、おしゃべりなという意味でもうるさいという意味でも通じそうである。
ということで、Aberlourも地理を反映したピクト語とゲール語で無事に解釈できた気分になっている。

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2005年10月10日 (月)

Inbhir, Obar, Bun ゲール語の河口

ゲール語では、河口という言い方が複数ある。
なんで気がついたかというと Bunnahabhain(Bun na h-Abhain)という名前の蒸留所があって、同じ名前のシングルモルトウイスキーがある。この名前の由来を調べてみて気がついた。
Bun は確かに河口という意味があった。na h-Abhain は、定冠詞付きで属格(所有格)となっているので英語で言えば、of the river という意味で、全体では”その川の河口”という意味になる。しかし、河口といわれてすぐに思いつくのは、Inverness の Inver(英語)= Inbhir(ゲール語)である。どこが違うのだろう?  そしてもう一つ。Aberlour という地名=蒸留所名=シングルモルトウイスキー名を調べたときに、 Aber(英語)= Obar(ゲール語)=河口というのも見つけた。ついでに、lour(英語)= Labhar(ゲール語)=おしゃべりな、やかましい という意味だ。この Aber は地名の Aberdeen の Aber と同じ意味である。Aberdeen は Dee 川河口の都市である。

rivermouths

んじゃ、それぞれの河口は、どう違うのだろう?
ここで、図をクリックして拡大してほしい。Obar は河口近くのある程度の領域を示し、Inbhir は海と川の合流点、Bun は川と海の合流点そばの海岸線を意味するということだった。
そういえば、確かに Inbhir Nis(Inverness) は、河口のごく近くだし、Obar Dheathain(Aberdeen) は、Dee川にある大きな都市である。また、Bun na h-Abhain(Bunnahabhain) は、Abhainn Araig という川(アレク川)の河口の海岸線沿いにある村である。ということで、個人的には100へ~をだしたいぐらいに納得できたのだった。

注: Obar は Obair と表記する辞書もある。

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日本、日本人、日本語のゲール語

以前、日本のことをゲール語では、定冠詞付きで an t-Seapan と書くと紹介した。でも、最近になって、Iapan と書くと紹介しているサイトも見つけたりした。で、もうちょっと調べてみたら、”日本語”という単語もわかったような気がする。一般的な辞書にはなかなか載っていない。一部は、2チャンネルのゲール語総合スレにも書いたが、ちっとも反応がない(苦笑)。次に示すように、日本という単語が3種類あって、それに対応したように日本人と日本語という単語がある。しかし、これからは Iapan, Iapanach/Iapanaich, Iapanais を使うことにしようと思う。というのも、Scotsmanという新聞やBBCのサイトには、このセットが使われているようであるから。

日本        Iapan, an t-Seapan, Siapan
日本人(単数)  Iapanach, Seapanach, Siapanach
日本人(複数)  Iapanaich, Seapanaich, Siapanaich
日本語      Iapanais, Seapanais, Siapanais

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2005年10月 8日 (土)

I love you. さらに続報

Tha gaol agam ort. について、ゲール語ネイティブの方に少し話が聞けました。そもそも英語のように I love you. なんて、あんまり言わないっていうのが答えだったのに笑いました。もう、おばぁさんといった方がよい年頃の方なので、「現代のゲール語では頻繁にいうかもしれないけど、昔はそんな風な表現はしなかったのよ。以前の日本人と同じね。」と言ってました。彼女にとっては、どっちがどうと言い切れないということでした。

さらに彼女によれば、gràdh の方が gaol よりも、より広く深い愛情を示し、特に家族に対して使う言葉だと言ってました。まぁ前回書いたことは当たってるってことでしょう。

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2005年10月 6日 (木)

I love you. 続報

以前に あなたを愛している というのは、 Tha gaol agam ort. だと紹介したことがあります。これについて、もっとよくわかったことがあるので紹介しておきます。

最近2チャンネルのゲール語スレッドに出入りして、スコットランドゲール語について、わたしがいくつか質問しています。でも、ちっとも答えが返ってこず、スコットランドゲール語を学ぶものの数が少ないことを実感しています。

さて、そこでは、I love you. は、 Tha gràdh agam ort. だと説明してありました。確かに、辞書を引いてみると gràdh も gaol も love という意味がありました。しかし、検索の結果行き当たったサイトには、どちらも Ilove you. と使えるけれど、gaol は、ロマンティックな愛情 を暗に示し、gràdh もその意味で使えないことはないが、より一般的な 愛情を示す。つまり、両親、子供、兄弟姉妹などに対しては、この gràdh が使われ、逆に一般的な愛情という意味では、gaol は使われない、と書いてあります。

恋人や夫、妻には、Tha gaol agam ort.
家族などには、  Tha gràdh agam ort.
ってことですね。ちゃんと区別して使いましょう。

自分のゲール語がちょっと進歩した気分になっています。実は、日本や日本人という表現についても質問してみたのですが、結局答えがなく自分で検索して結果を得ました。今度はそれについてもまとめておきます。

# 日本の地名をどう表記するかという課題も残っているんですけどね。

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2005年10月 1日 (土)

定冠詞と名詞の格変化

さて、ひさびさのゲール語

ここまで、語順、アルファベット、つづりと発音の原則、Aspiration(またはLenition)、個人の名前、代名詞、名詞の格変化、名詞の複数形について説明してきた。
また、簡単な自己紹介を含むパブでの会話なども取り上げてきた。
引き続き、文法事項の説明を進めていくことにする。

今回は、名詞の格変化とともに必要となる定冠詞の格変化(これもやんなっちゃうんだよね~)。定冠詞も名詞も格にあわせて一緒に変化することもあることに注意が必要。どんなときにどんな格になるかは別途説明する。
まずは、場合分けをしておく。というのも、単語のはじめの文字によって定冠詞 an が am、a'などに変化するし、さらにそれによって格変化も異なるから。

グループ1) b p c m g
グループ2) d t l n r (h もこのグループだと思う)
グループ3) a e i o u
グループ4) f
グループ5) s

では、さっそく。でもいやになること請け合い(笑)。

グループ1
   男性名詞 am bàrd(詩人) 女性名詞 a' bhròg(靴)
   単数形  複数形      単数形  複数形
主格 am bàrd  na bàird    a' bhròg  na brògan
属格 a' bhàird nam bàrd    na bròige nam bròg(an)
与格 a' bhàrd  na bàird     a' bhròig na brògan

グループ2
   男性名詞 an doras(ドア) 女性名詞 an daolag(カブトムシ)
   単数形  複数形      単数形  複数形
主格 an doras  na dorais    an daolag  na daolagan
属格 an dorais nan doras    na daolaige nan daolag(an)
与格 an doras  na dorais    an daolaig  na daolagah

グループ3
   男性名詞 an t-eilean(島)  女性名詞 an uinneag(窓)
   単数形   複数形      単数形  複数形
主格 an t-eilean na h-eileanan  an uinneag   na h-uinneagan
属格 an eilein  nan eileanan    na h-uinneige nan uinneagan
与格 an eilean  na h-eileanan  an uinneig   na h-uinneagan

グループ4
   男性名詞 am faileas(影) 女性名詞 an fheusag(ひげ)
   単数形  複数形      単数形  複数形
主格 am faileas  na faileasan  an fheusag  na feusagan
属格 an fhaileais nam faileasan na feusaige nam feusagan
与格 an fhaileais na faileasan   an fheusag   na feusagan

グループ5
   男性名詞 an srath(谷) 女性名詞 an sròn(鼻)
   単数形  複数形      単数形  複数形
主格 an srath  na srathan      an t-sròn  na srònan
属格 an t-srath nan srathan    na sròine  nan srònan
与格 an t-srath na srathan      an t-sròn  na srònan

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2005年7月17日 (日)

Iolra Plural

Iolra は複数形のこと。Iolra(ユールラ)などの用語については、http://www.smo.uhi.ac.uk/ のサイトで検索できることがわかった。そっと過去の文法用語についても修正してあったりする(苦笑)。

前回は複数形のパターンの説明なしで、複数形をだしてしまったので、まず複数形の説明から。英語ほど単純ではないが、いちおうルールがあるらしい。らしいというのはパターンが、許せないほどあるから。辞書にもかならず複数形が書いてあるほどきまったパターンが少ない。

(1)単数形+an、最終の母音がiのときは 単数形+ean
  eilean(エラン)→ eileanan(エラナン) 島
  pocaid(ポケヂ)→ pacaidean(ポケイヂァン)ポケット
(2)単数形にiを挿入した上で、+eanをつける
  ugh(ウグ) → uighean(ウィアン) 卵
(3)単数形にiを挿入するだけ
  punnd(プント)→ puinnd(プインヂ) ポンド(重さ)
  botul(ボトル)→ botuil(ボチュル) 瓶
 (botal→botailと書いている本もある)
(4)最後の母音aをiに変えるだけ
  suiteas(スイチャス)→ suiteis(スイチェス) 甘いもの
(5)単数形+aichean、単数形+ichean
  not(ノート)→ notaichean(ノテイヒャン) お金のポンド
  dannsa(ダンサ)→ dannsaichean(ダンセヒャン) ダンス
(6)単数形+annan、単数形+eanan
  oidhche(オイヒ)→ oidhcheannan(オイヒェナン) 夜
(7)単数形から最後のeをとって、teanをつける
  baile(バレ)→ bailtean(バルチャン) 村

そろそろ文法を説明している自分もいやになってきた(苦笑)。

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2005年7月15日 (金)

Ainmear Noun

Ainmear(アインメア) Noun 名詞

名詞のゲール語は見つけた(笑)。重要な点は、どんな名詞にも性があるということ。中性はなく、男性名詞と女性名詞のみ。また、名詞につきものの冠詞については、不定冠詞はなく、定冠詞のみである。不定冠詞がないので、名詞が単独で使われることもある。
複数形も英語と違い、複雑な変化をする場合がほとんどであることと、定冠詞+名詞が、属格(所有格)、与格への変化があり、それぞれ単数と複数形があることを考えると泣きたくなるぐらいに変化が多くなる。
具体的な変化は別項にあげるとして、それぞれの変化の例を挙げておく。

男性名詞 ドア dorus(単数) dorsan(複数)
女性名詞 窓  uinneag(単数) uinneagan(複数)

1)基本形 男性名詞 単数 Tha an dorus mòr.
                  そのドアは大きい
              複数 Tha na dorsan mhòra.
                  それらのドアは大きい
       女性名詞 単数 Tha an uinneag fosgailte.
                  その窓は開いている。
              複数 Tha na h-uinneagan fosgailte.
                  それらの窓が開いている。
2)属 格  男性名詞 単数 Tha an uinneag mhòra an doruis.
                  そのドアのその窓は大きい。
              複数 Tha na h-uinneagan mòra nan dorsan.
                  それらドアのそれらの窓は大きい
       女性名詞 単数 Tha an iomall dearg na h-uinneige.
                  その窓のそのへりは赤い。
              複数 Tha iomallan dearg nan uinneagan.
                  それらの窓のへりは赤い。

3)与 格  男性名詞 単数 Tha cuileag air an dorus.
                  そのドアにハエがいる。
              複数 Tha cuileagan air na dorsan.
                  それらのドアにハエ(複数)がいる。
       女性名詞 単数 Tha cuileag air an uinneig.
                  その窓にハエがいる。
              複数 Tha cuileagan air na h-uinneagan.
                  それらの窓にハエ(複数)がいる。

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2005年7月14日 (木)

Riochdair Pronoun

Riochdair(リョホデェ)はPronoun(代名詞)のこと

通常の名詞の説明をする前に代名詞を説明しておく。中性はないので英語の it に相当する代名詞がない。英語にはない強調形があることに注意が必要。

        通常の形   強調形              強調形(~selfに相当)
一人称単数   mi       mise               mi fhein
二人称単数   thu/sibh   thusa/sibhse    thu/sibh fhein
三人称単数男性 e       esan                e fhein
三人称単数女性 i        ise                 i fhein
一人称複数   sinn       sinne              sinn fhein
二人称複数   sibh      sibhse             sibh fhein
三人称複数   iad       iadsann            iad fhein
 
二人称単数に二つの形があるのはformalの場合のsibhとsibhse、informalの場合のthuとthusaがあるためである。ドイツ語のduとsieと同様。
強調形の使い方は、自己紹介などのときにでてくる。強調形でなければならない場合は完全には理解していない。例文を一つあげておく。
 Is mise Nanba. わたしはナンバです。

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2005年7月13日 (水)

Ainmean sloinnidh agus baistidh

Ainmean sloinnidh agus baistidh(アイメン スロニー アカス ベシュティ) 名字とファーストネーム のこと。

有名なのはMacで始まる名字が多いこと。これは、もちろん息子を意味する。MacRathと名字のときでも、男性と女性では使い分けがある。次のように変化する。
 男性         女性
Tormod   MacRath   Mairi    NicRath
Murchadh Caimbeul    Mairead  Chaimbeul
Alasdair Camshron    Iseabail Chamshron
Iain     Grannd      Mairead  Ghrannd
女性の名前についているNicは娘という意味の nighean からきている。また、上記に示したようにMacやNicがつかない場合でも男性と女性では名字の形が違うことに注意。

人を呼ぶとき
人の名前をファーストネームで呼ぶときには、aspiration と似たような変化をする。まず名前の前に a をつけてから呼ぶ。さらに、男性の名前の場合、最初の文字の後に h を挿入し、最後の文字の前に i が挿入される。また、女性の名前の場合は、最初の文字の前に h が挿入されるだけとなる。また、母音と l, n, r で始まる名前は変化しない。また、母音で始まる名前には a もつけない。

男性の場合
Seumas(シェイマス)  → a Sheumais(ア ヘイミッシュ)
Tormod(トーモッド)   → a Thomoid(ア ホモイッヂ)
Calum(カラム)         → a Chaluim(ア ヒャラム)
Domhnall(ドーナル)  → a Dhomhnaill(ア ゴーナル)
Niall(ニール)           → a Niall(ア ニール):a はつけるが名前に変化無し
Alasdair(アラスター)  → Alasdair(アラスター):a もつけないし変化もない

女性の場合
Mairead(マイラト)     → a Mhairead(ア ヴァイラト)
Sine(シーネ)           → a Shine(ア ヒーネ)
Catriona(カトリオナ) → a Catoriona(ア ヒャトリオナ)
Ronaid(ロナイヂ)     → a Ronaid(ア ロナイヂ):a はつけるが名前に変化無し
Iseabail(イシャベル)  → Iseabail(イシャベル):a もつけないし変化もない

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2005年7月12日 (火)

Analachadh Aspiration(Lenition)

Analachadh(アナラハク)は英語でAspiration(Lenition)と呼ばれる発音の変化のこと。

何度か書いているけれど、ゲール語には aspiration (文法書によっては Lenition とも書いてある)と呼ばれる単語の変化がある。これは書き言葉では、言葉の最初の文字の後に h をいれればよいだけの変化であるが、発音の仕方も変化するので注意が必要だ。そして、この aspiration は頻繁におこるので、知っておかないといけない。

ここまでででてきたのを挙げておく。
1)形容詞を強調する場合の glè のあとに続く形容詞
  glè + fuar(寒い、フア) → glè fhuar(ウア)
2)所有を表す mo(私の~)、do(あなたの~)、a(彼の~)のあとの名詞
  mo + bean(妻、ベーン)→ mo bhean(ヴェーン)

ただし、次の文字で始まる単語は、aspiration しない。
母音、l,r,sg,sm,sp,st

その他にも多くの場合があるので、その都度覚えていくしかない。

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2005年7月11日 (月)

Rian fhaclail agus "tha"

これまでいくつかの文例をあげてきたが、あまり文法事項にふれてこなかった。わたしでも理解できている基礎的な文法事項を少しずつ紹介していく。まずはタイトルにもあるように、Rian fhaclail(リン アクラル)で、語順のこと。そして、よく使う動詞の筆頭として、英語のBe動詞に相当する tha を上げておく。

ゲール語の文章では、基本的には、 動詞+主語+形容詞などとなっている。例えば、 Tha an taigh beag. は、その家は小さい という意味だが、tha は be動詞の現在形に相当し、an は定冠詞の the、taigh は家(house)という名詞でここでは主語、beag は小さい(small)という意味の形容詞。英語の単語を使ってゲール語の語順で書くと、Is the house small.となるが、ゲール語では肯定文である。では、この疑問文はというと tha には、疑問形や否定形、否定の疑問形があると覚えておくと良い。

Tha an taigh beag.(その家は小さいです。)
A bheil an taigh beag?(その家は小さいですか?)
Chan eil an taigh beag.(その家は小さくありません。)
Nach eil an taigh beag?(その家は小さくないですか?)

a bheil が疑問形、Chan eil が否定形であり、Nach eil が否定の疑問形でやはり文頭にくる。この tha を含めてゲール語の動詞には人称変化がなく、一人称の単数から三人称の複数までカバーする優れものであるが、やっかいなのは、肯定形に、疑問形に、否定形に否定の疑問形まであり、それぞれに、現在形、過去形、未来形があることである。

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2005年7月10日 (日)

Gàidhlig ann am bàr (2)

さて、パブでビールも注文できたし、一杯やっていると地元の方が話しかけてきます。こんなシチュエーションもあるかもしれませんね。

1)ハロー どこからきたの?
  Hallo. Cò às a tha sibh?
  ハロー コ アス ア ハー シヴ
2)私たち(わたし)は日本からきました。
  Tha sinn (mi) às an t-Seapan.
  ハー シン(ミー)アス アン ツァーパン
3)スコットランドのことは好き?
  An toil leibh Alba?
  アン トレイヴ アルパ(注:アルバではない)
4)はい好きです。
  'S toil.
  ストル。
5)わたしの名前は、Seumas MacLòeid. あなたの名前は?
  Is mise Seumas MacLòeid. Dè 'n t-ainm a tha oirbh?
  イス ミシェ シェイマス マクローチ. ジェーン テインマ ハ オィルヴ.
6)わたしの名前は、ペンゴ ナンバ です。ご機嫌いかがですか?
  Is mise Pengo Nanba. Ciamar a tha sibh, a Sheumais?
  イス ミシェ ペンゴ ナンバ. キマラ ハー シブ、ア ヘイミッシュ。
7)元気ですよ。ありがとう。あなたは元気なの、ペンゴ?
  Tha gu math. Tapadh leibh. Ciamar a tha sibh fhèan, a Phengo?
  ハーグマ ターペ レイヴ。 キマラ ハー シヴ ヒーン、ア フェンゴ?
8)元気です。ありがとう。こっちは妻のpen妻です。
  Tha gu math. Tapadh leibh. Seo Pentsuma, mo bhean.
  ハーグマ ターペ レイヴ。 ショ ペンツマ、モ ヴェーン。
9)こんにちは。わたしはpen妻です。
  Feasgar math. Is mise Pentsuma.
  フェスカ マー。 イス ミシェ ペンツマ。
10)今日はさむいですね。
  Tha e fuar an-diugh.
  ハーエ フア ァンジュ
11)本当ですね~ もしくは すごく寒いですね~。
  Tha gu dearbh. もしくは Tha e glè fhuar.
  ハー グ ジャラヴ もしくは ハーエ グレ ウア

となって、会話が続く。もちろんこのあと盛り上がり、Slàinteとやって飲みまくるのはいうまでもない(笑)。

Seumas MacLòeidとPengo and Pentsuma Nanbaはあくまでも架空の登場人物です。pengoやpen妻という名前の日本人はおらんやろというつっこみはなしです。Seumasともども、呼びかけの時のaspirationをうまく使えるために持ち出した名前なのです。pengoさんお許しを。

文法事項については、別途説明します。

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2005年7月 9日 (土)

Gleneagles Gleann na h-Eaglais

Gleneagles は、今回のG8サミットの開催地であった。日本のメディアには、エディンバラ郊外のグレンイーグルスなどと紹介されていた。英語がわかる人は、鷹や鷲(イーグル)がいる谷(グレン)なんだなぁと思われたのではないかと思う。

全然違うのがおもしろいところで、タイトルにも書いたように、Gleann na h-Eaglais(グレンナヒーガリシュ)が、ゲール語の地名なのだ。意味は、その教会がある谷 ということで、鷲や鷹がいる谷とは全然違うことがわかっていただけると思う。 

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2005年7月 8日 (金)

Gàidhlig ann am bàr (1)

Gàidhlig ann am bàr. ガーリク アンナム バー. パブでのゲール語

こんなときこそ平時と同じように生活しようと思うので、ゲール語講座続けます。今回はタイトルにもあるようにパブで使える表現です。スコットランドでは、パブのことをバーという人々もよくいます。田舎のパブで昼ご飯を食べようと思ったら、Bar Meal という看板を見つけましょう。そこがめざすパブだったりします。

1)ビールを1パイントください。
  Pinnt leann, ma 's e do thoil e.
  ピンチ レアン,マ シェド ホレ

 これは説明不要でしょう(笑)。 Pinnt は英語の pint からきている。leann はビールで、特定の銘柄がほしければ、ここにその銘柄をいれればよい。ma 's e do thoil e は please に相当するフレーズなので、覚えておくと便利。

2)ビールをハーフパイントください。
  Leth-pinnt leann, ma 's e do thoil e.
  レピンチ レアン、 マ シェド ホレ

3)いくらですか?
  Dè a' phris a tha e ?
  ジェ エ フィリシュ ァ ハ エ

  4ポンド25ペンスです。
  Ceithir not(aichean) agus còig sgillinean fichead.
  ケヒア ノット(ノティヒャン) アカス コイク スキリィアン フィヒト

 これもあまり説明がいらないと思う。not は、英語の note からきていて、コインのポンドがなかった時代の名残のはず。sgillin がペンス。数字については、今は解説しない。

4)レアなウイスキーはありますか?
  A bheil uisge-beatha ainneamh agaibh?
  エヴェル ウィスケベーハ エネヴ アガイヴ?

  もしあれば、Tha.(ハー) とか Tha gu dearbh.(ハー グ ジャラヴ)
  なけば     Chan eil. (ハ ニール)
  ありますと言われて、銘柄を聞くとき
   Dè 'n t-ainm a tha air?  (ジェーン テインマ ハ エア)
  この4)の項目は当ブログの特定読者向けです(笑)。

5)乾杯
  Slàinte(スラーンチェ)
  Slàinte mhath(もしくは mhòr).(スラーンチェ・ヴァー、スラーンチェ・ヴォー)
 意味は、”健康” あとは 良いという意味の math や大きなという意味の mòr をつけたもの。Slàinteは女性名詞で、それを修飾する形容詞のうち、語頭がm(b,c,f,pも)の場合はaspiration もしくは lenition と呼ばれる変化を起こす。具体的には、h が挿入されて、m から mh となって発音も m から v という発音に変化する。それゆえ、math(マー)→ mhath(ヴァー) mòr(モー) → mhòr(ヴォー)という変化になる。

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2005年7月 7日 (木)

Connragan caola

引き続き Connragan(子音)の発音。Conngragan caola(スレンダーの母音 i e に続く子音)の発音。スレンダーでもこれ以外の場合はブロードと共通である。ブロードの場合と同様にほとんど全ての子音の発音に h がのっていると意識すること。

正確を期すため、単語の選択などは Teach Yoursef Gaelic の発音の項を参照した。

子音 英語で同等の発音 ゲール語の例 の順番で並べておく。
 c   語頭にあるときは kilt の k と同じ    ceòl(音楽)  
     他の位置ではドイツ語 ich kenneの ich k と同じ aice(aig+iの短縮形)
 ch   英語になし ドイツ語のich        chi(見るfaicの未来形)  
 d   英語のjet の j と同じ           deiseil(準備ができた)
     その他の位置ではcattle の tt と同じ  ad(帽子、ハット)
 dh   英語の yet の y と同じ          dheth(de+eの短縮形)
 g   文頭では g に y をつけるような感じで geal(白い)
     その他の位置では neck の ck と同じ  aige(aig+eの短縮形)
 gh   dh と同じ つまり yet の y と同じ     gheal(gealのaspiration形)
 l    英語の allure の ll と同じ         leabhar(本)
 n    英語の new の n と同じ           nighean(娘)
 s   英語の she の sh と同じ         sin(あの)
 t   語頭では英語の chin の ch と同じ   teth(暑い、熱い)
     その他では、hがくっついて発音する  cait(どこ)

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Connragan leathann

Connragan(子音)の発音について記しておく。ゲール語はとても息が大事な言語で、発音の基本は、ほとんど全ての子音の発音に h がのっていると意識すること。

正確を期すため、単語の選択などは Teach Yoursef Gaelic の発音の項を参照した。

Conngragan leathann(ブロードの母音 a o u に続く子音)の発音。ブロードのみでなく、ブロードとスレンダーが共通している場合もこの発音でOKである。

子音 英語で同等の発音 ゲール語の例 の順番で並べておく。
 b   語頭にあるときは英語と同じ       bata(スティック)  
     他の位置では captive などのpと同じ  dileab(伝説)
 bh   語頭にあるときは英語のvと同じ     bha(be動詞相当の過去形)  
     他の位置では v もしくは w        abhainn(川)
 c    語頭にあるときは cap の c と同じ    cù(犬)
     他の位置ではLoch Katharineのchkと同じ   aca(aig+iadの短縮形)
 ch  英語になし loch の ch            loch(湖、深く入り込んだ入り江)
 d   文頭では英語のdrew の d と同じ    dudh(黒い)
     その他の位置ではcattle の tt と同じ  ad(帽子、ハット)
 dh   loch のchを声に出した音         dhà(2つ)
 f    英語と同じ                 fada(長い、遠い)
 fh    通常はサイレントで発音しない     fhada(上記のaspiration形)
 g   文頭では英語のgと同じ          gabh(得る、行く)
     その他の位置では ankle の k と同じ  clag(ベル)
 gh   dh と同じ                     ghabh(gabhのaspiration形)
 h   英語の h と同じ               hama(ハム)
 l    英語の pulled と似ている         latha(日)
 m   英語の m と同じ              mòr(大きい)
 mh  ゲール語の bh つまり英語の v     mhòr(上記のaspiration形)
 n    英語の kindred の n と似ている       a-nochd(今晩)
 p   語頭では英語と同じ            pàigh(支払う)
     その他では、hがくっついて発音する  ròpa(ロープ)
 ph  英語の pheasant の ph と同じ      phàigh(paighのaspiration形)
 r   英語と同じ                 rùm(ri + mi の短縮形)
 s   英語と同じ                 sona(幸せな)
 sh  英語の hat の h と同じ           shona(上記のaspiration形)
 t   語頭では英語の true の t と同じ    trì(3、みっつ)
     その他では、hがくっついて発音する  cat(猫)
 th  英語の h と同じ               tha(be動詞相当の現在形)

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2005年7月 6日 (水)

Fuaimreagan

Fuaimreagan(母音) a o u i e à ò ù ì è の発音について記しておく。英単語の下線部の発音がゲール語の下線部と対応するように書いている。

母音 英語で同等の発音 ゲール語の例 の順番で並べておく。
Leathann(レハン:ブロードの母音)の発音
 a   cat           bata(スティック)  
 à   rather          bàta(ボート)
 ao   ooee の中間   caol(細い)
 o   top            poca(バッグ)
      boat          bog(霧がかった)
 ò   jaw            pòcaid(ポケット)
      door          mòr(大きい)
 u   brood          tur(全部の)
 ù   brewed         tùr(塔)

Caol(キャール:スレンダーの母音)の発音。
 i   tin             sin(あれ、これ)
     sweep          ith(食べる)
 ì   長い e, evil       sìn(伸ばすこと)
 e   get            le(~と一緒)
     gate           teth(熱い)
 è   長い e          sèimh(穏やかな)、fhèin(~自身)

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Litreachadh agus Fuaimneachadh

ゲール語のつづり(Litreachadh)と発音(Fuaimneachadh)

ゲール語のつづりと発音は、なじみがないととても難しく感じる。しかし、つづりと発音の関係は英語よりはずっと強いルールがあるので、一度覚えてしまうと意外と簡単に感じる。といっても、つづりが確定した後で、発音の方が変化することがあるのは、どの国の言葉でも起こることなので、イレギュラーな発音ももちろんあって、それは覚えておくしかない。

ゲール語では、a b c d e f g h i l m n o p r s t u の18個のみを使い、j k q v w x y z の8個は使わない。ただし、母音の上に点を付けた長母音の記号 à ò ù è ì (この記号をグラーヴという)付きのものが5個がある。

そして、leathann(ブロードの母音) a o u と caol(スレンダーの母音) i e は区別して覚えなければならない。それは、子音の発音が、その前後がブロードなのかスレンダーなのかで発音が変わるからである。これが最も英語と違うところだろう。

もうひとつ、スレンダーはスレンダー、ブロードはブロードというルールがある。これをゲール語で caol ri caol agus leathann ri leathann という。これは、つづりという意味のlitreachadhを例にとると最初の i はスレンダーの母音なので子音 tr の後は同じくスレンダーの e がくる、また、すぐそのあとでブロードの母音 a に変わったので、その後の子音 ch の後には a というブロードの母音が続くというルールを示したものである。

もうひとつ、重ねて書かれる子音は、l n r の3種類だけというのも頭に置いておくと便利。

また、発音の仕方は英語の単語で説明することにする。これも日本語にない発音が多く、かつゲール語の解説書のほとんどが英語で書いてあるため説明がしやすいから。日本語で書いてあるサイトとしては情けないがご容赦いただきたい。

具体的な発音については、次回から書いていく。

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2005年7月 5日 (火)

Macallan Magh Fhaolain

Macallan も、わたしでも知っている有名なスコッットランド産ウイスキーのブランドである。字面をみたときあまり深く考えずに、MacAllanと勘違いして、Allan氏族がやっている蒸留所だと勝手に考えていた。でも、そうならば Macallanではなく、MacAllanと書かれるはず。ということで、調べました。すると、Magh Fhaolain(マグ アラン)というゲール語が元になっているそうで、意味は、英語でFillan、ゲール語でFaolanっていう人の平原ってこと。Fillan/Faolanさんて方が昔はここにいたのだろう。では、なんでマクファランやマグファランと発音しないというと、所有などを表すときに、ゲール語では固有名詞でもその形を変えることがあって、男性名詞の場合には、最初の文字のあとに”h”が挿入され、最後の子音の前に”i”が入る。もちろん、これによって発音も変わる。さらに fh はサイレントというルールがある。このルールによって、Faolan(ファラン)という固有名詞が Fhaolain(アラン)と変わったのである。そうすれば、マグアランと発音できて、グがクに変わる程度(といってもMaghのグはのどの奥でならすグなので、英語にはない発音でクと聞こえても不思議はない)で、英語の地名ができあがる。

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Glenfiddich Gleann Fhiodhaich

Glenfiddich は、わたしでも知っている有名なスコッットランド産ウイスキーのブランド。もちろん地名でもある。地名は、ゲール語 Gleann Fhiodhaich(グレン ユーガッヒ)に由来する。意味は、木があるところの谷。Fhiodhaichの部分は、fiodh(フィグォ:木)からきているのだが、これをfiadh(フィグァ:鹿)と誤って解読している例が見られるので、注意が必要なんて文献もあった。

発音はカタカナの限界でちっともそれらしく書けていないので注意が必要。

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2005年7月 4日 (月)

Craigellachie Creag Eileachaidh

Craigellachie は、スコッットランド産ウイスキーのブランド名でもあるし、蒸留所がある地名でもある。ここまでは、Strathislaと一緒。でも、由来がよくわかっていないらしい。わたしが捜したところでは、Creag Eileachaidh(クレーグ エリヒャィ)と解読して、The rock at the stony place:石が多い場所にある岩って説明していた。もう一つ。こっちの方がおもしろいんではないかと思うのがこれ。Cruinneachadh na’n Grandach と解読するもの。発音的には、クルニハク ナン グランタハで、意味は The Grant’s Gathering:グラント氏族の集合 となる。このあたりは、昔から、グラント氏族がいざとなったら集まる場所だったのだ!こっちのほうが意味的にはおもしろろそう。ただし、クルニハクナングランタハとクレイギャラヒィでは、似てると言えば似てるが、似てないよなぁ。

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Strathisla Srath Ìle

Strathisla は、スコットランド産ウイスキーのブランド名でもあるし、蒸留所がある地名でもある。これは、ゲール語では Srath Ìle と書く。読み方は、英語はストラスアイラだが、ゲール語では、スラ イーレとなる。  Ìle は、Islay(アイラ)島と同じつづり。 Ìle の意味は、flank shaped ではないかと解説している文献も見るが、わたしにはよくわからない。また、Srathについては、私が持っている辞書ではSrath(スラ)というつづりと、Strath(ストラ)というつづりがあった。どちらが正しいということではなくて、両方あると思っていた方がよさそうだ。  

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2005年7月 3日 (日)

Ainmean Aite(2)

スコットランドの地名には、英語名とゲール語名があるということを前回は書いた。英語の地名でも、ゲール語由来の地名がたくさんあって、ゲールをちょっと知っていると謎解きのように地名の意味がわかることがある。日本でも、二つの川がぶつかりあうところに落合という地名がついたり、その土地に大きな島と小さなが島があれば、大島と小島という地名ができたりするのと同じように、スコットランドの地名もわかってくるのである。では、その地名解読の元になるゲール語のヒントをあげておこう。

英語地名の要素 元々のゲール語 地名の例 その意味 の順番で並べておく。
Ach/Auch  Achadh(アハグ:野原)  Achmore An t-Achadh Mòr  大きな野原
Bal  baile(バレ:村、町)  Baleshare  Am Baile Sear  西の村  
Ben  beinn(ベン:山)  Benbuie  Beinn Bhuidhe  黄色の山
Dun/Dum  dùn(デューン:砦、丘)  Dunbeg  An Dùn Beag  小さい砦
Glen  gleann(グレン:谷)  Glendhu  An Gleann Dubh  黒い谷
Inch  innis(イニシュ:島)  Inchcolm  Innis Choluim  コロンバの島
Inver  inbhir(インヴァ:河口)  Inverbeg  An t-Inbhir Beag  小さな河口
Kil  cill(キル:教会)  Killmarnock  Cill Mhearnaig  マーノック教会
Ken/Kin  ceann(キン:端、頭)  Kinloch  Ceann Locha 湖の端
Loch  loch(ロホ:湖、深い入り江)  Lochdhu  An Loch Dubh  黒い湖
Strath  srath(スラ:幅広い谷)  Strathmore  An Srath Mòr  大きな谷
Tay/Ty  Taigh(タイ:家)  Tyndrum  Taigh an Droma  尾根にある家

上にすでにでているけど、色や高さを表す形容詞を覚えておくとこれまた参考になる。
Aird/ard  àrd(アート:高い)  Airdrie  An Àrd Ruigh(高い斜面)
Buie  buidhe(ビュィ:黄色い)  Bogbuie  Am Bog Buidhe(黄色い沼)
Bane  bàn(バーン:白い)  Bruachbane  Am Bruthach Bàn(白い丘陵)
Beg  beag(ベク:小さい)  Auchenbegg  Achadh Beag(小さい野原)
Breck  breac(ブレク:斑点がある)  Achbreck  Achadh Breac(まだら状の野原)
Dhu/Duff  dubh(デュ:黒い)  Duffus  Dubhais(黒いところ)
Garve  garbh(ガルプ:荒れた)  Baligarve  Am Baile Garbh(荒れた村/農場)
More  mòr(モー:大きい)  Bowmore  Bogha Mòr(大きな岩礁)

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Brochan

An toil leat brochan?
読み方 アン トレト ブロヒャン
意 味 あなたはポリッジが好きですか?

ゲール語でBrochan(ブロヒャン)は、スコットランド名物料理の一つで、ポリッジ(Porridge)のこと。もちろんオーツ麦(オートミール)で作られた粥のこと。スコットランドはもちろん、英国のB&Bなどでも朝食にだされることが多い。このオーツ麦について、18世紀にサミュエルジョンソンは、「イングランドでは馬に食べさすが、スコットランドでは人が食べる。」と表現したそうだ。しかし、弟子だったスコットランド人のボズウェルは、「だからイングランドでは馬が優秀で、スコットランドでは人が優秀なのだ」とやり返したそうだ。

材料 オーツ麦、水。神戸ではポリッジ用オーツ麦を売っているお店がある。

作り方
1)容量でオーツ麦の4倍の水を鍋にいれて沸騰させる。
2)沸騰したらオーツ麦を入れて、2~3分茹でたら完了。
3)このとき、チキンストックを少量いれたりするとおいしい。

porridge

 

 

 

食べ方
 底が深いお皿にいれて食べる。わたしは少量の塩を振って食べる。しかし、温めたミルク、砂糖、蜂蜜をかけて食べるのも一般的だそうだ。塩味がきいたキッパーと呼ばれるニシンの薫製とこのポリッジがあれば、120%満足できる。
 最近発見した食べ方。ポリッジに納豆も意外といけるということ。もともとおかゆであまり味がないところに、からしと醤油を入れた納豆がよくあうんだなこれが、一度お試しを。

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2005年7月 2日 (土)

Ainmean Aite (1)

Ainmean Aite は地名(複数)というゲール語。英語とは違う独立した言語であるゲール語には、独自の地名がある。例えば、エジンバラは英語では Edinburgh というが、ゲール語では、 Dun Eidean という。ここでいくつかの例を挙げておく。

日本語    英語    ゲール語
エジンバラ  Edinburgh  Dun Eidean(ドゥンニージャン)
インヴァネス  Inverness  Inbhir Nis(インヴァーニシュ)
グラスゴー  Glasgow  Glaschu(グラースフ)
アバディーン  Aberdeen  Obar Dheandhain(オパリーアン)
セントアンドリュース  St. Andrews  Cill Rìmhinn(キルリヴィン)
カイルオブロハイシュ  Kyle of Lochalsh  Caol Loch Aillse(キャールロハルシェ)

日本  Japan  an t-Seapan(アンツァーパン)
ハイランド  Highland  a’ Ghaidhealtachd(エギャールタハク)
スコットランド  Scotland  Alba(アルパ)
イングランド  England  Sasann(ササン)
ウェールズ  Wales  a’ Chuimrigh(エフームリィ)
コーンウォール  Cornwall  an Còrn(アンコールン)
アイルランド  Ireland  Eirinn(エリン)

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Taigeis

'S toil leam taigeis.
読み方 ス トレム タケシュ
意 味 わたしはハギスが好きです。

ゲール語でTaigeis(タケシュ)は、スコットランド名物料理の一つで、ハギス(Haggis)のこと。古フランス語のハックhachis(切り刻む)からきた言葉。古くは、鹿の内臓を使った料理だったそうだ。

材料 羊の内臓-心臓、腎臓、肝臓、肺など、羊の脂、玉葱、オーツ麦

作り方
1)準備 よく洗って一日天日乾燥させた羊の胃袋(笑)、タコ糸、針、上記材料
2)羊の内臓は、ゆでてミンチにしておく
3)玉葱をみじん切りにする
4)フライパンなどで、オーツ麦をよく炒る。
5)4)に、ミンチした内臓、羊の脂、玉葱のみじん切りを加えて、塩、胡椒などで、味を整える。
6)1)の羊の胃袋に5)でできたものを半分ぐらいまでつめて、タコ糸で縫い合わせておく。さらに、針でついて穴をあける。
7)鍋にいれて4~5時間ゆっくりと茹でたらハギスのできあがり。
  6)で穴を開けておくのは、茹でてオーツ麦がふくれて胃袋が破れたりしないようにするため。

食べ方
 胃袋から取り出し、皿にとりわけたら、マッシュドポテト、マッシュした蕪(ターニップ)を付け合わせにして、アツアツのうちに食べる。スコッチウイスキーを少量振りかけるのが通の食べ方らしい。

スコットランドでの盛りつけ例(左3つ:夕食、最右:朝食)

HaggisDHD

haggisRM

haggistassHaggisMHD

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2005年7月 1日 (金)

Tha gaol agam ort.

前回は、Tha ~ aig 人.という形で、人が~を持っている。~の能力があるということを表現できました。この形の応用で、実用的なものをひとつあげておきます。

Tha gaol agam ort. 
読み方 ハー ギュール アカム オシュト
意 味 わたしはあなたを愛している
英語の逐語訳的には、There is a love with me on you. となって、ちょいと変に感じる。agamのアカムはぎりぎりガと聞こえないカで、オシュトは、ort の r が発音されない傾向にあるため、このように書いている。

もうひとつ、別の構文ですが、実用的な表現。名乗るときに使います。

Is mise Nanba.
読み方 イス ミシェ ナンバ
意 味 わたしはナンバです。

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2005年6月29日 (水)

Tha Gàidhlig agus Beurla agam.

コメントをいただき、読み方を一部修正してある(2006.09.25)

今日もゲール語について書いてみます。
念のため、まだほんの片言しかしゃべられないのです。。。。
早く最初の文章をどうどうと言えるようになりたいものです。

Tha Gàidhlig agus Beurla agam.
読み方 ハー ガリク アカス ビューラ アカム 
意 味 わたしはゲール語と英語を話します。

A bheil Gàidhlig agaibh?
読み方 エヴェル ガーリク アキフ 
意 味 あなた(がた)はゲール語を話しますか?(複数形と単数形のformal)

A bheil Gàidhlig agad?
読み方 エヴェル ガーリク アカト
意 味 あなたはゲール語を話しますか?(単数形informal)

Bha mi gu trang ag obair an-diugh. 
読み方 ヴァー ミー グ トランク アコペル ァンジュ 
意 味 今日は仕事がとても忙しかった

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2005年6月28日 (火)

Tha mi ag ionnsachadh Gàidhlig.

とにかくスコットランドについて何か書こうと思ってつけたタイトルです。

nanba(全角小文字)と申します。このハンドルでホームページを作ってましたが、そのままではココログが作れなかったので、baile beag という名前を付けました。baile beag はゲール語で小さい村ってこと。スコットランドにいくと小さいけどすてきな村がたくさんあって、そこに住む人々はとてもやさしい。そんなスコットランドが大好きなのです。

そんなスコットランド好きがこうじて、最近ではゲール語も習い始めました。
ではさっそく、今日のゲール語。

Tha mi ag ionnsachadh Gàidhlig.
読み方 ハー ミー エキンシャナハク ガーリク
意味 わたしはゲール語を勉強しています。

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